'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月11日時点1556勝
リーディングへ向けて勝負の12月へ&モーニンと巻き返しなるか!
2016/12/2(金)
残り1ヶ月。3年連続リーディングを目指す戸崎圭太騎手にとって、いよいよ勝負の中山開催を迎える。先週は土曜に1日6勝を挙げて、リードを広げたが、2位ルメール騎手との差は5勝。このまま逃げ切りとなるか?一戦一戦、目が離せないところだ。また、日曜はチャンピオンズC(G1)でモーニンとのコンビ。前走はよもやの惨敗を喫してしまったが、大一番での巻き返しとなるのか、刮目いただきたい。
大外枠から反撃なるか モーニンとチャンピオンズCへ!
-:今週もよろしくお願いします!そういえば、先週はジャパンCのイベントでのコメント出演、ありがとうございました。なぜか、笑いをとっていましたが(笑)。
戸崎圭太騎手:ハハハ、あんな感じで良かったですかね。
-:盛り上がったので何よりです!!さて、レースは思うような結果にはなりませんでしたが、先週のジャパンカップ(G1)はルージュバック(牝4、美浦・大竹厩舎)で挑んで9着。まず、この評価から伺えますか?
圭太:この春にも3戦はしていますが、今までとは違った相手、舞台を戦ってきた疲れもあったのかなと率直に感じました。返し馬の段階では、いい雰囲気だとは思っていただけに、目に見えない、感じられないプレッシャーや疲れだったのかなと。
-:確かに、この枠でどういう競馬をされるのかと思っていたところ、好位から運んで、いざ直線でスパートをかけても後退してしまいましたね。
圭太:はい。距離は未知数な部分もありますが、こなせる範囲だと今でも思いますし、直線では早々と手応えがなくなってしまいましたからね。理想をいえば、もう一つ前でも良かったかもしれませんが、戦前に思い描いていた通りの競馬はできたのです。それでも、今までにないような止まり方だったのでね。
-:本来ならば、外外を回ってもカバーできるくらいの能力の持ち主。今後となると、なかなか条件なり、レース選択も難しいですよね。
圭太:そうですね。ひとまず、年内は休養とのことですが、ヴィクトリアマイルの後にルメールに聞いても「マイルは忙しい」と言っていましたし、適条件となると難しいですね。直線ももう少し外なら、もっと伸びる馬場だったので、あそこからワープをさせるように行こうと思っていたところ、力尽きてしまいましたからね。G1を勝たせてあげられなくて、悔しいところではありますが、来年こそは巻き返してほしいです。
-:そして、今週はチャンピオンズC(G1)でモーニン(牡4、栗東・石坂厩舎)とのコンビですね。前走は7着に敗れてしまいましたが、斤量・展開と厳しい条件が揃いましたよね。
圭太:そうですね。枠の並びも厳しい展開になるかもしれないと予想していた通りになってしまいましたし、4コーナーの向き方も悪かったです。ただ、モマれる競馬は初めてでしたし、ぶつけられる不利もあった中で、最後も盛り返してくれていますからね。
-:そういう意味では、今回は大外枠。中京コースを考慮すると歓迎できない印象もありますが、前走を踏まえれば良さそうですね。そう僕は感じています。
圭太:そうですね。どうやら外枠からも勝っているようなのでね。
-:その上でハイペースになってくれればいいですね。今回はアウォーディーがおそらく1番人気になると予想されていますが、2走前には斤量差もありながらの接戦。しかも、当時はコーナー4つの競馬やナイターに課題を残す中だったので、それを思えば、負けて強しでした。
圭太:そうですね。何と言っても、上半期のチャンピオンですから。ここでも貫禄をみせたいです。距離も不安視されますが、2走前も盛り返しているくらいなので、大丈夫でしょう。
-:今週、来週(阪神ジュベナイルフィリーズ)とこの秋はまだ手にしていないG1タイトルも待ちわびたいです。
圭太:そうですね。無冠のままというのは悔しいですし、なんとかモノにしたいと思っています。
自身初の1日6勝も 勝って兜の緒を締めよ
-:続いて、土曜中山、日曜中京の話題もお願いいたします!葉牡丹賞のショワドゥロワ(牡2、美浦・鹿戸雄厩舎)は未勝利戦を制されておりまして、3走ぶりのコンビとなりますね。
圭太:乗りやすいタイプですね。課題といえば、もう少し力強さが欲しい気もうけますが、東京よりも中山のほうが合いそうなイメージです。
-:力強さという意味では、前走も直線で前の馬がフラフラしていた分、あおりを受けていたイメージですね。最終レースのアーチキング(牡3、美浦・木村厩舎)はいかがですか?
