'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月4日時点1555勝
10度目コンビで重賞初Vへ グランシルクとダービー卿CTに臨む
2017/3/31(金)
昨春以来となるJRAG1制覇のチャンスかと思われた高松宮記念は無念の10着。タイトルに手が届かなかった戸崎騎手だが、今週、来週と引き続き中山での騎乗となる。2週前には3日間開催で計8勝など、徐々に勝ち星のペースも戻しつつある現状を思えば、地元に腰を据えることは勝ち星の稼ぎ時ともとらえられるだろう。大舞台にその名がないのは残念ではあるが、すぐにそのチャンスも巡ってくるハズ。着実な結果を期待したい一週間だ。
グランシルクは競馬での課題も徐々に克服しながら、着実に安定感を増してきましたね。少し展開次第の面もあるのですが、僕も重賞など良いところで昔から乗せていただいているので、結果を出したいです。
-:先週の高松宮記念。G1制覇のチャンスかと思ったのですが、当日はまさかの雨でしたね……。
圭太:そうですねぇ。レース前から感じていましたが、序盤からメラグラーナ(牝5、栗東・池添学厩舎)の行き脚がつかなかったように、馬場もけっこう悪かったですからね。
-:馬体重をみると、前走は減り過ぎなのかと個人的には思っていたので、プラス体重は良かったのではないかと思います。
圭太:体つきも良くなっていましたし、状態自体は良かったと思いますよ。結果的に馬場の内外の差も出てしまいましたし、メラグラーナ自身にとっても、走りづらそうで不向きな状態。ただ、天気ばかりはどうしようもないのでね……。もう、僕も日頃の行いを良くしなくては。
-:いやいや(笑)。それにしても、メラグラーナの今後の予定は把握していませんが、秋へ向けて仕切り直しですね。
圭太:そうですね……。遅生まれなので、伸びしろはまだあると思うのでね。
-:今週は土日中山での騎乗となりますね。当分は関東圏となりますか?
圭太:そうですね。G1に乗れないのは残念なところですが……。当面はそうなります。
-:今年はなかなか乗り馬とのめぐり合わせも上手くいかなかった印象ですが、中山で腰を据えて、頑張ってほしいところです!今週の騎乗馬では、ダービー卿CT(G3)のグランシルク(牡5、美浦・戸田厩舎)が一番の注目ですね。
圭太:競馬での課題も徐々に克服しながら、着実に安定感を増してきましたね。少し展開次第の面もあるのですが、僕も重賞など良いところで昔から乗せていただいているので、結果を出したいですし、タイトルを獲らせてあげられたらと思います。
初勝利を戸崎騎手とのコンビで挙げたグランシルク(2015年1月)
-:少し気になるのは、土曜日は雨予報。血統だけ見ると、こなしておかしくないとは感じるのですが。
圭太:う~ん、多少ならばこなせると思いますが、かなり悪化するようだと限度はあるかもしれません。
-:そうですか……。何故かと言うと、ルメール騎手が乗った降級初戦しかり、東京での走りっぷり。速い上がりで勝ち切るあたり、成長した今なら、ああいう競馬が理想なのかと思いました。
圭太:そうなんですよね。前は「中山じゃないと」というタイプでしたが、今なら東京の方がいいくらい。負けてしまったレースですが、4走前あたりから馬が変わってきたと感じましたからね。
-:ちなみに、前走のように内枠だと競馬はし辛いですか?
圭太:いや、内でも問題ないですよ。そこは「展開次第」であまりスローにならなければね。
-:そして、先週日曜は雨の中、レースが行われ、今週はBコース替わり。尚且つ雨ですね。
圭太:う~ん、先週の日曜に乗ってないから、どんなものか……。とにかく、当日の傾向を見極めたいですね。ファンの皆さんもそこは注意して観てもらえればと思います。
-:その他のレースも伺いたいのですが、土曜最終(4歳上1000万下)のレレマーマ(牡5、美浦・国枝厩舎)は久々の前走を使っての臨戦です。
圭太:前走は休み明けでテンションも高かったですね。そこはガス抜き出来ていると思いますし、力は感じましたよ。巻き返して欲しいです。
-:日曜2R(3歳未勝利)のヤマニンバンタジオ(セ3、美浦・田島俊厩舎)はもう順番となればいいですね。
圭太:不器用なところがあるのですが、このクラスでは能力は上。上手く導きたいです。
-:サレンティーナ(牡3、美浦・萩原厩舎)の前走は少頭数もあり、ドスローと展開が向かなかったと思います。
圭太:敗れはしたものの、このクラスでもやれますよね。今回は頭数も揃いましたし、あんなことはないかと。いい勝負を期待したいです。
-:未勝利勝ちは逃げ馬が残る展開を外々回って差し切り。ここでもやれると思っています!安房特別のグリントオブライト(牝4、美浦・戸田厩舎)も前走は休み明けや少し団子状態での競馬。こちらも見直せるのかと思います。
ダイワダッチェス、タケルラグーン、グリントオブライトなど日曜は馴染みの馬が多い
圭太:前回は休み明けでしたからね。一回使って、気候も段々とは暖かくもなってきましたし、変わってくるのかと。
-:確かに前走は小柄とはいえ、プラス体重が目立ちました。土曜の雨など馬場も心配ですが、いかがですか?タイプ的には合いそうですが、小柄だけにどうかなと。
圭太:まあ、大丈夫かなと思います。
-:メインのダイワダッチェス(牝4、美浦・菊沢厩舎)はあとひと押しですが、やはり坂が気になりますね。今まで話を伺っていても「坂が登りづらいタイプ」とはなかなか聞かないジャッジだけに。
圭太:そうですねぇ。勝てる能力はあると思いますが、ベストは平坦コースなのかと。そこだけですね。
-:そして、もはやお馴染みのタケルラグーン(牡5、美浦・池上弘厩舎)は日曜最終レース(4歳上1000万下)に登場。雨の影響で馬場が軽くなりそうなのが、気になるところです。
圭太:基本的にこなせると思いますよ。あとは、前残りの展開にならなければ、というところだけですね。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。