'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
10月28日時点1550勝
いよいよラスト2週!さあ逆転リーディングへ突っ走れ!
2016/12/16(金)
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テン乗りながら実績馬リスグラシューとのコンビで挑んだ阪神ジュベナイルFは残念ながら2着。誰の目にも負けて強しのレースぶりに映った一戦だったが、敗因を伺えば、さらに惜しまれるもの。また、熾烈(しれつ)を極めるリーディング争いは遂にルメール騎手にトップを明け渡してしまったが、逆転はなるのか?ラストスパートを誓う戸崎騎手に迫った。
2着惜敗のリスグラシュー 勝負の分け目はレース前にあった?
-:先週の阪神ジュベナイルF(G1)はリスグラシュー(牝2、栗東・矢作厩舎)とのコンビで挑むも2着。負けて強しの内容でしたね。
圭太:そうですね。返し馬では調教で乗った以上に良さを感じて、これは勝ち負けになるのでは?と思っていたほどです。ただ、見ての通り、ゲートが……。
-:スタートに定評のある戸崎騎手だけに、ビックリしました。
圭太:大外枠だったのですが、ゲートも先入れで、待たされている間に馬がソワソワしてしまいましたね。ただ、僕も係の人にゲートの中でいてもらうよう声をかければ、と今では後悔しているのですが、それが厩務員さんなら、これまた違ったと思います。
-:となると、海外であるゲートボーイの役割というのも大きいのでしょうか?
圭太:あれはあれで良し悪しがあると思うのですが、今回についてはそこに尽きますね。最後も素晴らしい脚を使っているだけに、申し訳ない思いです。
-:いくらモマれないと言っても、あれだけの外枠ですし、出遅れを考えれば、能力の高さは十二分に確認できましたよね。
圭太:そうですね。追ってからもまだフラつくあたり、幼さも感じますし、まだ成長の余地はありますから。来年も楽しみな存在です。
-:さて、今週ですが、土日ともに中山での騎乗となります。しかし、先週はルメール騎手が固め打ちで残念ながらリーディングを明け渡すことになってしまいました。何とか逆転をしてほしいところですが……。
圭太:ええ。前にも言いましたが、僕かルメールしかチャンスはありませんし、日本人として何としても獲りたいところ。毎年、そうそうチャンスのあるものではありませんし、正直、本当にルメールは僕よりもトップを張るのに相応しい騎手ですよ。しかし、ここで負けられない、負けたくないといいますか。
「正直、本当にルメールは僕よりもトップを張るのに相応しい騎手ですよ。しかし、ここで負けられない、負けたくないといいますか」
-:ここ最近もルメール騎手にかなり馬が集まっていて、楽な状況ではないと思います。また、戸崎騎手はMVJがほぼ頭角の状況ですが、ここで勝ってこそ、ですよね。
圭太:そう思います。騎手大賞(最多勝利騎手、最高勝率騎手、最多賞金獲得騎手の3部門制覇)はルメールで、MVJは僕なんて状況になってもおかしいですからね。もちろんMVJも名誉な賞ではあると思うのですが。
-:とにかく「頑張ってください」という声しか届けられないのがもどかしいですが、ファンの方もここをご覧いただいていれば、是非、現場で応援してほしいところです。騎乗馬についても続いてよろしくお願いします!ターコイズS(重賞)のカフェブリリアント(牝6、美浦・堀厩舎)はここが引退レースなんて話も耳にしましたが、2走前に乗られて、牡馬相手に2着という結果。それを思えば、ここも同じコースだけにチャンスではないでしょうか。
圭太:いやあ、そうですよね。競馬も乗りやすくて、終いも良いモノを持っているのでね。チャンスだと思っています。
-:過去のレースを見ると、折り合いの難しさなどもありましたが、2走前はそんなところもなかったですね。前走も相手は強かったですが、敗れはしたものの、粘っていた印象です。
圭太:僕が乗る時はそんなイメージがないですね。だから、コースも問いませんし、本当に良い時に乗せてもらっていますよ。
-:その京成杯では内枠からロスなく運んだ競馬でした。やはり枠としては、内が理想ですか?
圭太:内が良いですねえ~。競馬はしやすいと思います。
▲カフェブリリアントは有終の美を飾ることが出来るのか?
-:(ジョッキーも)連覇が懸かります。
圭太:えっ?
