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'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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さあG1開幕!スプリンターズSは同厩馬ウリウリで連覇なるか!?
2016/9/30(金)
早いもので秋の中山開催も今週がラストウィーク。そして、秋のG1シリーズの幕開けとなるスプリンターズSがやってくるが、騎乗馬は違えど、ジョッキーにとって連覇の懸かる一戦だ。昨年の覇者・ストレイトガールがターフを去り、奇しくも同厩の後輩牝馬・ウリウリと挑むことになる戸崎騎手。ここ最近は一時の勢いを潜めているパートナーだが、鞍上の力で復活へ導けるのか。その手応えに迫った。
秋のG1開幕!ウリウリと連覇なるか!?
-:今週はいよいよ秋のG1がスタート!どのレースも同じ心構えで乗られることを普段から意識されていると思いますが、さすがにジョッキー冥利に尽きる時季でしょうし、楽しみではないでしょうか?
圭太:そうですね。スプリンターズS(G1)を目前に控え、ようやくG1の季節だなあ、とワクワクするところです。ビッグアーサーなど強い馬もいると思いますが、一矢報いたいですね。
-:ウリウリ(牝6、栗東・藤原英厩舎)は高松宮記念以来の騎乗となります。昨年はCBC賞を制し、セントウルSでも2着。3番人気の支持を受けて、スプリンターズSに挑みました。そこで同厩であり、戸崎さんの騎乗されたストレイトガールに屈した形となりましたが、その後は思うような成績を残せていません。その後のレースぶりを観て、この馬の理想の条件はどう感じていますか?
圭太:ペースは速すぎず、遅すぎず、この馬がハマってくれる流れになってほしいですね。成績はその時のデキもあると思いますが、昨年と今年のセントウルSで走破時計はほぼ変わっていないのに、着順は落としていますからね。それに、仕上げに関しては、藤原先生なので、信頼するだけですので。
-:今年は先行馬もいますが、高松宮記念ほどのガリガリとした展開にはならないのかもしれませんね。岩田騎手が騎乗した昨年のセントウルSで2着に入った時は、大外枠からインに潜り込み、最後は外から脚を伸ばしていたレースぶりが印象的でした。ジョッキーの特性などもあると思いますが、理想の枠はありますか?
圭太:やはり僕もロス無くいきたいとは思いますよ。だから、内ですね。実績からも上位人気勢よりはタイトな競馬をしていきたいです。
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昨年は同じ藤原英厩舎のストレイトガールでスプリンターズSを制覇(左は同馬の廣崎オーナー)
-:週中は雨もあった関東地方ですが、土曜は雨とのこと。どれだけ馬場に影響するかは未知数ですが、馬場に関してはいかがですか?
圭太:さすがに重馬場で勝っていますし、実績もいいですからね。そこは不安がないですね!
-:そして、スプリンターズSの日といえば……。
圭太:凱旋門賞(G1)ですね。弟(マカヒキ)へ弾みがつくような結果になるといいですね(笑)。どうやら人気薄の立場のようですから、一発を狙っていきますよ!
-:戸崎×藤原英コンビといえば、G1ではお馴染みのコンビですものね。続いて、土曜メインの秋風ステークスはグランシルク(牡4、美浦・戸田厩舎)に騎乗されます。
圭太:乗せていただくのは久々ですが、僕はこの馬が中山コースに合っているイメージ。2階級の降級を勝って臨む形ですが、重賞でも実績がありますからね。
-:土曜中山1R(2歳未勝利)のアンティノウス(牡2、美浦・国枝厩舎)、12R(3歳上500万下)のゴールドフォレスト(牝3、美浦・栗田徹厩舎)はどうでしょうか?
圭太:アンティノウスはダートで変われるかどうか、ですね。まだ、レース慣れもしていない印象なので、そこも課題だと思います。ゴールドフォレストは前走の勝ち時計から、昇級してもやれておかしくありません。あとはモマれた時がどうか、かもしれませんが、克服してほしいですね。
![戸崎圭太](https://www-f.keibalab.jp/img/upload/keita_weekly/201609/160930_keita02.jpg?1475221802)
ゴールドフォレストは前走の新潟ダートで好時計勝ち
-:習志野特別のストレンジクォーク(牡4、美浦・小島太厩舎)ですが……。
圭太:(質問を聞き終える前に)力は上です!もう状態とか、そういう次元じゃあありません。うんともすんとも言うわけではなく、決めないと。
-:わかりました(笑)。上のクラスでも2着があり、アデイインザライフと接戦していたほど。期待しています!日曜の騎乗馬ですが、7R(3歳上500万下)のモンドアルジェンテ(牡4、美浦・萩原厩舎)は降級ですね。
圭太:このクラスは勝っていますし、1000万下でも4着。ただ、大トビといいますか、不器用なところがあるのでね。ゲートも決して安定はしていません。しかし、力は上でしょう。僕が勝たせていただいた時も休み明けですから。
-:蟻洞で間隔が開いたようですが、ブランクは気にせず、見直したいですね。最終R、内房ステークスのスノーモンキー(牡6、美浦・相沢厩舎)はどうでしょうか?
