'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
福島・東京・東京を転戦!アルゼンチン共和国杯はセダブリランテスと挑む!
2017/11/2(木)
極悪馬場の中で行われた天皇賞・秋は、残念ながらステファノスにとって過去2度を下回る結果に。全馬同じ条件とはいえ、あれほどの状況となると、敗因も馬場に求めざるをえないところだろう。今週は金土日の変則3日間開催。日曜のアルゼンチン共和国杯ではセントライト記念で手綱を執る予定だったセダブリランテス、他にも騎乗経験のある馬とのレースが数多く控えているだけに、レースの大小はあれど楽しみな週末といえそうだ。
-:競馬場に足を運んでくれたファンもそうですが、先週は大雨の中お疲れ様でした。天皇賞・秋(G1)はステファノス(牡6、栗東・藤原英厩舎)と挑まれましたが、どう振り返られますか?
圭太:2週続けて凄い馬場でしたね……。結果については、適性の差が大幅に影響した競馬になったと思います。
-:ジョッキーはあんまり「適性」とは言わないですものね。
圭太:ええ、返し馬から滑っていて、レースでは少しでも荒れてない馬場を走らせてあげたかったんですが……。スタートからも馬場が気になりましたし、返し馬の時点でまともに走れていなかっただけに、いい馬場でやらせてあげたかったです。
-:検量室では「危ない」という声も聞こえましたが、やはり危険なものですか?
圭太:いや危ないですね。ミスステップもありますし、滑りますし。菊花賞も酷い馬場でしたが、同等の悪さでしたよ。それも含めてしっかり乗るのが騎手なのかもしれませんが。そして、また今週がどんな馬場になるかは未知数ですけど。
-:表立って惨事がなかったことでヨシとしたいところですが、今週は福島、東京、東京と乗られます。まず、アルゼンチン共和国杯(G2)にはセダブリランテス(牡3、美浦・手塚厩舎)に乗られますが、ただ、テン乗りですね。
圭太:乗りやすそうなイメージですよね。クセも特になさそうですから、しっかり乗ってきたいです。
-:しかし、乗っていない馬を評価するのも難しいですよね。
圭太:まあ、そうですね。でも、なんとなくではありますが、こうした方が良いのかな、というイメージが有る時もあれば、ない時もあり。その時々、馬にもよりますよね。
-:金曜福島の話題に移らせてもらうと、磐梯山特別のレッドジェノヴァ、西郷特別のモクレレ、河北新報杯のブラックバードと、これらは乗ったことのある馬ですね。
圭太:レッドジェノヴァ(牝3、美浦・小島茂厩舎)は最後のひと押しなんですけどね。距離も小回りも問題ないと思いますし、2走前も勝てたレースだと思うので、今度こそという思いです。モクレレ(牡3、美浦・国枝厩舎)は血統からも能力は秘めているはず。そこを引き出せれば。ブラックバード(セ5、美浦・武市厩舎)は千直に2度使っていたようですが、夏はこのコースでいい勝ち方でしたよね。以前よりも精神面の落ち着きがあると思いますから、楽しみです。
-:福島最終(3歳上500万下)のラタンドレス(牝4、栗東・山内厩舎)はどうですか?
圭太:一度乗ったきりでイメージがつかみ切れていないのも正直なところですが、末脚がいいタイプですね。ペースが向いてほしいです。
-:土曜東京から、8R(3歳上500万下)のサトノグリーン(セ3、美浦・鹿戸雄厩舎)、最終レース(3歳上1000万下)のクインズウィンダムなどはどうでしょうか?クインズウィンダムは特に能力があるだけに、惜しい感も受けました。
圭太:サトノグリーンは能力を秘めていると思うんですよね。まだ、精神面の若さがそれを阻害しているようなところもありましたが……。クインズウィンダムはちゃんと走ってくれさえすれば、このクラスにいる馬ではないのですが、ササり方が激しいので。何とかそこが直ってくれればというところです。枠や展開がどうこうというところではないですね。
-:南部特別のコウキチョウサン、ノベンバーステークスのルックトゥワイスと楽しみですね。
圭太:コウキチョウサン(牡4、美浦・和田郎厩舎)は乗りやすい馬ですからね。終いは堅実なので、そこを活かしたいです。ルックトゥワイス(牡4、栗東・藤原英厩舎)は本質的には距離も少し短い感もありますが、東京なので、間に合うはず。こちらもまだ精神的には子どもっぽさもありますが、力はありますから。
-:日曜東京8R(3歳上1000万下)のアルジャンテはちょっと久々の騎乗ですね。最終レース(3歳上1000万下)のメイプルキングは上積みが期待出来そうな存在です。
圭太:アルジャンテ(牝4、美浦・尾関厩舎)は前回、僕が乗せてもらった時にも成長を感じましたし、その後のレースぶりを観ていても、良くなっていますよね。メイプルキング(牡4、美浦・高市厩舎)は一回叩いて良くなってくると信じています。能力はこのクラスでもやれる馬ですから。
-:レース回顧もお願いしますね!天皇賞後のアディラート(牡3、栗東・須貝尚厩舎)は単騎で行けるかと思いきや、なぜか絡まれる展開。流石に厳しかったですね。
圭太:前回の小倉もそうですが、今回は他馬が前には来ないだろうと主張していったのですけどね。結果的には、周りも考えていることは同じというか、馬場を考慮して出していく分、厳しくなりますね。
-:ここに関しては、予想外の展開過ぎましたね。ボーダーオブライフ(牡3、美浦・金成厩舎)は同じ日の京都で妹が勝っていたので、戦前の印象以上に、余計に馬場はこなせるのかな、なんて思っていましたが……。
圭太:ねえ、勝っていましたね。しかし、こちらは直線で全く脚がなかったです。馬場としか言いようがないです。
-:アルテミスステークス(G3)のウラヌスチャーム(牝2、美浦・斎藤誠厩舎)はどうでしたか?
圭太:スタートも出たのですが、追走が苦しかったですね。ココからと思ったときに伸びもジリジリといったところ。良くなるのはもう少し先なのかもしれないですね。
-:ルーラーシップ産駒を見ていると、たしかにそういうところはあるのかもしれないですね。長い目で見ていきたいです。エイシンビジョン(牡4、栗東・藤原英厩舎)はペース的にも楽かと思ったのですが……。
圭太:いや、行きたくないタイプではあるんです。ひと息で走ってしまうところがありますからね。ただ、行く馬もいないし、思い切っていってしまいましたが、それが裏目。結果、思い切って下げるべきでしたよ。リズムを崩しても、ね。休み明けの分、気負っているところはありましたが、今後もまだやれる馬ですので。
-:ヒストリア(牝3、美浦・栗田徹厩舎)はどうでしたか?
圭太:ハミを抜いて走らせてあげたいと思っていました。位置取りもポンと出てくれて、理想的でしたし、楽な競馬でしたね。強かったですよ。
-:さあ、いよいよ年内も残り2月ですね。ここからの抱負も一言お願いします!
圭太:ええ、自分の与えられたところでしっかりやっていきたいですね。とりこぼしも多々ありますから。そこを少しずつ改善していきたいです。
-:来週は「別件」もありますが、そちらもよろしくお願いします(笑)。
圭太:なんか凄いことになってるみたいですね(苦笑)。僕の軽い思いつきだったのに。よろしくお願いします。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は11月10日(金)に更新予定です!
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「生うまトークサミット」特設サイト
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。