![](/img/column/keita_weekly/tit_keita_weekly.jpg?=v13)
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
![k-meter](https://www-f.keibalab.jp/img/column/keita_weekly/kmeter.gif?1459672720)
2月11日時点1584勝
新年の初勝利、いや固め打ちを!鞭ルール改正の影響は?
2017/1/6(金)
木・土・日の変則開催で今週は2度目の更新となる当コラム。年も変わって、G1シーズンもひと区切りしたことで、騎乗馬の評価以外の話題も混じえつつ、タメになるような話題をお届けしていきたいところ。
もちろん読者の皆様から、戸崎騎手への熱いメッセージ・質問も募集中!応募はコチラ(keita_tosaki@keibalab.jp)にお名前(ペンネーム)、コメントを入れてお送りください。質問はこのコラム内でも採用させていただきます。
自然体で挑む2017年 まずは初白星を!
-:金杯デーの騎乗、お疲れ様でした!今週2度目のお話となりますが、よろしくお願いします。
圭太:よろしくお願いします。昔(地方競馬時代)からすれば、全然苦ではありませんが、この短期間での開催日程。移動だけが少し面倒ですね(笑)。
-:昨日の中山金杯(G3)、ドレッドノータス(牡4、栗東・矢作厩舎)について評価いただけますか?
圭太:正直、レースは上手く運べたのかなと。序盤は緩く、中盤から加速していく展開は読み通り。4コーナーでは勝ち馬と同じようなタイミングで上がっていくはずがそこから手応えが怪しくなって……。弾けてくれなかったですね。
![戸崎圭太](https://www-f.keibalab.jp/img/upload/keita_weekly/201701/170106_keita.jpg?1483703735)
-:3歳春の頃はイレ込みがキツいなんていう話もあがっていましたが、やはり精神面が影響したのでしょうか?
圭太:そういった変わったところは全くみせなかったんです。折り合いにも気をつけていきましたが、そこもクリア出来ましたからね。敗因がわからない、としか……。
-:さすがに見せ場がないとは、僕もビックリしました。続いての話題は週末の騎乗についてよろしくお願いします。土曜2R(3歳未勝利)のエポックメーカー(牡3、美浦・上原厩舎)は今年の初勝利になるのではないかと期待しています。
圭太:そうなるといいですね。前走も勝ち馬には差されてしまいましたが、後続は突き放していたのでね。
-:寒竹賞のアーザムブルー(牡3、美浦・戸田厩舎)はデビュー前から追い切りに乗られ、新馬戦も制されましたね。
圭太:追い切りの段階からイイ感触は掴んでいました。ただ、新馬は勝ってくれましたが、まだモタモタしているイメージもあったのでね。ひと叩きの上積みが期待できるはずです。距離はやってみないとわからない部分もありますが、良い方に出てくれれば。
-:土曜の話題はこんなところで、日曜はサンライズSでダイワダッチェス(牝4、美浦・菊沢厩舎)に騎乗されます。前回は坂が堪えたという評価も伺いましたが……。
圭太:そうですね。ただ、このクラスならば何とかこなしてほしいところ。その点、休み明けも影響していたでしょうし、巻き返してほしいところです。
-:5R(3歳未勝利)のスターライトブルー(牡3、美浦・戸田厩舎)は3戦連続の騎乗です。
圭太:安定味がある一方、決め手に欠けるところも事実です。もしかしたら、ダート向きなのかもしれませんしね。ただ、チャンスはチャンスですよ。
![戸崎圭太](https://www-f.keibalab.jp/img/upload/keita_weekly/201701/170106_keita02.jpg?1483703735)
▲距離延長を克服したいアーザムブルー
-:それにしても、3年連続リーディングで締めくくった直後に、もうこうして次期シーズンが始まっていることって、非常に厳しいですよね。今年もリーディングを獲りたいという思いはあるでしょうし……。
圭太:勝てないとファンや関係者に申し訳ないですからね。でも、勝ちにはこだわりつつも、こだわらないようにと言いますか。勝負はやってみないとわからないことですからね。まずは一つ一つを丁寧に乗って、その結果、リーディングがついてくれたら理想かと。僕だけで達成できることじゃありませんから。
-:目の前のレースに自然体で臨むということですね。
圭太:そういうことです。
-:プロ野球などでは「3年やって一人前」なんてことも言われます。地方競馬で確固たる地位を築かれたので、当てはまらない言葉ではありますが、JRAでも確かな結果を残しましたからね。新たなスタンスで臨めますね。
圭太:ええ、心新たに頑張りたいと思います。
今年からムチの規定が変更 その感触は!?
-:昨日のその他のレースですが、サクラエンパイア(牡4、美浦・堀厩舎)は高い評価をしていたと思いますが……。
圭太:う~ん……。そうですね。ゲートも沈むように出てしまいましたし、競馬を変に覚えてしまっているといいますか。どうも力を出し切れていないですね。
-:そういう馬で、2着馬にマークされる形も厳しいですね。
圭太:ええ。それも堪えたと思います。
-:タイムトリップ(牡3、美浦・菊川厩舎)は3着。一瞬は勝ったかと思いました。
圭太:やはり距離もこなせましたね。千六までは持ってほしいとは思いましたし、先生からも行くよりは一つ前に馬を置く形で運んでほしいとの依頼。壁も作れましたし、いい競馬は出来たと思います。勝ち馬も強かったですね。
-:ちなみに、今年からムチがパッド付きになった(※)とのことですね。
圭太:そうですね。僕も全部買い換えましたよ。
(※2017年1月1日から動物愛護の観点から競走で使用するムチを、パッド付きのムチに限定されることになった。馬への負担軽減のため。競馬主要国では既に義務付けられている)
![戸崎圭太](https://www-f.keibalab.jp/img/upload/keita_weekly/201701/170106_keita03.jpg?1483703735)
-:やはり。重量感などが変わってくるものなのですか?
圭太:重さ自体は微々たるものなので、気にならないのですが、ステッキの振られ方が変わりますからね。本当に人それぞれで、僕も試行錯誤というか、コロコロと試しながらやってきたのですが、ようやっと定まってきたくらいで。
-:持ったことはありますが、それだけ人によって好みも違うと。
圭太:ええ。硬いのだったり、柔らかいムチだったり。真ん中がしなるか、先がしなるか、そんな違いもありますよね。僕は短めで軽量。尚且つ先がしなるような型を使っていました。馬によって変える人だっていますよ。
-:それは初耳です。是非、今度改めて写真でも撮らせてください。
圭太:わかりました。もともとそこまでこだわりはなかったんです。値段だって、一本いくらくらいか把握していません(笑)。
-:まあ、お金も(ry ……ちなみに、馬への反応などは変化ありますか?
圭太:多少はあるんじゃないですか。やはり今まで集中されていた衝撃がそれだけ散るわけですからね。
-:G1シーズンも一段落したので、こういった競馬のアラカルト的な話題も冬の間に伺っていければと思います。しかし、昨日はかなり寒かったのではないでしょうか。
圭太:いやあ、寒いのもありますが、風も強くてね。
-:以前はレースで風の影響はないんじゃないか?ということでしたが、やはり重い馬のほうが影響は受けづらいものですか?
圭太:それはありそうですね。直線でも横から強風にあって、持って行かれそうな感覚はありますから。その点、大きな馬のほうがね。
-:今週末は日曜が雨とのことで、また大変かと思いますが……ひとまず、初勝利を。
圭太:頑張ります。一つ、二つと行けるようにね……。
(聞き手:競馬ラボ・小野田学)
※次回は1月13日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。