'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
盟友ベストウォーリアとフェブラリーSへ!“3度目の正直”となるか!
2017/2/17(金)
いざG1へ!名コンビ・ベストウォーリアと中央タイトル目指す
-:さあ、今週から今年のG1レースも始まりますね。3年連続でベストウォーリア(牡7、栗東・石坂厩舎)とフェブラリーS(G1)に挑まれることになりましたが、この馬については、もう2013年あたりから幾度となく話題にしてきて、改めてどうこう言うこともなさそうですが……(笑)。
圭太:いやあ、本当にそうですね。もう移籍した年からですものね。最初はコーナー4つの競馬がすごく苦手だったりしましたが、それも徐々に克服してくれて。今でこそ、左回りの千四や千六に特化して、レースを使っていますが、安定していますよね。7歳にして、これだけの成績を残せるのも、馬や厩舎スタッフに頭が下がる思いですよ。
-:昨秋も南部杯で敗れはしましたが、ものすごい時計で走り抜けていますね。
▲フェブラリーSには3年連続でベストウォーリアと挑む(写真左:昨年、右:2015年)
圭太:僕がすべて乗せていただいているわけではありませんが、中央のタイトルを勝たせてあげられていないことには悔いが残ります。それだけに、何としても、という思いはありますね。
-:これだけ崩れてもいないので、改めて上積みを考えるのも難しいところですが、今回に向けての強調材料はありますか?昨年はぶっつけ、今年は根岸Sをひと叩きしての臨戦ですね。
圭太:う~ん、正直、特にないかな(苦笑)。というのも、いつもしっかりした状態で出てきてくれるし、送り出してくれるので。つまり、あまり調子の波を感じないので。だから、一度使って臨むところにも、そこまでの差はないと思います。前走も仕上がりは良かったですから。
-:確かにおっしゃる通りですね。競馬は勝てないとなかなか評価されないものですが、これだけ崩れなく走ってきていることを改めて評価しなくてはなりませんし、常に上位をキープしている馬ですものね。
圭太:あとは強いていえば、最内や大外など、極端な枠を引かなければ。
-:乗られていない年ですが、内枠を引いて、揉まれる形になった年もありましたよね。前走も敗れたとはいえ、勝ち馬からは2kgの斤量差もありました。ただ、カフジテイクや乗ってきたモーニンなど相手も手強くなりますね。
圭太:そうですね。カフジテイクもすごい脚で突っ込んできましたからね。モーニンも以前から答えていたと思いますが、僕が走らせきれてあげられないところもあったので、ライアンがどう乗ってくるのか、いい勉強になると思います。
-:そして、G1も未勝利戦も分け隔てなく、一戦一戦大事に乗られることをテーマに掲げていることは百も承知ですが、今年初のG1へ向けての意気込みを聞かせてください。
圭太:大きなタイトルが獲れないより、獲れるにこしたことはないですからね。それに、結果を出せば、僕を応援してくれる人が喜んでくれますからね。その人達のためにも何とか報いたいです。
▲いつも通り、坂路で最終追い切りを終えたベストウォーリア
-:ありがとうございます。土曜はダイヤモンドS(G3)でプレストウィック(牡6、美浦・武藤厩舎)に騎乗されます。オープンでは未勝利ですが、前走のステイヤーズSでは長距離適性を発揮して、4着に食い込みましたね。
圭太:やはり長丁場は合ってそうですね。今回はハンデに恵まれた感もあるので、そこを活かした競馬をしたいです。ダートの長丁場と違って、芝の長距離戦は繊細。他のジョッキーはどうかわかりませんが、僕は好きなのでね。その醍醐味を味わいつつ、いい結果を目指したいです。
-:その前のレースはダートの2100mで長丁場。レッドサバス(牡5、栗東・松田国厩舎)の前走は距離が短くなったことがこたえたのかなと思いました。
圭太:結果的にはそうでしたね。レース前は大丈夫だと思っていたのですが、この条件を使っていた分、慣れが出てきてしまった印象です。その点、この舞台は堅実なのでね。
-:上級条件になったら、そうは簡単にいかないでしょうが、3走前に勝ったレースなどダートではなかなかお目にかかれない末脚の持ち主ですよね。
圭太:そうですね。あんな脚はなかなか使えませんよね。2走前も2着がありますし、見直したいところです。
-:7R(4歳上500万下)のニシノカブケ(牡5、美浦・萱野厩舎)ですが、乗り替わりの前走は前残りの展開で勝ち馬が強かった上に、スローペース。なかなか持ち味の活きる展開ではありませんでしたね。
圭太:まさにその通りです。馬自体はいいモノを持っていると思いますし、展開の注文はつきますが、あんな結果で終わる馬ではありませんよ。
-:少し気になるのが、ここのところはマイル前後に特化していた点。今回は距離が1Fですが、延びますね。
圭太:そこは大丈夫でしょう!
-:土曜の最終レース(4歳上1000万下)にはラベンダーヴァレイ(牝4、栗東・藤原英厩舎)が出てきますね。桜花賞以来の騎乗です。
圭太:ずいぶん久々に乗せていただきますが、マイルより短い距離で乗せてもらうのは初めてなので、どんな走りをしてくれるか、楽しみにしたいですね。
賞金加算できなかったムーヴザワールド その敗因は?
