'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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悲願のダービージョッキーへ!初コンビのペルシアンナイトと頂点狙う
2017/5/26(金)
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見たり、コメントを聞いたりすると、勝つとダービーの重みを感じると仰っている人が多いですからね。勝てたら、それがわかるのかもしれないですよね。
-:その他のレースは駆け足で伺っていく形になりますが、日曜の薫風ステークスのクインズサターン、むらさき賞のサンマルティン、6R(3歳500万下)のサレンティーナ、3R(3歳未勝利)のカスタディーヴァ、1Rのヒトノワドリームとどうでしょうか?
圭太:クインズサターンは東京コースで安定していますし、終いは良いモノを持っていますので、楽しみだと思います。サンマルティンは久しぶりに乗せていただきますが、力はありますからね。福島の時もあれだけ外を回って突き抜けたほど。結果を出したいところですよ。
サレンティーナは東京で乗せていただくのは初めてなのですが、むしろプラスになるような印象。やってみないとわからないところはありますが、僕は良いイメージを持っていますね。カスタディーヴァは結果こそ伴わなかったのですが、新馬の走りは良い雰囲気でしたよ。もう少し力をつけてほしいですが、久々なので、成長してくれていれば。背中はいいモノを持っていますから。ヒトノワドリームはちょっと気難しいというか、馬を交わそうとしないようなところもありますね。勝ちパターンのはずが、負けてしまうところはありましたからね。そこには気をつけたいです。
-:土曜3R(3歳未勝利)のコハク、5R(3歳500万下)のトータルソッカーはどうでしょうか?
圭太:コハクは長い距離のほうがごまかしはきくイメージはありますが、この馬なりに安定はしていますよね。トータルソッカーは勝たせていただいた時は強かったですね。乗り難しいところはあるので、そこに気をつけたいところ。でも、良いモノは持っていますよ。
▲土曜5R、日曜の青嵐賞とダービー前に東京芝二四戦は2度騎乗した臨むことになる
-:ちなみに、土曜5Rや日曜にもダービーと同じ、東京芝2400m戦が行われます。こういう時はダービーを意識されることはありますか?
圭太:う~ん、馬場は見たいですよね。でも、だからと言って、そればかりになるのはね。
-:G1のために乗っているのかな?と思う騎乗もありますからね。
圭太:僕は特にそういうところはないですね。
-:ちなみに、ダービーに対する気持ちは移籍5年目の今、変化はありますか?
圭太:(少し考えて)いや、特には……。だって、ダービー以外でも勝ちたいですからね。
-:それが、自分の手で勝ち上がって、皐月賞も勝ったりすれば、また違うのかもしれませんね。
圭太:どうなんすかねえ?ただ、牧場や生産者、厩舎の人はここを目指しているでしょうからね。特に生産者の方は一頭、産まれて「ヨシ!ダービーだ」という気持ちだと思うんです。そういう思いは沢山あるでしょうから、レースとしての重みがあるのだろうとは感じますね。自分としては、どれも勝ちたい、特にというのはないですね。
ただ、ダービージョッキーという呼称は特別ですよね。僕も有馬ジョッキーとは言われないし、天皇賞や皐月賞だって言われることはないですから。ただ、見たり、コメントを聞いたりすると、勝つとダービーの重みを感じると仰っている人が多いですからね。勝てたら、それがわかるのかもしれないですよね。勝ってない人間がどうこう言うなという向きもあるでしょうし、「G1の一つだなんて偉そうだ」という声もあるかもですが。その点、(安藤)勝己さんもそういったことを言っていましたからね。ただ、責任の厚みは感じますよね。託されている感はひしひしと伝わります。
-:緊張感、プレッシャーはどうですか?
圭太:今のところはないですね。昔はそういったところもありましたが、今は上手く対処できているのかなと。
-:「昔は」と言いますと……。
圭太:去年くらいまではあったかもしれませんねえ。でも、何とかそこも良くなってきたかな。
ステファノスは率直に良かったですね。調子の良さを感じただけでなく、以前よりもパワーアップした雰囲気を感じたほどですよ。
-:レース回顧もお願いいたします。先週のオークス(G1)はフローレスマジックとのコンビでした。こちらは逃げる形ではありましたが、いかがでしたか?
圭太:ハナに行くことも想定していて、リズムよくいけたと思います。馬場のインも良かったですし、レースは皆外に行きましたが、外が有利とも感じなかったですからね。まだ、力をつけていってくれればと思います。
-:ひと夏をこして、どこまで変わってくれるか、というところですね。ロイヤルストリートはあと一歩。序盤も遅かったですか?
圭太:いや、ゲートで躓いて、馬が気負ってしまいましたね。その分、折り合いに時間がかかって、最後の差が出てしまいましたね。あれがなければ、綺麗に差し切っていたかなというところです。
-:コロマンデルは大接戦でしたね。
圭太:ゲートさえ出てくれれば、という見立てはありました。接戦だったのは気性面もあるかな。ペースも流れているのに、それについていった分もありますからね。接戦にはなりましたが、力は上だなと再確認しましたね。前にいった馬が残る決着ではありましたが、この馬は溜めがきいた方がもっと良い脚は使えるかなという思いはありますからね。そんな点からも力は上だと感じました。
-:ブリラーレはいかがだったでしょうか?
