'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
アルゼンチン共和国杯はアルバートと再タッグ!土日重賞連続Vへ!
2016/11/4(金)
悲願達成ならず。天皇賞(秋)にルージュバックとのコンビで参戦した戸崎騎手だが、牝馬ながら3番人気もの評価を集めるも、残念ながら7着。G1制覇はおあずけとなった。そして、今週はJRAのG1こそ行われないものの、既に終えたJBC、土日重賞と盛りだくさん。先週のうっぷんを晴らす騎乗をみせてくれるのか。また、当コーナーを愛読してくれているファンへSPプレゼントもご用意。最後までお見逃しなくご覧いただきたい。
勢いに乗る堀厩舎・アルバートと再タッグ!土日重賞Vへ!
-:地方競馬の売り上げレコードも記録したように盛況だったJBC、お疲れ様でした。お疲れのところ恐縮ですが、スプリント、レディスクラシックの回顧からいただけますか?
圭太:まず、JBCスプリント(Jpn1)ベストウォーリア(牡6、栗東・石坂厩舎)ですが、状態の良さを感じましたね。先生からは「2~3番手で、という指示があったのですが、さすがに1200m戦で先行しているような馬たちばかり。あの位置からになりました。
-:しかし、向こう正面の位置を見ると、なかなかイイ位置につけているな、これは勝ったかも、なんて思いました。
圭太:そうですね。競馬は上手ですし、リズムよく進めたと思います。しかし、勝った馬は60kgの斤量でも勝ったことがあるほど。ゲートの不安もある馬だと思っていたのですが、強さを感じさせられる競馬でしたね。
(※ダノンレジェンドは今夏のクラスターCを60kgの斤量で制している)
-:しかし、敗れはしましたが、過去には苦手としていたコーナー4つの競馬も板につき、盛岡からの遠征帰りでも崩れなく走っていますね。
圭太:そうですね。勝たせられないことに悔しさはありますが、安定していますし、厩舎のケアも素晴らしいと思います。負けたとはいえ、内容のある一戦だったと思います。
-:一方のJBCレディスクラシック(Jpn1)、トロワボヌール(牝6、美浦・畠山吉厩舎)ですが、骨折明けをひと叩きしたものの、まだ本調子にないのかと思いました。
圭太:返し馬もいつもより大人しく感じましたし、コーナーでも置かれてしまうあたり、まだ良い頃には戻りきっていないですね。
-:特にベストウォーリアは良い競馬をしているだけに残念ではありましたが、今週は中央G1の谷間ということですね。アルゼンチン共和国杯(G2)にはアルバート(牡5、美浦・堀厩舎)で挑みます!
圭太:率直に、ここでは力が上だと思うので、楽しみですね。
-:期待の口ぶりですね~。去年、乗られた時は「昔と違って、硬さがとれてきた」という表現をされていましたが、そこからも快進撃は続きましたよね。
圭太:そうですね。印象通り、その後も良い走りでした。ここ3走は相手も強くなっていますし、天皇賞以来とブランクもありますが、そこは厩舎が厩舎なのでね。良い状態で送り出してくれるんじゃないかと思います。
-:モーリスの走りも記憶に新しい堀厩舎ですからね。ちなみに、このレースには過去に乗ってきた馬もいますが、比較をしても、この馬の力を認めているということで。
圭太:そうですね。アルバートはレースの組み立てがし易いタイプ。本当に乗りやすいですよ。
▲昨年の本栖湖特別時
-:一方、土曜の京王杯2歳ステークス(G2)にはコウソクストレート(牡2、美浦・中舘厩舎)が出走しますね。
圭太:前走は思っていた通り良い走りをみせてくれました。コース経験も他馬よりあるわけですから、そこは自信を持って臨みたいですね。ただ……。
-:ただ……?
圭太:新馬よりも「スイッチが入ってきたな」と。そこは否めないですね。
-:2歳馬にはありがちな課題ですが、そこは気がかりですね。それはパドックや返し馬でも判断できますか?
