'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
3日間は東西ジョッキー最多の29鞍に騎乗!さあ勝ち星量産だ!
2017/9/15(金)
今週は3日間開催。中山を主戦場とする戸崎騎手にとって、一番の目玉はセントライト記念(G2)だったことは言うまでもないが、当初コンビを組む予定だったセダブリランテスは残念ながら回避に。今年は騎乗馬の取消、回避など客観的に見ていても多かったように映るが、3日間計29鞍の騎乗予定と、そのうっぷんは勝ち星の「量」で晴らしてほしいところだ。
「長丁場で走っていたので、そんなイメージがあるかもしれませんが、もしかしたら、距離が長いから決め手の甘さもあったのかもしれません。それだけに、今回の距離は試金石だと思います」
-:今週もよろしくお願いします!しかし、天気が心配ですね。
圭太:そうですね。何とかやれたら……というところですが、天気ばっかりはどうしようもないのでね。
-:予報を見る限り、日曜あたりは危なさそうに映りますが、今週の話題も伺えればと思います。まず、土曜から。レースで騎乗していないものの、7R(3歳未勝利)のムスターヴェルク(牝3、美浦・加藤征厩舎)は追い切りに乗られたそうですね。
三日間開催で勝ち星量産となるか
圭太:ええ。いい感触でしたよ。比較はつかないものの、具合は良いんじゃないかと思います。
-:古作特別のランプルールは休み明けですが、前回で未勝利を脱出。松戸特別のバイタルフォースは3走ぶりのコンビになりますね。
圭太:ランプルール(牡3、美浦・萩原厩舎)はセンスのいいところが持ち味ですね。今回は芝に戻りますが、馬場をこなしてくれれば。バイタルフォース(セ5、美浦・萩原厩舎)は距離がどう出るか、そこですね。東京の長丁場で走っていたので、そんなイメージがあるかもしれませんが、もしかしたら、距離が長いから決め手の甘さもあったのかもしれません。それだけに、今回の距離(2400m)は試金石だと思います。このクラスを勝てる馬だとは思っているだけに、そこを探ってみたいですね。あくまで人それぞれ意見はあると思いますが……。
-:バイタルフォースは確かに長いところのイメージがあっただけに、福島で乗られたときも意外なジャッジをされていたことを思い出します。続いて、レインボーSのテオドールと最終レース(3歳上500万下)のロジブリランテはどうでしょうか?
圭太:テオドール(牡4、美浦・国枝厩舎)はやはり折り合いに気をつけたいところですね。テンションももともと高い馬ですし、なにせ走る気が強いのでね。道悪?それはやってみないとわからないなあ。 ロジブリランテ(牡3、美浦・国枝厩舎)は初ダートですけど、ここ2戦は未勝利を勝った時の雰囲気にないので、そこが戻ってくれていたら。
-:今週は気になる新馬もおりますが、日曜は7R(3歳上500万下)のバラダガールはコンビ継続。汐留特別のレッドジェノヴァは追い切りに騎乗されたそうですね。
圭太:バラダガール(牝3、美浦・国枝厩舎)はタイプ的にも中山替わりがプラスになると思いますし、距離も問題ないでしょう。レッドジェノヴァ(牝3、美浦・小島茂厩舎)はテン乗りですが、調教はいい雰囲気でしたよ。
戸崎騎手も評価するバラダガールは中山で初勝利を挙げている
-:初風特別のスビールアスール(牝3、美浦・武藤厩舎)は500万下勝ちを挙げられたコンビですね。
圭太:僕が乗っていませんが、2走前にも掲示板に乗っているように、このクラスでやれてもとは思います。道悪だけはどうか。やってみないとわからないところですね。
-:月曜は1R(2歳未勝利)のディーズファクター、6R(3歳未勝利)のキンナリーとどうでしょうか?