圭太:以前は1200mを使っていましたが、その効果か、競馬もずいぶん上手になってきましたね。コース的にも中山のほうがいいと思いますし、昇級でも期待したいところです。
-:日曜の7R(3歳上500万下)にはモンドアルジェンテ(牡4、美浦・萩原厩舎)が出走しますね。前走は久々過ぎたのではないかと思います。
圭太:そうですね。最後は苦しがっていましたから。中間の状態は把握していませんが、一度使った上積みも期待できるでしょう。
-:もともと現級勝ちの実績馬ですからね。どうも中山のイメージが強いのですが、左回りに変わる面はどうですか?
圭太:むしろ良いと思いますよ。どうもモタれるところもありますからね。
-:そうだったのですね!非常に期待したくなります。栄特別のユウチェンジ(牡3、栗東・森厩舎)は7ヶ月ぶりではありますが、重賞実績を考えれば、ここでもと期待したくなりますね。
圭太:昔、勝たせていただいた時から手応えを感じていましたし、その後の成績からも、やれて不思議ではないと思います。
-:そして、先週ですが、土曜日が自己最多の1日6勝でしたね!ちょっとホッとしました……。
圭太:いや、ホッとなんか出来ないですよ~。
-:やっぱり、そうですか?まあ、日曜もルメール騎手が3勝して、現在5勝差ですものね。
圭太:もう最後まで気が抜けません。普段から一戦ずつ気を引き締めて望まないといけませんが、ここは余計に、ですね。
-:ただ、得意の中山開催ですから、ここで最後のスパートといきたいですね!先週の競馬でいえば、ブラックムーン(牡4、栗東・西浦厩舎)はいかがでしたか?
圭太:いやあ、強かったですね。先生に聞いたところ、気難しさがあるのかと思っていましたから、余計なことをせずに運べれば、と思っていたところもハマりましたね。しかし、素晴らしいキレ味でした。
-:新馬のサンライズノヴァ(牡2、栗東・音無厩舎)はどうでしたか?
圭太:またがって、素質は感じつつも、緩さはある印象でしたね。エンジンがかかってからは良い脚でしたし、今後、よくなってきそうな雰囲気を感じましたね。
-:アッラサルーテ(牝3、美浦・手塚厩舎)も中山のほうが良いんじゃないか、という話でしたが、しのぎきりましたねえ。上位に来るとは思いましたが、最終レースも決められて6勝でしたね。
圭太:本当にその通りですね。ただ、状態も良かったと思いますよ。馬の状態が良ければ、距離の融通性もありそうですし、引き続き楽しみです。
-:さあ、来週は阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)でリスグラシュー(牝2、栗東・矢作厩舎)とのコンビですね!今週は栗東トレセンで追い切りにも騎乗されていましたね。
圭太:いい雰囲気のフットワークでしたね。軽やかな印象で、来週が楽しみです。
-:また、来週の平日は香港の招待競走に出場されますね。
圭太:ハイ。今年も勝てるよう頑張ってきます。
-:12月はめまぐるしい毎日かと思いますが、引き続きよろしくお願いします!
圭太:ありがとうございます。
(聞き手:競馬ラボ・小野田学)
※次回は12月9日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。