'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
12月16日時点1567勝
お見事!福島リーディングに輝き、新潟&札幌へ勇躍!
2016/7/29(金)
祝・福島リーディング!そして、新潟へ
-:毎週、「おめでとうございます」で始まっている気もしますが、福島開催リーディングおめでとうございました!結果的には18勝と圧倒的な成績でしたね。
圭太:ありがとうございます!でも、土曜日は人気馬に乗せていただいたのに、もう一つ結果を残せませんでしたからね。そこを獲ってこそ一流だと思うので反省です。
-:自分に課すハードルが高い戸崎騎手ですが、メインの白河特別をフルールシチー(牝5、栗東・西園厩舎)で制されたので、いい形で終わったとは思います。
圭太:いやいや、その後(最終レース)もありましたからね。でも、フルールシチーはここでもコメントさせてもらった通り、最近はモタモタしているところがあったのに、先団にも取り付けましたからね。ここのところは出していっても、なかなか反応がなかったのですが、いい位置につけられたのが良かったです。
-:日曜の函館2歳ステークス(G3)はモンドキャンノ(牡2、栗東・安田厩舎)に騎乗。1番人気で2着でしたね。
圭太:一回使ったことで気合い乗りがスゴかったですね……。レース前から違っていました。それもあって、スタートは上手く出られたのですが、あまり出していくのも、と思ってああいう形になりましたね。
-:序盤は大敗するんじゃないか、というくらいの行きっぷりでしたね。
圭太:ええ、スゴいハミの取り方でした。まあ、ペースが遅かったのもあるのですが、コーナーを過ぎてからは落ち着いて、こういう競馬が出来たのも良かったかもしれません。勝てなかったのは悔しいですが、賞金を加算できましたからね。
最終的な抜けた1番人気に支持されたモンドキャンノ 敗れはしたが2着を確保し賞金加算
-:そして、今週から新潟開催が始まりますね!今週は土曜が新潟、日曜が札幌で今のいい流れを持続してほしいところです。
圭太:今年は福島に期するものがありましたからね。完璧な成績ではないので、全てヨシとは出来ませんが、結果的にこれだけ勝ち星を挙げられたことは合格として、この流れで新潟にも挑みたいです。
-:ちなみに、毎年伺ってますが、好きなコース、得意なコースはありますか?例年、変化もあるのであえて伺います。
圭太:(キッパリと)直線競馬ですね。なかなかそう思うファンの方はいないかもしれませんが、ペースや展開に左右され過ぎないコースなんです。特に騎手の腕が問われるというか……。だから、乗っていて楽しいですし、乗りがいがありますよ!でも、去年は未勝利だったけど(笑)。
-:へえ、そうだったんですね。直線が好きとは聞いていましたが、レースを観ていると、カメラアングルもあるのですが、なかなかレースの流れを捉えるのも難しいです。ちなみに、どんな馬のタイプがこのコースにあいますか?
圭太:難しいですねえ。まあ、枠や馬場も必要な条件ではありますから。でも、ダートを走っていても関係ないですね。いずれにせよ、スピードは要求されますよ。だから、ダートの1200mでガンガンいって、最後に脚が上がってしまっているような馬はいいですねえ。
-:確かに芝・ダート兼用馬が好走しているイメージがありますものね。ただ、今週は千直に乗っていませんね。
圭太:あれっ?そうでしたか?僕も帰ってきたばかりで、騎乗馬をチェックしてきれていなかったんだけど、おかしいなあ。エージェントにも乗りたいからお願いしているはずなんだけど(笑)。
さあ、今年初の新潟へ!
※取材はクイーンSを予定していたチェッキーノの出走取消前に行いましたが、内容は割愛させていただきます。
-:続いて、土曜新潟の佐渡ステークスはマローブルー(牝5、美浦・堀厩舎)とのコンビですね!
圭太:ずいぶん久々なのでね……。何とかいい結果を残したいです。馬自体は乗りやすいし、センスもありますよ。
-:古町特別のサトノキングダム(牡3、美浦・国枝厩舎)はクラシック参戦を目前にして体調が整わず、半年ぶりの競馬になりますが、世界的良血として注目を浴びていましたね。
圭太:確かに追い切りは久々の雰囲気はありましたね。ただ、状態は出来てきていますよ。相手関係も強いですから、どう乗るか楽しみです。
-:デビューはマイル戦でしたが、今回もマイル戦に戻りますね。
圭太:いいと思いますよ。馬も素晴らしい筋肉をしていますし。
-:2歳未勝利のブライトエピローグ(牝2、美浦・大江原厩舎)はデビュー前の追い切りでなかなか操縦が難しかったようですね。
圭太:でも、レースにいけば我慢は効きましたね。ここも上位争いできると思います。
久々にファンからの質問に答えます!
-:先週のその他の馬についてもよろしくお願いします!メイクアップ(牡5、栗東・谷厩舎)は馬場が合うんじゃないかと思っていましたが、結果的には距離も合っていなかったのでしょうか?
