'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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さあJDD連覇へ!サンライズノヴァ前走4馬身差重賞Vの真価が問われる一戦に
2017/7/9(日)
コース形態が丸っきり違いますからね。4つコーナーで距離も長いですし、それによってガラッと変わる馬もいますし、大して変わらない馬もいます。だから条件は合っていると思います
-:今回は長めにお時間をいただきありがとうございます!引き続きジャパンダートダービー(Jpn1)のサンライズノヴァ(牡3、栗東・音無厩舎)について聞かせていただきたいと思います。前走(ユニコーンS)は4馬身差の圧勝でした。レース後にもお話は伺いましたが、新馬戦以来乗られての感触、返し馬の雰囲気はいかがでしたか?
戸崎圭太騎手:本当に力をつけてきたな、という印象はありましたね。新馬の頃より着実に良くなっていましたよ。
-:当日、検量室付近の様子を見ていると、(音無)先生はいらっしゃらず調教助手さんが臨場されていたようでしたが、乗り方についての指示はあったりしましたか?
圭太:そういう場合はあったり、なかったりですね。今回は細かくはありませんでした。
-:今回、一番聞きたかったのが、ユニコーンS前とユニコーン時のレースぶりの変化。改めて過去のレースを観ていたのですが、今回、JDDで闘う相手に負けはいるんですよね。しかも、リゾネーターなどは2走前の伏竜Sで4馬身差もつけられていました。鳳雛Sも渋太い競馬をしていて、力は確かなものの、アッサリ巻き返してきたのは不思議に思いました。乗られていないレースが多々なので、答え辛い点もあると思いますが、この馬の過去のレースぶりや適性をどう感じられますか?
圭太:僕のイメージでは、(東京は)やっぱりコース形態も合っているのかなという見立てはありますよね。
-:僕も色々と考えて、どういうところがポイント・敗因なのかと考えていたら、やっぱりそこなのかなと。それに、ユニコーン前は道中で頻繁に動いてしまった印象を受けたので、ジョッキーも上手く脚を引き出されたのかと……。
圭太:いやいや、騎手というよりも、コース形態が丸っきり違いますからね。4つコーナーで距離も長いですし、それによってガラッと変わる馬もいますし、大して変わらない馬もいます。だから条件は合っていると思います。
-:ユニコーンS後、「あの馬は左回りだったら違うのでしょうか?」という声も聞かれました。左でしか乗られていないのですが、左右の違いはありませんか?
圭太:回りは関係ないと思いますけどね。
-:となると、気になるのは今回の距離と条件。僕は広い大井の2000mだったら大丈夫だと思っているのですが。
圭太:う~ん、そもそも右回りでも負けてはいますけど、走れていない訳じゃないですからね。だから、別に問題があるか・ないかで言うと「ナイ」と思いますよ。だそこは僕の方が乗り方を工夫すべき、考えて乗っていくべきなのかなというのはありますね。
-:道中の雰囲気が気になったり、折り合い面の不安はないですか?
圭太:(キッパリと)ないですね。
-:これまでのお話を聞いていると「フットワークがすごくユッタリしている」とのこと。中山よりも大きなコースですね。
圭太:ただ、課題といえば、何と言いますか、4つコーナーになったり、モマれたりすると弱さもあるのでしょう。これは推測ですけどね。一方で、跳びがユッタリしている大きい馬だから距離が延びて広いコースの方が良いと思うと、一概にそうでもないというタイプですかね。
-:いつものことですが、サラっと乗られているように観える中でも繊細さを感じていたわけですね。ただ、地方交流は馬群がバラけ易い。そこは良いのかと思います。
圭太:砂もちょっと気にするところもありますね。力はありますけど、まだ課題や難しさもありますから。でも、距離が延びて砂を気にするのは良いのかなと思いますし。
-:それは、良い意味でロスが出てくるということですね。
圭太:はい。
いやあ、良いモノはありますよ。モノは良いモノを持っています
-:タイプ的には、ある程度、ペースは流れた方が良いのでしょうか?
圭太:今は流れない方が良いのかもしれませんね。前走こそ流れていたけど、僕がついていっていないので。じゃあ、ついていかないから、大井で届くかと言ったら……という思いもありますから。まあ、まだまだ先がある感じの馬なのでね。
-:前回は前が飛ばす展開。あれだけ流れていてもジックリ持って構えているということは、返し馬の段階でだいぶ良い感触を得ていたのかなと思って、レースを観ていました。
圭太:良い感触でしたよ。また急がせちゃうとどうなのかというタイプにも感じました。東京だから、あれだけ待てましたし、僕も京都や中山で乗って、あのコースの条件でゆっくり構えた競馬が出来るかと言ったら、わかりません。ただ、今後どういう競馬をしていくか、どんな成長をしていくか楽しみですね。
-:理想でいえば、ゆったりとした展開で、やや外めの枠の方が良さそうですか?
圭太:まあ、そうですね。
-:相手関係を考えれば、どの馬にも一長一短はあるのかなという気も。サンライズノヴァについては現状、抱えている課題を上手く克服出来ればというところですね。ジャパンダートダービーといえば、昨年もジョッキーは勝たれていますし、沢山のダート馬にも乗られてきました。今まで乗ってきたダート馬と比較していかがですか?
圭太:いやあ、良いモノはありますよ。モノは良いモノを持っています。
-:場合によっては、秋も……?
圭太:そうですね。
-:今回はG1ですし、ペースは忙しくなるかもしれません。ただし、おそらく1番人気。連覇を期待するファンに向けて、まとめのコメントをいただけますか?
圭太:どういう競馬をするか、本当に楽しみですよね。僕にとっても地元といえる大井ですし、前走は本当に強い競馬をしているので、ファンの期待もあるでしょう。それを裏切らない競馬が出来たら良いなと思っています。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。