'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
11月18日時点1558勝
先週は2年ぶりの新潟重賞V!関屋記念はヤングマンパワーで挑む!
2016/8/12(金)
レパードSを制し新潟では2年ぶりの重賞V!関屋記念も突破なるか!?
-:先週はグレンツェント(牡3、美浦・加藤征厩舎)でレパードS(G3)を制覇!おめでとうございます。
圭太:ありがとうございます。
-:7月の福島から好調が続きますね!追い切りには跨がられていて、テン乗りでしたが、レースはいかがでしたか?
圭太:まずは良い馬に乗せてもらえることに尽きますね。レース前は「気難しいところが気になる」と話したと思いますが、思っていた以上に良い位置をとれましたよね。
▲プレゼンターを務めた山本昌さんと記念撮影!
-:結果的には前も流れていたと思いますが、それもアシストとなったのでしょうか?
圭太:いや、ゲートから二の脚、その時点で違いましたよね。前走の映像を観ても全く違ったと思います。それは僕が乗ったどうこうではなく、今回は馬がレースに対する雰囲気も違ったのだと思いますよ。終いもやはり良いモノを披露してくれて、素晴らしかったですね。
-:ジョッキーはこれでジャパンダートダービー(Jpn1)に続き、ケイティブレイブを降したことになりますね。
圭太:そういえば、そうですか。今回も逃げたら手強いのはわかっていたので、やはりマークしていきましたよね。
-:さて、今週も新潟での騎乗ですね。関屋記念(G3)は前走に続いてヤングマンパワー(牡4、美浦・手塚厩舎)とのコンビです。
圭太:前走は手探りではありましたが、重賞を勝っているだけの走りはみせてくれました。2着馬が来たら、そこからまた盛り返してくれましたよ。
-:新潟マイルは2走前に2着、昨年のこのレースでも3着と実績がありますね。
圭太:そうですね。引き続きチャンスは十分と思っていますよ。
-:ちなみに、今の新潟芝はどんな状態ですか?
圭太:やはり馬場が良くて、軽すぎますよね。前残りの傾向が強いので、レースの醍醐味としては少し欠けるのかな、と。ただ、ヤングマンパワーは先行力がありますから、いまの状態に適性はあると思います。
-:ジョッキーの今の勢いにも期待したいですね。他の騎乗馬ですが、土曜の三面川特別、バンゴール(牝4、美浦・尾関厩舎)はいかがですか?
圭太:前走は良馬場発表でしたが、正直、馬場は緩かったですね。パンパンの良が合うタイプだけに、新潟の硬い馬場は良いと思いますよ。その前回は枠も外で外々を回らされましたし、巻き返せると思っています。
-:日曜の2歳新馬戦。6Rのトレンドライン(牡2、美浦・金成厩舎)は2週続けて追い切りに騎乗されているようですね。
圭太:ええ。先週、除外になったのですが、動きが良くなっていたので結果的には良かったですね。そもそもは芝でのデビュー予定でしたが、ダートになるのも良いんじゃないかと思いますよ。
-:3歳500万下戦から7Rのブランシェクール(牝3、美浦・高柳厩舎)、8Rのアッラサルーテ(牝3、美浦・手塚厩舎)はどうでしょうか?