圭太:折り合いは上手について走ってくれたのですが……。内を突こうという競馬で、まだ、身体が緩い分、伸びて走ってしまうので、良くなるのはもう少し先なのかもしれませんね。
-:トレンドラインは最後に追い込んで2着。力は証明してくれていますが、惜しい結果でした。
圭太:ちょっとゲートを出負けして、思ったよりも後ろになってしまったのですが、ペースもハマっていたのでちょうど外にいた馬に被せられて、リズムよく出せなかったのでね。
-:モンドアルジェンテは前走の敗戦を払拭する走り。巻き返してくれましたね。
圭太:今回は調子が良かったですね。ゲートの中がまたうるさかったですが、展開も向いてくれましたよ。
-:クインズウィンダムは勝ったものの、左回りなのに、かなり走りづらそうでしたね。
圭太:ちょっと……キツいですね。勝った時よりもずいぶん難しさが出ていますね。修正というか、解消されないと、力は持っているのでもったいないですね。楽しみな馬なので、どうにか解消させていかないといけないですね。上でも通用するくらいの走りはしていますから。
-:最後に、ランプルールはどうでしたか?
圭太:現状はダートでしたが、芝でもやれそうですね。ただ、どちらにせよ、持っているモノはまだ秘めているので成長待ちですね。いずれにせよ、楽しみな器ですが。
-:そして、安田記念(G1)はステファノスとのコンビ。今週は栗東トレセンへ向かわれましたが、追い切りはいかがでしたか?
圭太:率直に良かったですね。調子の良さを感じただけでなく、以前よりもパワーアップした雰囲気を感じたほどですよ。
前半は2着が多くて勝ちきれないところもありましたから。ここへきて、ようやく勝たせていただいている思いもあるので、人間の状態も良くなっていますし、夏を含めて後半も勢いをつけていきたいですね。
-:個人的にも、かなり楽しみな一戦だけに来週も楽しみです。ダービーが終わると、2歳戦も始まってくるようにここがひと区切りといった印象。ひとまず、ここまで騎乗されてきての2017年シーズンの印象も総括してもらえますか?
圭太:そうですね……。前半は2着が多くて勝ちきれないところもありましたから。ここへきて、ようやく勝たせていただいている思いもあるので、人間の状態も良くなっていますし、夏を含めて後半も勢いをつけていきたいですね。
-:中山の時は本当に惜敗が多かった……。
圭太:そうですね。今までにないほどでしたね。今、思えば、しっかり乗れていなかったのかもしれないですから。
-:そういう時のメンタルはいかがですか?プライベートまで僕も存じていないので、どんな心境だったのかな?と思っていました。
圭太:そっちは大丈夫ですよ。ただ、(自分の騎乗は)良いと思ってダメだから、タチは悪いのかもしれない(笑)。
-:ただ、競馬にもしっかり取り組んで、トレーニングも食生活もしっかりやられている。そういった真面目な人ほど、結果が出ない時に精神面を害さないか、気になったのですが。
圭太:あぁ~そこは大丈夫です!そういう真面目さともちょっと違うんで。
-:変な占いにハマったりとか。
圭太:ツボとかネックレスは買ってませんから大丈夫(笑)。そういう生真面目さとは違いますよ。多少のメンタルのバイオリズムなどはあるでしょうし、勝てない時は悩みますし、考えます。でも、それは当たり前だし、今はすごくスッキリしていますよね。
-:では、良い雰囲気で残りの東京・福島に臨みたいですね。最後にさきたま杯(Jpn2)のベストウォーリアも注目しています。
圭太:前走もザ跖でリズムを崩している中での結果。今回はそんなところもないでしょうからね。
-:先週、今週と色々伺いましたが、ここのところ勝ち星も順調に重ねられていますし、このリズムで頑張ってほしいところです。引き続きよろしくお願いします。
圭太:ありがとうございます。頑張ります。
【お知らせ】競馬ラボでは、6月19日(月)に戸崎圭太騎手をSPゲストとして招いて、LOFT9 Shibuyaでリアルイベントシリーズ第3弾「生うまトークサミット VOL3 ~週刊!戸崎圭太・公開収録編+宝塚記念・直前展望ライヴもやるよ~」を開催します。
イベント詳細はコチラ⇒ 6/19(月) 競馬ラボ・リアルイベントに戸崎圭太騎手が初出演!
そこで、「週刊!戸崎圭太」では遠方や都合で当日、おこしいただけない方のためにもイベントでの質問を募集いたします。もちろん来場予定の方もOKです!
レースにまつわる話やプライベートなど内容は問いません。当日の模様は動画撮影されるので、後日、質問採用者への回答は、ご本人の口からお答えいただくことになりますよ!
応募は「週刊!戸崎圭太・公開収録質問係」と件名に記載の上、(お名前またはペンネーム)(会員ID)(質問内容)をメールでkeita_tosaki@keibalab.jpへお送りください。
※質問が多数の場合は編集部がチョイスさせていただきます
※複数質問も可能です
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(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は6月2日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。