'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
JRA通算800勝も今週で達成だ!府中牝馬Sはアドマイヤリードに騎乗!
2017/10/13(金)
3日間開催から木曜の交流重賞にかけて、所狭しに駆け巡ってきた戸崎騎手だが、今週末は土日東京での騎乗。節目となるJRA通算800勝が目前、ピンポイントではあるがG1馬に騎乗と話題に尽きない一週間だ。また、11月30日の競馬ラボイベントにも出演が決定。前売りチケット発売情報など、随時当コーナーでもお伝えする予定。こちらも続報をお待ちいただきたい。
-:お疲れ様です!今週の週初めは3日間開催もありましたが、月曜が盛岡、そして、木曜日は門別競馬とお疲れ様でした。まず、ベストウォーリア(牡7、栗東・石坂厩舎)と挑んだ南部杯(Jpn1)の回顧をお願いしたいのですが……。
圭太:いい雰囲気で4コーナーまでは運べましたね。いざ!という時、他馬に2度ほどぶつけられて、そこからひるんでしまいました。仕上がりも良かったし、あの不利が痛かったです。
-:フェブラリーS以降、精彩を欠いているように見えますが、その口ぶりなら、スムーズだったらというところですか?
圭太:いやあ、そうですね。コレなら……と思っていたほどですから。後続も伸びあぐねている中、スローを好位で運んでいただけに、本当に惜しい競馬でした。
-:次は乗れないとのことですが、ベストウォーリアの今後にも注目したいです。さて、今週ですが、府中牝馬ステークス(G2)にはテン乗りのアドマイヤリード(牝4、栗東・須貝尚厩舎)と臨まれます。これは1週前追い切りに乗られたそうですね!
アドマイヤリードの併せ馬に騎乗する戸崎騎手(左)
圭太:坂路を単走でやりましたね。時計そのものはそう目立ったものではないのですが、さすが……G1馬だなと思いましたね。
-:圭太さんがこれだけのトーンで言うのも珍しいですね。調教でいい感触を掴まれたとなると、紫苑ステークスの時のビッシュなどを思い出します。
圭太:こういう馬に乗せてもらえることも光栄ですし、キッチリと仕事をしたいです。あいにくの天気になりそうですが、この馬自体は道悪もこなしているのでね。
-:メンバーは手強いですが、楽しみなところですね。土曜東京からは、7R(3歳上500万下)のレッドジェノヴァ、5R(2歳新馬)のダークリパルサーといかがですか?
圭太:レッドジェノヴァ(牝3、美浦・小島茂厩舎)は前走もいい感じで、手応えは十分。惜しむらくはもう少しスムーズに導いてあげれば、といったところ。東京替わりでも悪いイメージはありませんし、十分にこのクラスで通用する馬だと思います。ダークリパルサー(牡2、美浦・金成厩舎)は能力のある馬だと思いますよ。追い切りに乗せてもらったところ、精神的な難しさがありそうですね。そこがレースにいってどう出るか。ただ、乗り味からも先々は活躍してくるはずです。
-:土曜は白秋ステークスのロイヤルストリート、最終R(3歳上1000万下)のメイプルキングと続きます。
圭太:ロイヤルストリート(牝5、栗東・藤原英厩舎)は昨年もこのレースに出ていましたね。素直にいい馬だと思いますよ。ただ、チャンスがあるとなれば、枠、展開、馬場状態とつきまとうのは確か。それだけに、土曜の雨予報は気になりますね。メイプルキング(牡4、美浦・高市厩舎)は前走の雰囲気からは、このクラスなら上ですね。いいレースが出来るタイプだし、勝ち方も良かった。コースも合っていますよね。あとは久々の分がどうか、そこだけですね。
-:日曜に変わって、5R(3歳上500万下)のカラーラ、赤富士ステークスのモンドアルジェンテなどもいます。モンドアルジェンテはお馴染みコンビですね。
圭太:カラーラ(牝3、美浦・谷原厩舎)は昇級初戦で結果は伴わなかったようですが、未勝利はいい勝ち方。背中の雰囲気はいい感じですし、まだ相手関係を見られてないですが、メンバー次第でやれていいと思っています。モンドアルジェンテ(牡5、美浦・萩原厩舎)は少し難しいのは状態面がなかなか安定出来ないところもありますね……。スタートして一歩目でわかるような感じです(笑)。ただ、普通にやれれば力は上位だと思いますから。
-:それは、一歩目を見てから馬券を買いたくなりますね(笑)。テン乗りですが、オクトーバーSにはストロングタイタン(牡4、栗東・池江寿厩舎)に騎乗されますね。
圭太:傍から見ている分では、小回りよりも東京の方がイメージは湧きますね。トビの大きなゆったりとした走りをする馬ですから、コーナーでモタモタするようなこともなくなるのではないかと思いますよ。というのも、僕がサンマルティンに乗せてもらった小倉記念の中では、この馬が手強いとみていましたから。
-:ありがとうございます。続いて、先週の話題ですが、毎日王冠(G2)のアストラエンブレム(牡4、美浦・小島茂厩舎)はどうでしたか?
圭太:う~ん、いくら相手が強くても、あそこまで負ける馬ではないと思うんですよね。ゲートの中もうるさかったですし、状態ももう一つだったのかもしれません。直線は内にササってしまうような感じでした。ゲートも遅れたとはいえ、ジックリ運んだものの、伸びきれませんでしたからね。
-:コロマンデル(牡5、栗東・安田隆厩舎)は昇級初戦でしたが、3着。僅差ではあったものの、馬券圏内に食い込みましたね。
圭太:課題のゲートもこなしてくれて、上手く流れにのれました。昇級初戦としては上々の結果ではないでしょうか。このクラスでもやれそうですよ。
-:戦前よりもクラスにメドが立ったということですね。土曜のサウジアラビアロイヤルカップ(G3)はルッジェーロ(牡2、美浦・鹿戸雄厩舎)に騎乗されました。
圭太:う~ん、大外枠と聞いて、率直にレースの組み立てが難しいなと感じました。ただ、相応に乗れたと思うのですが、本音を言えば後ろからとはいえ、もう少し伸びて欲しかったところ。条件を変えてもいいのかもしれません。
-:サンティールやシルバーポジーはどうだったでしょうか?
圭太:サンティール(牝3、美浦・鹿戸雄厩舎)はテン乗りで未知数。映像を観ると、決め手に欠けるタイプなのかな、なんて思っていたのですが、それにしてもいい脚を使ってくれましたね。シルバーポジー(牝4、栗東・池江寿厩舎)は如何にも休み明けでした。厳しいペースではなかったですからね。
-:スプリットステップ、ムルシェラゴでも連勝を決められましたね。
圭太:スプリットステップ(牝3、美浦・和田郎厩舎)は強い競馬をみせられましたね。最後までしっかり伸びてくれましたし、プラス体重も成長分でしょう。ムルシェラゴ(牡2、美浦・奥村武厩舎)はブリンカーも多少効いていそうです。一度使ったことで上向いていましたし、身体がもう少し固まってくれれば更に良くなると思いますよ。
-:次週は菊花賞(G1)。春に騎乗されていたトリコロールブルー(牡3、栗東・友道厩舎)で臨まれますね。
圭太:次週は最終追い切りにも乗せてもらう予定です。楽しみですね。
-:そして、一応メモリアルの通算800勝も間近ですね。
圭太:ええ、そうですね。早く勝てるにこしたことはないので、頑張ります(笑)。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は10月20日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。