圭太:いつもの通り、内枠でモマれて闘志をかき立てられるような展開がベストですね。展開の助けも必要かもしれませんが、このクラスでも好走実績はあるので、期待です。
惜敗続きの騎乗に反省の一週間
-:先週のレースもお願いします!残念ながら、重賞連対はストップしてしまいましたが、AJCC(G2)のショウナンバッハ(牡5、美浦・上原厩舎)はどうでしたか?
圭太:状態はすごく良かったですね。もともと歩様に硬さがあるタイプで、そこが良くなっていましたね。直線に差し掛かるところでリズムを欠いてしまったのが悔やまれます。さすがに勝てるまでとは言いませんが、もう少し上位勢との差を縮められたのではないかと思いますからね。
-:2強ムードでしたが、勝ち馬もあれだけ粘られたことを考えると……少し惜しいところでした!レイズアスピリット(牡5、美浦・上原厩舎)は快勝でしたね。
圭太:東京も悪いわけではないのですが、コース替わりで前進しましたね。これもショウナンバッハ同様、以前の硬さが解消されてきていましたよ。
![戸崎圭太](https://www-f.keibalab.jp/img/upload/keita_weekly/201609/160930_keita03.jpg?1475221802)
-:一方でオーダードリブン(牡3、美浦・加藤征厩舎)など先週は惜敗が多かったですね。
圭太:本当にそうですね。イメージどおりの競馬で差し切ってくれるのではないかと思いましたが、一瞬の脚はものスゴいのですが、思っていた以上に脚の持続が出来なかったですね。それでも、差し切るとは思いましたが、となると、僕の乗り方ももう少し待たなくてはいけませんでした。これは総合的に僕のミスです。
-:今年は騎乗馬に対するリサーチも入念にされているとのことですが……。
圭太:そう。しているのですが、リサーチも足りなかったでしょうし、騎乗も含めて、これは反省です。
-:今回は惜しかったレースでしたが、巻き返しを期待します。サザナミ(牝4、美浦・堀厩舎)はどうでしたか?
圭太:休み明けで体も増えて、馬の状態は良かったですね。ただ、直線でスムーズさを欠いてしまい……。これも反省です。
-:レジェンドセラー(牡2、美浦・木村厩舎)はやはり中山コースですか。コーナーで置いてかれてしまいましたね。
圭太:そうですね。勝負どころでモタモタしてしまいました。一戦ごとに成長は感じていますし、そのうちこのコースもこなせるのではないでしょうか。
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2着惜敗も本人はオーダードリブンの騎乗に反省…
-:そして、今週の日本テレビ盃(Jpn2)は敗れたものの、モーニン(牡4、栗東・石坂厩舎)は課題を克服する好走でしたね!
圭太:ええ。行く馬もいませんでしたからね。距離もどうなのかと思いましたが、いい勝負ができました。休み明けはピリピリするところがあるのですが、今回は今後へ向けて、収穫ある一戦でした。ナイターもこなしましたからね。
-:そして、最後に読者の方から質問といいますか、意見が寄せられました。「スバリ今秋、ルージュバック(牝4、美浦・大竹厩舎)をG1馬にしていただけますでしょうか?」とのことです。
圭太:ハハハ、僕も願っています。
-:ちなみに、現時点で秋華賞、天皇賞以外でのG1レースへの騎乗は決まっていますか?
圭太:マイルCS(G1)のフィエロ(牡7、栗東・藤原英厩舎)ですね。
-:確かにスワンS(G2)から騎乗されるということでしたものね。次週はそのルージュバックで毎日王冠(G2)へ。翌日は南部杯(Jpn1)でベストウォーリア(牡6、栗東・石坂厩舎)ですね。こちらも楽しみにしています。今週もありがとうございました。
圭太:頑張ります。ありがとうございました!
(聞き手:競馬ラボ・小野田学)
※次回は10月7日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。