'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
12月16日時点1567勝
七夕賞に続きJDDもキョウエイギアで制覇!圭太の勢いが止まらない!
2016/7/15(金)
夏競馬でさらに加速!七夕賞&JDDを優勝!
-:昨日はJDDをテン乗りのキョウエイギア(牡3、栗東・矢作厩舎)で快勝!おめでとうございます!
圭太:ありがとうございます!いやあ強かったですね。
-:そうですよね。確かにここまで3勝していますが、前走の着差も僅差でしたし、負かした相手が次戦で敗れているところを見ると、今回はどうかな?と見ていました。それにゴールドドリームなどの戦歴を比べると、キョウエイギアの方がレース数も使っていますからね。
圭太:僕はテン乗りだったので、どれだけやれるのかな?という思いでしたが、前走のレース映像を観て少し掛かるところはあるものの、そこはどうにか出来るんじゃないかと。競馬のまとまりはどうにかこなせる見込みはあったので、相手関係だけと思っていました。乗りやすいですし、センスも良い馬ですね。
-:割りと重めのタイプのディープスカイ産駒ですから、馬場が軽くなった点もどうかと思っていました。
圭太:ええ、問題なかったですね。それに大井は地元ですし、そこで勝てたのも嬉しかったですよ。
-:調べると、2010年以来の大井でのG1制覇。戸崎騎手だけに意外にも思えました。
圭太:いやいや、そんな甘くないですよ。交流ともなれば、頭数も限られますし、その中でいい馬に乗れるかどうか、というところもありますから。その中でも同期の安藤(元騎手で現在は矢作芳人厩舎の調教助手)と一緒に口取りできましたし、それこそ馬主さんも地方時代からすごくお世話になっている人。オーナーの誕生日だったので、これは決めたいなと思っていたんです。それに、矢作先生の体調のこともありましたからね。
-:オーナーが誕生日だったとは初耳です!しかし、決めましたねえ。
圭太:色々な意味で勝てて良かったですよ。
「掛かるような馬を乗るのは好きなのでね。前向きにとらえているのが良いのかもしれません」
-:そして、七夕賞(G3)もテン乗りのアルバートドック(牡4、栗東・須貝尚厩舎)で2週連続の重賞制覇となりました。
圭太:上手くいきましたね。能力があるのはわかっていたのですが、引っかかるなんて聞いていたのですが、それも問題なく、スタートさえ決まれば“先行しても良いかな”と思っていたほどです。
-:しかし、過去には引っ張ったり窮屈になったりとなかなかスムーズな競馬ができていなかったイメージの馬ですが、それも折り合いを上手くつけられたのが大きかったのかもしれませんね。よく話を聞く馬のことを調べている時に、過去には「引っかかった」という話がある馬を、難なく折り合いをつけて乗ってこられる印象がすごくあります。
圭太:そんなことはないと思いますが……まあ、掛かるような馬を乗るのは好きなのでね。前向きにとらえているのが良いのかもしれません。
-:いや、素晴らしいですよね。ちなみに、3着にダートで走っていた馬が突っ込んできましたが、それだけ福島の馬場も荒れていましたか?
圭太:まあ、そうですかね。雨の影響もあったのかな。特に3~4コーナーは荒れてますよ。でも、そこを避けて遠ざかっているようだとダメです。
-:まだまだ大外ぶん回すのがちょうどいい荒れ加減ではないと。
圭太:そうですね。ただ、そうやって、馬場を読めるようなことを言えるようになってきたことは嬉しいですよ。少しは成長したかな(笑)。
-:さて、今週は土日ともに福島での騎乗ですね。珍しくテン乗りばかりですが、バーデンバーデンCのゴールデンナンバー(牝7、美浦・萩原厩舎)は初コンビですね。
圭太:そうですね。前走も好走していますし、何とか一発を狙いたいですね。
-:同じく日曜の鶴ヶ城特別のヨンカー(牡3、美浦・和田郎厩舎)はコンビ2戦2勝です。
圭太:力があるし、先行力、スピードもありますね。ただ、モマれ弱さもあるので、この相手とやってどうかですね。能力通りならば、このクラスでもやれる存在ですよ。
-:土曜の安達太良Sはリッカルド(セ5、美浦・黒岩厩舎)に騎乗されますが、久々のコンビですね。
圭太:成績通り詰めの甘さは確かにありますね。追ってからが甘くなるといいますか。福島自体はあうと思いますし、競馬は上手な馬ですね。
-:土曜8Rのスイートメロディー(牝3、美浦・大和田厩舎)は前走大敗も、未勝利勝ちは圧巻でした。
圭太:前回は休み明けでテンションが高かったですね。一度使ったことでリラックスしてくれると良いのですが、未勝利の手応えそのものは上のクラスでも、と思うほどでした。引き続き期待しています。
断然1番人気で2着に反省の一言
-:先週のレース回顧もお願いしたいのですが、イダクァイマ(牡4、美浦・高柳厩舎)は昇級だったのか、福島なのか、僕が思っていた以上に崩れてしまいました。
圭太:やはりクラスが上がるとそんなに甘くはないですね。福島も慌ただしいのかもしれませんし、初めての右回りもあったかな?スムーズには走らせてあげられたので、モマれ弱さとは関係ないですね。
-:そうでしたか。キュイキュイ(牝2、美浦・手塚厩舎)も同様に人気を裏切る形になってしまいました。
圭太:前半で少し噛んだのもありましたが、最後は思ったほど伸び切れませんでした。しかし、その後、入院馬房に入ったらしく、体質の弱さもあるみたいです。
-:噛んだといっても、あの程度ならば許容範囲内でしょうし、そこらへんもあるのかもしれませんね。人気で負けた馬ばかりの話が続きますが……(苦笑)、サクラアンプルール(牡5、美浦・金成厩舎)はどうでしたか?
圭太:少し合わない馬場で走らされて気がなくなったのもあるかもしれません。もともとオンとオフの激しい馬。福島も合わないのかな。
-:ここまでも話した内容ではありますが、中山と福島は似ているようで違うと。
圭太:(キッパリと)全然違いますね!
-:そして、ストレンジクォーク(牡4、美浦・小島太厩舎)ですが……。
圭太:(空気を察するように)さすがにお分かりの通りです。ああだこうだ言っていますが、あれで負けるなら騎手失格と言えるほどです。ほんとダメですね。
-:まあ、テン乗りでしたし、馬場も良くなかったので……。
圭太:確かに馬場には苦戦している雰囲気はありましたが、今回は僕に尽きます。レースを終えた後、気持ちを沈めるのに大変だったほどです。関係者、ファンにも申し訳ありませんでした。
-:ここまでキッパリと言われるほど、と。
圭太:そうです。
-:それと、最後にハッピーランラン(牝2、美浦・手塚厩舎)はどうでしたか?
圭太:今回は上手くいきましたね。でも、まだまだ先の馬ですよ。本当に良くなるまで時間は掛かると思います。
-:最後に次週は函館での騎乗ですね。
圭太:モンドキャンノ(牡2、栗東・安田隆厩舎)ですね。月曜日は盛岡もありますし、福島、盛岡と続いての転戦ですが、頑張ります。
-:充実の夏を引き続きお過ごしください!
圭太:ありがとうございます!
※次回は7月22日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。