福島、新潟とリーディングを連続GET!充実の夏を終えた戸崎騎手だが、年間リーディングを目指す上では、気の休めることは出来ない闘いが続く。その点、中山は成績の通り、得意としているコースだけに、引き続き好調が期待出来そうだ。土日の重賞も好勝負のムードは十分。今週も展望と回顧をタップリと語ってくれた。

新潟最終週は7勝の固め打ち!さあ得意中山で更に加速だ!

-:先週で新潟開催も終了。新潟リーディングという形で締めくくることが出来ましたね。おめでとうございます!

圭太:ありがとうございます。去年は獲れませんでしたし、最終週の前は僅差でしたが、固め打ち出来て良かったです。

戸崎圭太
戸崎圭太

-:そして、新潟記念(G3)は惜しくも2着でしたが、勝ち馬とのハンデ差を考えれば、惜しいといいますか、胸を張れる結果だったんじゃないかと思います。

圭太:そうですね。58kgのハンデや左回り。直線の長いコースですとか、正直、僕も全幅の信頼を置けないところはあったのですが、それも問題なかったですね。やはり馬は力をつけていると思いますよ。

-:前走からは少しレース間隔もありましたが、エプソムCにも出ていたわけですし、この暑い夏を克服したことも素晴らしいですね。

圭太:いやあ、そうですね。デキの良さも大きかったと思います。勝てなかったことは申し訳ないですが、勝ちに等しい競馬をしてくれたと思います。

-:さて、今週ですが、土日で中山での騎乗。まず、紫苑ステークス(G3)ビッシュ(牝3、美浦・鹿戸雄厩舎)はテン乗りではありますが、調教で跨がられたそうですね。

圭太:そうですね。これは素直に「良い馬。全身バネのような馬だな」と良い印象を受けましたよ。

-:オークス3着の実績からも、G1での実績は上位ですが、中山で勝った時のレースぶりをみていると、少しコーナリングも難しいのかな、という印象を受けました。いかがですか?

圭太:う~ん、そういった雰囲気は見られなかったですね。ただ、器用なタイプではないと言いますか、ササっと動ける、前に行けるようなタイプの脚質ではないのでね。そこは気をつけたいです。

-:中山芝2000mのフルゲートですから、捌けるかどうか、という懸念もあります。展開面でいえば、先行馬も揃っているので、流れが向いてくれそうですが、ここは賞金的にも権利を獲りたいところですよね。

圭太:ええ、そうですよね。まだ、レースでの感触がわかりませんが、この雰囲気ならもっと大きいところでも期待できる、と思うほどです。小柄ではありますが、馬体減りの懸念もなくなっていたようですし、期待を持って挑みます!

戸崎圭太

▲ビッシュの調教をつける戸崎騎手 夏の勢いで重賞Vなるか?

-:日曜の京成杯AH(G3)カフェブリリアント(牝6、美浦・堀厩舎)に騎乗。久々のタッグですね。ただ、ヴィクトリアマイルなどを観ていても、けっこう乗り難しそうな雰囲気ですが……。

圭太:そういった面も修正されている、とは陣営から耳にしていますよ。僕が乗った時は追い込んで勝ちましたが、理想を言えば小回りよりも広いコースのほうが良いんじゃないかと思います。そこを上手くカバーして乗りたいですね。

-:その他のレースについてもよろしくお願いします。土曜中山2R(2歳未勝利)のハウメア(牝2、美浦・藤沢和厩舎)は着順こそふるいませんでしたが、陣営の評価も高そうですね!

圭太:初戦は馬に余裕があるとも思いました。結果が結果だけに大きなことは言い辛いですが、持っているものはあると思うのでね。これから良くなっていきそう。信じて乗っていきたいです。

-:日曜7R(3歳上500万下)のプリンセスロック(牝4、美浦・大和田厩舎)、8R(3歳上500万下)のタイセイスペリオル(牡3、美浦・池上弘厩舎)はどうでしょうか?

圭太:プリンセスロックは前走が出負けして、チグハグな内容になってしまいました。元来、どんな競馬でも対応出来る馬。しっかりゲートを出て、良い走りをみせてほしいです。巻き返したいですね。タイセイスペリオルは前走でずいぶん引っ掛かっていましたね。500万下でも十分やれますし、一度、使ったことでガス抜きといいますか、力みが抜けているといいですね。

-:木更津特別のアッラサルーテ(牝3、美浦・手塚厩舎)は前走を制して昇級戦ですね。

圭太:ハンデも52kgで留まってくれましたし、先行する形になると思うので、どこまで粘ってくれるか。距離もペース次第ではあると思いますが、こなせますからね。

まだまだ先を目指せる!2連勝のダイワダッチェス!

