'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
初のイギリス遠征は勝ち星なしも充実の1週間!今週は新潟で固め打ちだ
2017/8/18(金)
また乗れるチャンスがあるかはわかりませんが、いつか必ずリベンジしたいです
-:イギリスで行われたシャーガーカップの遠征、お疲れ様でした。結果、残念ながら勝利を挙げることはできませんでしたが、初めてのヨーロッパはいかがでしたか?
圭太:心残りは勝つことができなかったことですね。正直、2レース目の3着は乗り方次第で勝てたと思っているだけに、上手く乗れていればという思いです。
▲世界選抜チームのウェアをまとう戸崎騎手(ファンの方から写真提供いただきました)
-:確かにジワジワとした追い比べの中でしたが、確かに結果は惜しかったですね。
圭太:また乗れるチャンスがあるかはわかりませんが、いつか必ずリベンジしたいです。
-:ちなみに、行かれる前は現地のレースを観たい、ヨーロッパのジョッキー同士の競馬を生で観たいとの話。それは実現されましたか?
圭太:イギリスではできませんでした。でも、カラ競馬場では観られましたし、良かったですね。ちょうどライアン(・ムーア)もいたので尚更でした。
-:シャーガーカップの雰囲気そのものはどうでしたか?
圭太:ネクタイを締めていたり、女性も華やかな服装をしていて、いい雰囲気でしたね。まあ、日本人はほぼいなかったような……。
-:滞在中の食事も気になるところです。いかがでしたか?
圭太:いやあ、どこを見てもパンばかり。もう、断念です(笑)。気をつけていても、小麦粉の入った食品ばかりでしたし、我慢しても腹は減りますからね。まあ、特に体調の変化はないですけど。
-:この一週間で一番困ったことはありますか?
圭太:マスタードが辛い!普通にかけたら、めちゃくちゃ辛くてビックリでした。
-:ハハハ、それは意外ですね。同じジョッキー同士で話したりはされましたか?
圭太:「ちょっと」だけっすよ。まあ、同じ世界選抜チームだったマカヴォイ(オーストラリア)が今度は札幌のワールドオールスタージョッキーズシリーズにも来ますからね。そんな話も。
▲オフの日は初めてのイギリスを満喫
▲悔しい3着に本人も残念顔
▲右はWASJにも出場するオーストラリアのマカヴォイ騎手
-:そうでしたか。また、レースなど改めて伺う機会を設けられればと思います。今週の競馬ですが、テン乗りばかり。手短ですが、短評をいただければと思います。まずは土曜新潟の出雲崎特別から、コウキチョウサン(牡4、美浦・和田郎厩舎)はどうでしょうか?
圭太:堅実に走ってくれる馬ですね。ワンパンチに欠けるところをもう少しフォローできればと。
-:日曜6R(3歳未勝利)のルーラーキングと村上特別のサトノキングダムはどうですか?
圭太:ルーラーキング(牡3、美浦・小笠厩舎)は前走が上手くいったと思ったレース。そこから勝ち馬の決め手にやられてしまいましたが、斤量差もありましたからね。改めて期待したいです。サトノキングダム(牡4、美浦・国枝厩舎)は久しぶりというのが良いかと思います。どうしても、使い込むと体質面の弱さがあるので、リフレッシュできているなら楽しみです。
-:海外に行かれる前のレースを振り返ると、小倉記念(G3)のサンマルティン(セ5、美浦・国枝厩舎)は惜しくも2着。全10場重賞制覇まで、あと一歩でしたね。
圭太:あの差だけに悔しいですね。結果的には早く行き過ぎたと思います。
-:普段はじっくり乗られる方とすれば、あれだけ早めに動いていかれるのも意外な感じは受けました。
圭太:まあ、ストロングタイタンに楽をさせるのも、と思ってマークする競馬。ただ、余計なことは考えるもんじゃないですね。
-:ただ、勝ち馬とは斤量差もありましたし、3着以下は大きく離しています。重賞でもメドのつく内容だったのではないでしょうか。
圭太:そうですね。今後もチャンスはあると思いますよ。
▲早め抜け出し差され2着 戸崎騎手としては珍しいケースに
-:アディラート(牡3、栗東・須貝尚厩舎)はかなり厳しい競馬でしたね。
圭太:2コーナーまでびっしり来られてキツイ展開。あれでは厳しかったですね。
-:ロジブリランテやブラックプラチナムなどはどうでしたか?
圭太:ロジブリランテ(牡3、美浦・国枝厩舎)は未勝利勝ちの頃の雰囲気にはなかったですね……。肉体的にも、精神的にも。ここでやれておかしくないのですが……。ブラックプラチナム(牡4、美浦・栗田博厩舎)は相手が悪かったことに尽きます。
-:フクサンローズは連勝を飾り、クロースリーニットは待望の初勝利でした。
圭太:フクサンローズ(牝3、美浦・小西厩舎)はいきなり500万ではどうかな、と思ったのですが、展開も向いてくれましたし、強い内容。クロースリーニット(牡3、美浦・二ノ宮厩舎)は斜眼が効きましたね。
-:次週は土日、札幌での騎乗となりますね。今週はちょっと手短ですが、引き続きよろしくお願いします!
圭太:ハイ、よろしくお願いします。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は8月25日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。