圭太:ディーズファクター(牝2、美浦・伊藤圭厩舎)はひと叩きの効果があればと見ています。キンナリー(牝3、美浦・田島俊厩舎)は少し身体がほぐれるのに時間が掛かるだけに、あまり忙しない競馬はさせられないですが、未勝利を勝てる力は持っていますよ。
-:白井特別のフローレスマジック(牝3、美浦・木村厩舎)はオークス以来の実戦となりますね。
圭太:まあ、もともと期待していた馬ですし、秋になって良くなってくれればというところです。このクラスなら重賞でやってきた貫禄を示してほしいですね。道悪に関しては大丈夫じゃないかなと。
-:最終レース(3歳上500万下)はサトノキングダム(牡4、美浦・国枝厩舎)に乗られます。
圭太:ええ、なんとか良い騎乗をみせて、勝利に導いてあげたいですね。
「もし、本番でも馬場が悪いようだと大きな不安材料になりかねないのですが、“コレなら”と思うところがあったのも確かです」
-:先週のレースも伺うと、セントウルS(G2)のメラグラーナ(牝5、栗東・池添学厩舎)は4着。これをどう捉えられたか気になりました。
圭太:率直に良馬場がいいと感じましたね。久しぶりにこんな馬場でやれて、出だしからノメったり進まないことはなく、しっかり伸びてこられました。もし、本番でも馬場が悪いようだと大きな不安材料になりかねないのですが、“コレなら”と思うところがあったのも確かです。
-:レース前にも枠の課題も挙げられていましたし、直線では少し狭いところから抜け出す形。もう少し伸びしろのある競馬でもあったのかとも思いました。
圭太:そうですね。狭いところを割って出て来ることは躊躇なく走ってくれましたが、フットワークの大きな馬だけにのびのび走らせてあげたい。もし、外に出せば、勝つまでは言わずとも、もっといい結果になったかもしれません。でも、次は中山ですからね。イメージはあります。
-:ちなみに、中間は若干調教量も増えたように映ったのですが、いかがでしたか?
圭太:その点については、常に状態のいい馬ですから、大きな変化は感じ取れなかったですが、ひと叩きしたことで、いい具合で向かってくれたらと思います。
メラグラーナは勝利とならなかったが、敗戦の中にも手応えを感じた様子
-:本番が楽しみですね。ロイヤルネイビー(牡4、栗東・大久龍厩舎)はテン乗りながら快勝でした。土曜の中山でもコパノマイケル(牡4、栗東・村山厩舎)で勝利されていますね。
圭太:メンバー的にも砂をかぶらない位置にいけるんじゃないかと見ていましたし、その通りに運べましたね。休み明けも良かったのかもしれません。コパノマイケルは前半が厳しい展開でしたが、しぶとく凌いでくれましたよ。
-:紫苑ステークス(G3)のルヴォワール(牝3、美浦・手塚厩舎)は、個人的には追い切りが気になっていたのですが、残念ながら権利を手に出来なかったですね。
圭太:勝った馬が追い出してから、スパートを掛ける形に。理想をいえば、もう少し早めに仕掛けられたらといったレースでした。
-:ルッジェーロ(牡2、美浦・鹿戸雄厩舎)は惜しくも3着でした。
圭太:まだ若さが残っていますね。集中力に欠ける分、ゲートでも後手を踏んでしまいましたが、結果的にもあの位置取りの差が響いたと思います。
-:ちなみに、近いところでは南部杯以外の予定はありますか?3歳G1路線では、今週のセントライト記念(G2)もセダブリランテス(牡3、美浦・手塚厩舎)がザ跖で回避などのアクシデントがありました。
圭太:今のところ僕も把握しきっているわけではないのですが、まだわからないですね。行くかもしれませんし、リーディングも意識しないといけませんから。決まったらお知らせ出来たらと思います。
-:何とか三日間開催を乗り切っていただき、次週もよろしくお願いします!
圭太:よろしくお願いします。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は9月22日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。