-:シングウィズジョイで……。
圭太:ああ、そうか(笑)。もう一年。早いな~。
-:日々の競馬で時の流れも忘れられていたところで(笑)。続いて、土曜日の騎乗馬では、7R(3歳上500万下)のダノンアローダ(牡3、栗東・佐々晶厩舎)はどうですか?以前、乗られた時は東京の芝2400m戦。今回はダートになります。
圭太:芝・ダートというよりも、器用なタイプではないので、上手く運べるかどうか。ただ、当時に比べれば相手関係も楽でしょうからね。
-:あの時はウムブルフに差し切られましたよね。日曜の中山4R(2歳未勝利)、フルオブライフ(牡2、美浦・手塚厩舎)と8R(3歳上500万下)のヒカリトップメモリ(牝3、美浦・池上弘厩舎)はどうですか?
圭太:フルオブライフは東京の前走が惜しい競馬でした。中山になるのも悪くはないと思いますよ。ヒカリトップメモリは勝たせてもらった時にセンスを感じましたね。昇級後は惜しい競馬も続いているようですが、いいイメージですよ。
-:南総ステークスのダイワダッチェス(牝3、美浦・菊沢厩舎)ですが、連勝してきただけに、ここでも注目です。
圭太:前回の勝ちっぷりも良かったし、これは楽しみですね。まだまだ上にいける馬だと思っていますよ。
-:個人的にも楽しみにしております。最終レース(3歳上1000万下)のサバンナロード(牡3、美浦・木村厩舎)はどうですか?
圭太:3走前に乗せていただいた時、良くなっていると感じましたよ。昇級して、前走は結果が残せなかったようですが、奥の深そうな馬だと思います。
メラグラーナは短距離界の新星といえる走り
-:先週の話題もお願いします!メラグラーナ(牝4、栗東・池添学厩舎)は強気にいかれたなあ、と思ったのですが、いかがでしたか?
圭太:いやあ、これは良い馬ですね。以前にも乗せていただいた時より、キレ味も出てきましたし、千二で持ち味が出てきていると思います。いま思えば、何度か乗せていただいた時に千二を使うように進言していれば、もっと早く素質が開花していたのかもしれません。でも、まだまだ上を目指せますし、チャンスが有るなら、来年も乗りたいですね。
-:南半球産で額面からみても、成長の余地はありますものね。
圭太:そうです。前走も馬場の影響としか言えませんし、楽しみな存在ですよ。
-:エルフィンコーブ(牝3、栗東・池添学厩舎)は好位で運んで、危なげないレースぶり。先行していることにも驚きました。
圭太:前走はゲートが響いていましたよね。今回もゲートでうるさいところをみせていたのですが、上手く出てくれました。今後もその不安はつきまといますが、能力そのものは上でも楽しみ。あとはゲート次第ですね。
先週はメラグラーナ、エルフィンコーブと池添学厩舎の管理馬で連日のV
-:レッドサバス(牡4、栗東・松田国厩舎)は距離も響いたのでしょうか?
圭太:僕が乗せてもらったここ2戦は2100m。やはり幾らか慣れというか、落ち着きがありましたね。この馬の持ち味は末脚ですし、そこを崩すのもどうか、という思いもあったので、じっくり運びました。
-:阪神で走るなら、2000mだったら、といったワケですね。ルフォール(牝3、美浦・堀厩舎)はどうでしたか?
圭太:雰囲気はすごく良かったですよ。ただ、コーナーでモタついたのも響きましたね。
-:アーザムブルー(牡2、美浦・戸田厩舎)はこれまた強気に運ばれたなあ、と思いました。
圭太:そうですね。追い切りでも、返し馬でも良い雰囲気を感じていたので。それにゴチャつかない競馬を心がけたので、あんなレースになりました。
-:そして、詳しくは後日お知らせいたしますが、今週は他にも取材をさせていただく予定なので、今回は手短でしたが、そちらもよろしくお願いします!また、次週は3日間、中山ということですね。
圭太:ハイ。頑張ります。
-:有馬記念(G1)のアルバート(牡5、美浦・堀厩舎)、東京大賞典(G1)のコパノリッキー(牡6、栗東・村山厩舎)を含め、ラストスパートを期待しております。
(聞き手:競馬ラボ・小野田学)
※次回は12月22日(木)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。