-:今週もレース回顧に力を入れたいところですが、共同通信杯(G3)のムーヴザワールド(牡3、栗東・石坂厩舎)はもうひと押しがなく3着でした。追って追っての印象かとは思っていましたが、良馬場ということもあったのか、2着馬を交わせないとは少し意外でした。
圭太:返し馬のフットワークなどは幾らか久々の感も受けましたし、汗ばむ感じもありましたね。それが悪い意味だけではないのですが。スタートは少し遅めで、二の脚で先団に取り付けて、4コーナーでもいい手応え。「コレなら」と思うところはあったものの、そこからのフットワークがもう一つ。追って追ってというより、ワンペースになってしまいました。
-:前走と比較すれば、中間の調整過程などは順調に思えただけに、もう少しピリッとしてくるのかと思っていただけにそこも意外でした。
圭太:ただ、まだギアを隠しているような感じですね。皐月賞を目指していたところ、賞金を加算出来ず、陣営には非常に申し訳ないところですが……。
-:次走報を見ると、ひとまずはダービー狙いに切り替えていくように見えますね。
圭太:ええ、距離が延びるのは問題ないと思いますし、むしろ良さそうですよ。
-:思えば、全姉のタッチングスピーチも夏の北海道を勝って、ローズSを制しましたし、引き続き長い目で注目していきたい馬です。ダイワダッチェス(牝4、美浦・菊沢厩舎)もお馴染みの存在。今回は壁が作れず、引っ掛かり気味でしたし、少頭数もこたえたのでしょうか?
圭太:それはありますね。そして、やはり坂がキツい……。平坦の走りとはどうも違いますし、もともと首を上手に使えるタイプではないので、走り辛そうにしていますよ。
-:レース選びが難しくなりそうですが、夏の活躍も今から期待したいです。アドヴェントス(牝4、美浦・堀厩舎)は初騎乗でしたが、以前に乗られていた勝ち馬も手強いだろうなと思っていました。
圭太:すごく大人しいし、乗りやすい馬ですね。ただ、まだ緩いところがあって、走り方もまだ偏ったところがあるので、成長の余地は大いにありそうです。
-:その評価から今後も注目ですね。ボーダーオブライフ(牡3、美浦・金成厩舎)は昇級でもメドがたちましたね。個人的には注目の一頭で、これだけ人気がないとは意外でした。
圭太:思っていた以上に上手な競馬をしてくれました。最後の直線では、前の馬がヨレて、内の馬も張ったところで馬が躊躇するところがあったのですが、そこらへんは今後の課題かもしれません。
-:確かに、そこからスペースが開いたらピュッと伸びて、3着を確保しましたね。パドックでは少し元気そうなのが印象的でした。
圭太:まだ若さもありますよね。このクラスを勝てる存在だと確認できたので、引き続き楽しみです。
-:ワンダーサジェス(牝4、栗東・石橋厩舎)はハンデ戦とはいえ、昇級初戦で早速メド。「追って伸びる馬」という評価どおりのレースぶりでしたね。
圭太:上手に走ってくれましたね。砂を被っても大丈夫ですし、最後もよく伸びています。
-:クイーンC(G3)のフローレスマジック(牝3、美浦・木村厩舎)は頑張ってくれたと思いますが……残念ながら3着でした。
圭太:体重も増えていて、テンションも落ち着いていました。道中もリラックスしていましたし、最後もよく頑張っているんですけどね。う~ん。
-:前の2頭も強い競馬でしたし、兄姉も古馬になって大成しているので、今後も成長込みでみていきたいです。
圭太:確かに乗った雰囲気はすごくいいので、そこがもう少し開花できればというところかもしれません。
-:デナリ(牡4、美浦・田村厩舎)は幾らか不安要素も口にされていましたが、僕は勝つんじゃないかと思っていました。
圭太:ハハハ(笑)。上手くいきましたよね。でも、やっぱり気難しいところは残りますよね。馬そのものは上にいってもやれるだけの資質は持っていると思うんです。あとはどれだけ集中してくれるか。距離は長くても問題ないので、そこだけですね。
-:今週はとにかくベストウォーリアで少しでも上の着順を目指してほしいものです。ただ、高松宮記念もG1で好勝負の可能性はありそうですね。
圭太:そうですね。でも、先を考えすぎず、引き続き頑張ります。
※ここで競馬ラボからのお知らせです。3年連続JRAリーディングを獲得した戸崎圭太騎手への質問・応援メッセージを久々に募集いたします!特定のレースや馬の話題や趣味と自称されている「ゴルフや英会話」の話題など何でも質問内容は問いません。もちろん、複数質問もOK!応募は以下のアドレスに「戸崎騎手質問係」と記して、お名前(ペンネーム)、質問内容をお書き添えの上、メールでお送りください。
質問を採用させていただいた方の中から抽選で3名に編集担当の競馬ラボ・小野田チョイスの戸崎騎手グッズをプレゼントいたしますよ。たくさんのメールをお待ちしております。締め切りは2017年2月26日(日)まで。
keita_tosaki@keibalab.jp
(当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます)
(聞き手:競馬ラボ・小野田学)
※次回は2月24日(金)に更新予定です!プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。