圭太:ブランシェクールはテン乗りですが、追い切りに乗る限り、良いモノは秘めていますね。ダート向きかもしれませんけどね。アッラサルーテは新潟が良いんじゃないでしょうか。楽しみですよ。
「(テンダリーヴォイスは) 今回こそは、という思いです。以前に比べると、気も入ってきて1200mでもイケるんじゃないかと思うほど。この条件も不足はないですし、上手く運びたいですね」
-:豊栄特別のテンダリーヴォイス(牝4、美浦・萩原厩舎)は当欄でもお馴染みの存在となりましたね。そろそろ結果が欲しいところです。
圭太:そうですね。前走は降級で結果を残せなくて、申し訳ない思いですが、乗りやすくて僕も凄く好きな馬の一頭なんです。それだけに乗せてもらっているのですが……。前回は久々、集中力を持続させてくれていましたからね。今回こそは、という思いです。以前に比べると、気も入ってきて1200mでもイケるんじゃないかと思うほど。この条件も不足はないですし、上手く運びたいですね。
-:今回こそは勝利を期待しています!同じ馬主さん、厩舎のマキャヴィティ(牡5、美浦・萩原厩舎)ですが、16日(火)のクラスター(Jpn3)へ挑みますね。
圭太:昔も話したかもしれませんが、なかなか気難しさがあるタイプなんですよね。上手く走らせてあげられば、ここでも通用するモノは持っていますよ。コースも問題ないでしょうからね。
絶望的な状態から挽回!勝ち方が光るランガディア
-:先週の回顧と読者からの質問にもお答えください!新馬のランガディア(牡2、美浦・木村厩舎)は味のある勝ち方でしたね。
圭太:追い切りにも乗っておらず、初めて乗せていただきましたが、素質は高くて、気持ちも前向きでしたね。レースは一旦、挟まれて進路が塞がったものの、そこから抜け出してくるあたりは素晴らしいですね。
-:あれだけ狭いところから抜け出してくるのかと、あの勝ちっぷりには僕も驚きました。同じく2歳のレジェンドセラー(牡2、美浦・木村厩舎)はどうでしたか?
圭太:初戦より着実に良くなっていましたね。それでも、まだまだ良くなりそうなイメージです。
-:1番人気に支持された土曜メイン・越後ステークスのモルジアナ(牝4、美浦・木村厩舎)は案外な結果でしたね。どうしてしまったのでしょうか?
圭太:凄く真面目に走るタイプで、ひと息で走ってしまいますよね。折り合いもついて、いい感触だったのですが……。馬は一生懸命走ってくれているだけに、あえて差す競馬に徹するのも一つの手なのかもしれませんね。
-:しかし、レースの写真を見ると、新潟も暑そうですね。今年は暑さ対策などをされているのですか?
圭太:そうですね。ただ、今年は心地よい暑さというか……。
-:それは例年より勝っているから、というわけではなく(笑)?
圭太:まぁ、それもあるのかもしれませんが(笑)、今年は試していることも上手くいっている感触はあるんですよね。それは改めて一年を振り返るときでも話しましょうか。
-:だいぶ先ですが(笑)、是非よろしくお願いします。
圭太:というのも、今年は色々と試していることがあるので、しっかり振り返ったほうが良いと思うんですよね。
-:それは楽しみです。ここからは読者からの質問ですが、2つお答えください。まず、匿名希望の方より「自分が他の騎手より秀でていると感じる部分を教えて下さい!日本人的な抽象的な答えは要りません」とのことです。
圭太:周りよりも良い馬を乗せてもらえていること。周りの人に恵まれていること、ではないでしょうか。
-:続いて、砂王さんより「馬主や調教師の方との心あたたまるエピソードがあれば教えてください」だそうです。
圭太:これは難しい質問ですね。最近でいえば、JDDのキョウエイギア(牡3、栗東・矢作厩舎)はテン乗りでしたが、馬主さんが誕生日だったので、それを決められたのは良かったですね。大井の頃からよく乗せていただいていたオーナーだったので。
-:そして、最後にリーディングもトップをキープしており、例年以上に新潟のお客さんからのエールも多いんじゃないかと想像しますが、いかがですか?SNSを見ていると、着実にファンは増えているのかと思います。
圭太:いやあ、全く変わらないですね。ひとっ……つも!感じませんよ。
-:ハハハ(笑)。そうですかね?おかしいなあ。
圭太:横断幕も出ていませんし、何にも変わらないですよ。たまにサインを頼まれるのは嬉しいことですが、特に変わっていませんから。
-:新潟のファンの皆さんも、遠慮せずご本人の迷惑にならないところで、応援していただきたいですね!引き続き次週もよろしくお願いします。
圭太:そうですね。ありがとうございます。
※次回は8月19日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。