今週は古馬牝馬の祭典・ヴィクトリアマイル。戸崎圭太騎手にとっては2年連続で制している相性のいい一戦ではあり、今年はルージュバックとのコンビで臨む。ご存知の通り、戸崎騎手とはゆかりの深い一頭ではあるが、残念ながらG1は未勝利。その結果をジョッキー自身も歯がゆく思っていることは当コラムなどでも度々口にしていただいているが、今度こそ、となるのか？関東リーディングにも登りつめ、土日23鞍騎乗とエンジンがかかってきた鞍上の手腕に期待だ。

ルージュに向く馬場になってくれれば。多少渋る点は問題ないのでね。それと、前回、出していった点が今回に良い効果をもたらしてくれることを期待します。


－：今週もよろしくお願いします！まずはヴィクトリアマイル(G1)のお話からとなりますね。このレースはストレイトガールとのコンビで挑まれていましたが、今年はルージュバックとの挑戦となりますね。

圭太：よろしくお願いします。そうですね。この馬とG1を勝ちたいとは常々思っていることですが、チャンスは巡ってきたなと。こんな結果が続いていながらも、騎乗依頼をいただけることをしっかり受け止めたいと思います。

戸崎圭太

▲ヴィクトリアマイルを連覇など戸崎騎手にとっても牝馬G1は相性がいい

－：ルージュバックについては再三、このコラムでも話題にはしてきましたが、僕の理想というか、見立てでいえば去年のエプソムCがベストパフォーマンスなのかと。多少、強引に外を回ってでも、あの大きなフットワークのリズムを崩すことなく、のびのび走らせてあげることがベストだと思いました。

圭太：その通りですね。例えば、前走の金鯱賞も枠が出た時点で“どう乗ろうか……”なんて思ったほど。陣営と相談しつつ、結果的にあんな競馬になったのですが、直線は開かず、捌けずじまいでした。道中は枠なりの競馬ではありましたが、思っていたよりもリズムは良かったと思いましたし、やったかと思ったのですが。

－：僕も当時は枠を見て厳しいと思っていたものの、道中はいい意味で“アレっ”と思った記憶があります。そして、今回は土曜の天気予報に雨マークがついていますね。

圭太：イイと思いますよ。

－：昨年の毎日王冠の時も多少そんな馬場でしたよね。前日に雨が降り、当日もパラついていて。ただし、先週の検量室の談話を聞きや馬場傾向を見た上で、今週からBコース替わりという点は気になるところです。

圭太：そうですね。馬場については後ほどレース回顧のところでも話させていただこうと思いますが、ルージュに向く馬場になってくれれば。多少渋る点は問題ないのでね。それと、前回、出していった点が今回に良い効果をもたらしてくれることを期待します。去年のヴィクトリアマイルなんかもクリストフ(ルメール騎手)は「この馬には忙しいペースだった」なんて言っていましたから。

－：マイルがベストではないのでしょうが、それでも、あの結果。馬場次第で巻き返してもおかしくはないと思っています。状態面などはいかがでしょうか？

圭太：いつも通り中間は乗っていないのでわかりませんが、良い状態だとは聞いていますよ。

－：枠や馬場など条件もあるのでしょうが、この馬については日頃からファンの方々にも「勝ってほしい」といったメールをいただくことがあります。改めて意気込みをお願いします。

圭太：本当にファンの多い馬だということは僕もひしひしと感じていますし、なんとか勝つことが出来れば。どんな結果になるかは神のみぞ知る、といったところですが、是非応援してください。

戸崎圭太

▲ヴィクトリアマイルを連覇など戸崎騎手にとっても牝馬G1は相性がいい

－：土曜の京王杯スプリングカップ(G2)にはグランシルクで臨まれますね。

圭太：以前もお話したかと思いますが、今なら東京コースが良いんじゃないかという見立て。着実に成長は感じますし、力の入るところです。

－：昨年の東京コースでの走りも瞬発力が類まれなるものを感じました。少し心配なのが雨予報で……。

圭太：まあ、この馬にとってはあまり歓迎ではないことは確かですね。

－：ただ、前走のダービー卿CT(G3)も道悪が残る中での競馬でしたからね。デビューから振り返っても、馬体重も徐々に増えつつあるように成長を感じます。

圭太：そうですね。本当にしっかりしてきていますから、賞金を加算出来ればと思います。

－：その他のレースもちょくちょく伺えればと思います。土曜2R(3歳未勝利)のヒトノワドリームはテン乗りの前走で勝ったかと思いました。7R(4歳上500万下)のロンバルディアもテン乗りでしたが、3着という結果でした。

圭太：ヒトノワドリームはレースにいって良さを感じるタイプですね。僕も直線で勝てたかなと思ったほど。1600mになるのは問題ないでしょうし、引き続き期待しています。ロンバルディアは使える脚が短いところがあるのも本音。その分、乗り方には気をつけたいですね。

－：個人的には夏木立賞のグローリーハンターは初出走の前走が力の違いをみせつけるレースぶりでした。

圭太：強かったですね。2戦目でどんな状態や気配になるのか、そこは未知数ですが、このクラスでやれてもとは思います。強いて言えば、中山のほうが良いタイプなのかもしれないといった懸念はあるのですが。

－：しかし、あれだけマクっていって先行勢を飲み込むとは一枚上のパフォーマンス。中間も追い切りでいい時計が出ており、上積みがあるのかなと思います。ちなみに、戸崎騎手が中山芝でマクった時の成績がいいデータを発見したのですが、意識はありますか？

圭太：やっぱり馬の力があってこそ。動く分にはそれだけロスもあるでしょうから、馬に助けられているからこそですね。

－：緑風ステークスのパフォーマプロミス、最終レース(4歳上1000万下)のタイセイスペリオルと続きます。

圭太：パフォーマプロミスは素質を感じる走りをみせてくれましたね。雨が降るという意味では、前走でも道悪を上手に走ってくれていたので、良いのかもしれませんよ。タイセイスペリオルはもともと能力を感じていた馬。久々なだけに仕上がり次第でもあるのでしょうが、力はありますよ。

－：タイセイスペリオルの前走は結果的に勝ち馬、2着馬と昇級していっていますからね。

圭太：そうそう。距離も1600mくらいは我慢してほしいし、こなしてほしいですね。

戸崎圭太

▲グランシルクはそろそろ重賞タイトルが欲しいところだ

－：日曜は8R(4歳上1000万下)のサンクロワは中1週、テレ玉杯のプリモンディアルは久々の騎乗ですね。

圭太：サンクロワは前回もお話したようにもう少し持って運べれば、といったところ。このクラスを勝てる能力は持っていますよ。プリモンディアルはずいぶん昔に乗せていただきましたが、長期休養明けの前走でもやれるように、やはり能力はあるのでしょうね。

－：青竜ステークスのサノサマーは前走が強い勝ち方でしたね。

圭太：クラスが上がるとテンのスピードも違いますし、その分、終いの脚も鈍りやすいもの。後ろからの競馬になるので展開次第の面は否めませんが、前走は強かったですからね。何とか流れが向いてほしいです。

－：もともと砂を被るのが嫌がるところがあるのかな、といったイメージの馬です。前走はいかがでしたか？

圭太：やはり嫌がっていましたよ。そういう意味でも、多少バラけるようなペースになってくれると良いですね。

次ページ：「見せ場のあったNHKマイルC タイムトリップの敗因とは？」⇒⇒⇒