-:先週のその他レースも振り返ってください!ダイワダッチェス(牝3、美浦・菊沢厩舎)は個人的にも注目していたのですが、ここでも強かったですねえ。

圭太:そうですね。前走も良い走りをみせてくれていましたが、ここでもやれるんじゃないかと思っていました。レースも上手いと言いますか、1200mになって、良さが出てきましたからね。今回の勝ちっぷりからも、まだまだ昇級しても(上を目指せる)、とは思いますよ。

-:来年のいま頃はスプリント重賞を沸かしてくれるといいですね。

圭太:ええ、期待したいです。

-:新馬戦のサルタート(牝2、美浦・加藤征厩舎)、コーラルプリンセス(牝2、美浦・高橋裕厩舎)とどうでしたか?

圭太:サルタートは攻め馬から前向きさもありましたし、上手くレースをしてくれましたね。ここでは力が一枚上でした。コーラルプリンセスは少し心配していたように、レースにいっても大人しかったですね。道中も促しつつでしたから。そういう意味では、一度、使った上積みがありそう。今回は素質の違いで勝ったレースですし、次も楽しみですよ。

-:ヴァンクールシルク(牡2、美浦・木村厩舎)は新馬から変わり身をみせましたね。道中で動いて押し切る競馬でした。

圭太:スタートも出てはいるのですが、決してテンにスピードがあるわけではなく、ユッタリとした走りのタイプなので、あの位置からになりました。道中もペースは落ちましたし、思い切って動いていったのですが、動いたことを考えれば、最後までしっかりとした足取りでしたよ。

戸崎圭太

-:お話を伺っても感じますが、キレるより、脚を長く使うようなタイプですか?

圭太:そうですね。ペースもそうですが、脚質を考慮して、ああいう競馬になりました。ある程度、得意条件はありますが、2走目でキッチリ変わってくれたあたり、能力の高さの証明ですよ。

-:グランシルク(牡4、美浦・戸田厩舎)、クロムレック(牡6、美浦・戸田厩舎)ら、この馬のお兄さんに乗って勝たれています。似た部分はありましたか?

圭太:う~ん、トビがユッタリしているところなどは似ていますが、他は似ていないですね。お兄さんなんかはカッとしたところがあって、こちらはのんびりしている部分もあるのでね。

-:しかし、未勝利勝ちとはいえ、まだまだ楽しみな存在です。最後に長岡ステークスのアーバンキッド(牡3、美浦・斎藤誠厩舎)はどうでしたか?

圭太:元気が良すぎて、グイグイいってしまいましたね。ここでもやれると思っていただけに残念です。

「まあ、幾つとかハッキリはわからないですが、当時より着実に成長出来ている、とは自信を持っていますよ」

-:続いて、読者からの質問です。「今、大井に戻ってきたとしたら、何勝できると思いますか?」と難しい質問です(苦笑)。

圭太:まあ、幾つとかハッキリはわからないですが、当時より着実に成長出来ている、

とは自信を持っていますよ。

-:ちなみに、リーディングもそうですが、200勝という大台もあながち夢ではないのかと。こちらは意識されていますか?

圭太:いや。リーディングを目指す上で勿論たどり着ければ良いな、とは思いますが、毎週のように星勘定とかはしていないです。さすがに。

戸崎圭太

▲日曜新潟1Rをロジムーンで制し、JRA通算600勝を達成!

-:一つずつ見ていたら、余計に気を遣ってしまいますもんね。続いて、「一日10鞍乗ることもザラですが、後半に疲れていることはありますか?」とのことです。

圭太:(キッパリと)全くないですね。他の人はどうかわからないですが、僕はないですよ。

-:朝、何頭も調教に乗って、平日は毎日競馬がある南関東競馬のスケジュールを考えたら、そりゃあ問題ないですよね。

圭太:まあ、そうでしょうね。

-:話題は変わりますが、今週からの中山開催はジョッキーにまつわるイベントが多いようです。「ジョッキー肉体美ポスター」なんてものもありましたが、そのモデルになられていましたね。

圭太:撮りましたかね。前回の中山だったかな。でも、当時と今では体格も違いますよ。

-:おおっ、それはトレーニングの効果で?

圭太:そうですね。それも良い方に出ていると思うので。

-:そして、次週はセントライト記念(G2)ゼーヴィント(牡3、美浦・木村厩舎)に騎乗。得意の中山開催ですし、引き続きご健闘を祈ります。

圭太:頑張ります。

(聞き手:競馬ラボ・小野田学)

※次回は9月16日(金)に更新予定です!