圭太:欲を言えば、もう少し短い距離のほうが決め手は出るかと思いますね。
-:クィーンズベスト(牝3、栗東・大久龍厩舎)は逃げた勝ち馬も強かったと思いますが、あの一戦はどう見られましたか?
圭太:思っていた以上に勝ち馬は強かったですね。観る人によって、もっと突いていけばいいんじゃないかと思われるかもしれませんが、僕はこの馬のリズムで競馬が出来たと思いますし、共倒れになるような展開になってもしょうがないですからね。2番手で競馬が出来たことも収穫ですし、いい競馬は出来たと思います。
-:続いてラテラス(牝4、美浦・高柳厩舎)は惜しい結果でした。
圭太:いつでもチャンスはあるのでしょうが、もうひと伸び欲しかったところです。でも、前よりも短い距離にこだわらなくても走れますし、競馬は上手。条件一つでチャンスが回ってくるんじゃないでしょうか。
-:ここからは読者の方からも質問をいただいていたので、紹介したいと思います。トラペゾヘドロンさんから「香港G1などを経験されている戸崎さんですが、今後挑んでみたい海外のG1レースまたは海外の競馬場(コース)はありますか?」とのことです。
圭太:いやあ、行っていないところならばどこでも!
-:大井時代ですが、昔はヨーロッパかアメリカならアメリカに行ってみたい、という意見だったことを覚えています。
圭太:今はヨーロッパですね。というのも、当時は何もわからず言っていましたから(笑)。競馬の奥深さならばヨーロッパ、騎手の姿勢や格好良さならアメリカですかね。
-:海外では香港のみの騎乗ですが、中央に来て、色々なジョッキーとも乗ることで変わってきたわけですね。続いてふぉんさんより「私は戸崎さんを応援していますが、戸崎さんはインターネットやTwitterでの評価って見ていたりしてますか??」という質問をいただきました。
圭太:あ~たまに見ますね。
-:それは意外。今はそんな意見も少ないかと思いますが、罵詈雑言といったら失礼ですが、厳しい言葉もあったりするんじゃないですか?
圭太:それは気にならないですね。そう言ってるんだ~、くらいなもので。
-:昔は南関東なんかでもキツいヤジはあったかと思いますが、これはショックだったというヤジはありますか?
圭太:まあ、ありますよ。流石にね。一番キツい?う~ん「お前なんか、(JRA)試験に受からねえよ!」ですか。騎乗のことじゃないんか!?と記憶にありますね(笑)。
-:ハハハ、キツいというか、面白いですね。いけしゅんさんからは「どの競馬場のコースが好き(得意)ですか?その理由もできれば教えてください!」と質問をいただいております。
圭太:昔は東京、少し前は中山……。今はう~ん、難しいですね。福島の面白さも感じてきていますし、昔よりもコースの特性を把握しつつある上で、それぞれの魅力を感じられるようになったと言いますか。
-:新潟なら直線競馬など、それぞれ見どころがあるわけですね。
圭太:ええ。なかなか騎手の腕が問われないコースも一部ありますが、そうですね。
-:ゆうきちさんは「現役バリバリに活動しているなか先々の話は申し訳ないのですがジョッキーを引退したときは競馬業界から離れるのですか?」という質問をちょうだいしました。
「去年、一昨年あたりから、疲労感は感じるようにはなりましたよね。だから、毎日(お酒を)飲むのは止めました」
圭太:いや~何も考えていないですし、その時になってみないと、ね。自分も将来どうなるかわかりませんから。
-:まだ20年くらい先の話ですものね。ちなみに、いつもどこも痛くも痒くもない、といったくらい元気な戸崎さんですが、ここ最近はどうですか?
圭太:どこかが悪いわけではないのですが、去年、一昨年あたりから、疲労感は感じるようにはなりましたよね。だから、毎日(お酒を)飲むのは止めました。
-:酒に強いイメージはありましたが、毎日飲んでいたことも初耳でしたし、減らしていることも存じていなかったです!
圭太:だから、金曜なんかはマネージャーと移動して、食事をしてからルームに入りますが、マネージャーも飲まないから2人で烏龍茶だったり(笑)。先のことを考えて、気を使うようにはなりましたよ!
-:でも、36歳とは思えないほど見た目は変わりませんが、騎手人生を考えれば、いいことですよね。ちなみに、この時季はご家族でディズニーランドに行かれるのが恒例行事と耳にしていますが、今年も行かれたのですか?
圭太:今週行ってきました!暑さも大したことなくて、良かったですね。
-:新しいアトラクションにも挑戦されたりとか?
圭太:ビッグサンダーマウンテンですか。
-:それ、昔からあるだいぶ定番のアトラクションですね……。
圭太:僕はあんまり乗っていなかったんで(笑)。まあ、下の子も乗れるようになって、僕も乗りましたが、これから人気でそうですね(笑)。
-:もう乗ったことのある人ばかりだと思いますが……、最後に競馬の話題に戻りますと、今後は新潟での騎乗になりますか?
圭太:そうですね。ワールドオールスタージョッキーズまでは新潟ばかりだと思います!
-:新潟でも福島同様の活躍を期待しています!
圭太:頑張ります!
※次回は8月5日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。