圭太:ええ、この馬の場合は出来ると思いますよ。
▲デビュー2連勝中のコウソクストレート
-:続いて、重賞以外のレースもお願いします!日曜・晩秋ステークスのレッドサバス(牡4、栗東・松田国厩舎)は前回の競馬を見ると、ココでも、と力が入ります。
圭太:2100mでああいう切れ味はなかなかお目にかかれないもの。ただ、ああいう走りをさせるには、後方からの競馬になる面は仕方ないところですし、展開には左右されるでしょうが、決め手は一枚上だと思っています。
-:前回のような目の冷める末脚をまた見たいですね。続いて、百日草特別のヴァンクールシルク(牡2、美浦・木村厩舎)はどうですか?
圭太:未勝利戦の前走は着実に変わり身をみせてくれました。以前も言ったかもしれませんが、キレるよりは長く良い脚を使うタイプですからね。そんなイメージで乗りたいです。
-:その未勝利戦も早目に動いて、脚質をカバーするような騎乗でしたよね。土曜の南武特別のサブライムカイザー(牡4、美浦・池上弘厩舎)は前走も惜しい2着。ベストは中山でしょうが、東京でもやれますね。
圭太:そうですね。ジリ脚ですが、乗りやすいタイプ。そこを考えて乗りたいです。
天皇賞は道中まで思惑どおりも……
-:そして、先週の天皇賞(秋)(G1)ですが、残念な結果でした。いかがでしたか?
圭太:そうですね。ルージュバック(牝4、美浦・大竹厩舎)も初めての中2週での競馬でしたが、厩舎スタッフや陣営も良い状態で送り出してくれて、返し馬で「コレならば」と思ったほど。申し分ないデキだっただけに悔しいですね……。
-:僕は道中のレース展開など観ていると、もっと後ろからでも良いのかと思ったほどでした。レースについてはいかがですか?
圭太:展開については、絶好だったのではないかと思います。たとえスムーズでも、勝ったモーリスは強かったと思いますが、直線で内に入ってしまったのが、ですね。外から下げざるをえない展開になり、この馬のリズムで競馬が出来ませんでした。
-:あの枠の並びでしたし、スローになるとは思っていたのですが、あんなゴチャつくといいますか、締められる展開になるとは、ですね。
圭太:なかなかG1であれだけユッタリとしたペースも珍しいですが、僕も思うように導けなかったので、申し訳なく思っています。
▲返し馬でのルージュバック ジョッキーも手応えを感じていたようだが…
-:続く日曜最終レースのクインズサターン(牡3、栗東・野中厩舎)は強かったですね。こちらはどうですか?
圭太:スタートを出遅れて、やっちゃった、と思いましたが、ペースも流れてくれましたね。戦前から期待はしていましたが、やっぱり良いモノは持っている印象ですね。このクラスでは力が違いました。
-:土曜のスワンS(G2)、フィエロ(牡7、栗東・藤原英厩舎)はどうでしたか?
圭太:スタートで躓いたのが致命傷でしたね。その後は僕もついていくような競馬で、なかなかリズムを崩した競馬になってしまいました。
-:次戦での巻き返しを期待しています!そういえば、JRA通算600勝記念グッズが完成いたしましたね。今回はパロディのノートセットとなりました。
圭太:(デザイン)ありがとうございます!僕も面白くて気に入っているんですよね。
-:前回のジャンパーも厩舎スタッフの方が着ていたり、好評のようですね~。
圭太:そうそう。藤原英厩舎の人たちが着てくれていましたね。それを見て、欲しいという声も多くて。
-:デザインした弊社も嬉しい限りです。さて、次週は武蔵野S(G3)のモーニン(牡4、栗東・石坂厩舎)に騎乗ということでいいですか?
圭太:ハイ、楽しみにしています。
-:前走もアウォーディーより斤量を背負いながら、あの接戦ですから期待しています。
圭太:頑張ります!
(聞き手:競馬ラボ・小野田学)
※次回は11月11日(金)に更新予定です!
競馬ラボよりお知らせです!いつも戸崎圭太騎手を応援してくれているファンの皆様に感謝のお気持ちとして、(競馬ラボデザインの)戸崎圭太騎手・JRA通算600勝記念ノートセットを3名様にプレゼント。
ご希望の方は、メールに[(件名)週刊!戸崎圭太プレゼント][お名前][競馬ラボのご登録ID(メールアドレス)][戸崎騎手への応援メッセージ]を記載の上、 funfunkeiba@keibalab.jp までお送りください。このコラムを読んでいる方限定!ということで、締め切りは11月5日(土)必着とさせていただきます。応募者多数の場合は抽選です。沢山のご応募をお待ちしております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。