極悪馬場の中で行われた天皇賞・秋は、残念ながらステファノスにとって過去2度を下回る結果に。全馬同じ条件とはいえ、あれほどの状況となると、敗因も馬場に求めざるをえないところだろう。今週は金土日の変則3日間開催。日曜のアルゼンチン共和国杯ではセントライト記念で手綱を執る予定だったセダブリランテス、他にも騎乗経験のある馬とのレースが数多く控えているだけに、レースの大小はあれど楽しみな週末といえそうだ。

-:競馬場に足を運んでくれたファンもそうですが、先週は大雨の中お疲れ様でした。天皇賞・秋(G1)ステファノス(牡6、栗東・藤原英厩舎)と挑まれましたが、どう振り返られますか?

圭太:2週続けて凄い馬場でしたね……。結果については、適性の差が大幅に影響した競馬になったと思います。

-:ジョッキーはあんまり「適性」とは言わないですものね。

戸崎圭太

圭太:ええ、返し馬から滑っていて、レースでは少しでも荒れてない馬場を走らせてあげたかったんですが……。スタートからも馬場が気になりましたし、返し馬の時点でまともに走れていなかっただけに、いい馬場でやらせてあげたかったです。

-:検量室では「危ない」という声も聞こえましたが、やはり危険なものですか?

圭太:いや危ないですね。ミスステップもありますし、滑りますし。菊花賞も酷い馬場でしたが、同等の悪さでしたよ。それも含めてしっかり乗るのが騎手なのかもしれませんが。そして、また今週がどんな馬場になるかは未知数ですけど。

-:表立って惨事がなかったことでヨシとしたいところですが、今週は福島、東京、東京と乗られます。まず、アルゼンチン共和国杯(G2)にはセダブリランテス(牡3、美浦・手塚厩舎)に乗られますが、ただ、テン乗りですね。

圭太:乗りやすそうなイメージですよね。クセも特になさそうですから、しっかり乗ってきたいです。

-:しかし、乗っていない馬を評価するのも難しいですよね。

圭太:まあ、そうですね。でも、なんとなくではありますが、こうした方が良いのかな、というイメージが有る時もあれば、ない時もあり。その時々、馬にもよりますよね。

戸崎圭太

-:金曜福島の話題に移らせてもらうと、磐梯山特別のレッドジェノヴァ、西郷特別のモクレレ、河北新報杯のブラックバードと、これらは乗ったことのある馬ですね。

圭太レッドジェノヴァ(牝3、美浦・小島茂厩舎)は最後のひと押しなんですけどね。距離も小回りも問題ないと思いますし、2走前も勝てたレースだと思うので、今度こそという思いです。モクレレ(牡3、美浦・国枝厩舎)は血統からも能力は秘めているはず。そこを引き出せれば。ブラックバード(セ5、美浦・武市厩舎)は千直に2度使っていたようですが、夏はこのコースでいい勝ち方でしたよね。以前よりも精神面の落ち着きがあると思いますから、楽しみです。

-:福島最終(3歳上500万下)のラタンドレス(牝4、栗東・山内厩舎)はどうですか?

圭太:一度乗ったきりでイメージがつかみ切れていないのも正直なところですが、末脚がいいタイプですね。ペースが向いてほしいです。

-:土曜東京から、8R(3歳上500万下)のサトノグリーン(セ3、美浦・鹿戸雄厩舎)、最終レース(3歳上1000万下)のクインズウィンダムなどはどうでしょうか?クインズウィンダムは特に能力があるだけに、惜しい感も受けました。

圭太:サトノグリーンは能力を秘めていると思うんですよね。まだ、精神面の若さがそれを阻害しているようなところもありましたが……。クインズウィンダムはちゃんと走ってくれさえすれば、このクラスにいる馬ではないのですが、ササり方が激しいので。何とかそこが直ってくれればというところです。枠や展開がどうこうというところではないですね。

-:南部特別のコウキチョウサン、ノベンバーステークスのルックトゥワイスと楽しみですね。

圭太コウキチョウサン(牡4、美浦・和田郎厩舎)は乗りやすい馬ですからね。終いは堅実なので、そこを活かしたいです。ルックトゥワイス(牡4、栗東・藤原英厩舎)は本質的には距離も少し短い感もありますが、東京なので、間に合うはず。こちらもまだ精神的には子どもっぽさもありますが、力はありますから。

-:日曜東京8R(3歳上1000万下)のアルジャンテはちょっと久々の騎乗ですね。最終レース(3歳上1000万下)のメイプルキングは上積みが期待出来そうな存在です。

圭太アルジャンテ(牝4、美浦・尾関厩舎)は前回、僕が乗せてもらった時にも成長を感じましたし、その後のレースぶりを観ていても、良くなっていますよね。メイプルキング(牡4、美浦・高市厩舎)は一回叩いて良くなってくると信じています。能力はこのクラスでもやれる馬ですから。

戸崎圭太

-:レース回顧もお願いしますね!天皇賞後のアディラート(牡3、栗東・須貝尚厩舎)は単騎で行けるかと思いきや、なぜか絡まれる展開。流石に厳しかったですね。

圭太:前回の小倉もそうですが、今回は他馬が前には来ないだろうと主張していったのですけどね。結果的には、周りも考えていることは同じというか、馬場を考慮して出していく分、厳しくなりますね。

-:ここに関しては、予想外の展開過ぎましたね。ボーダーオブライフ(牡3、美浦・金成厩舎)は同じ日の京都で妹が勝っていたので、戦前の印象以上に、余計に馬場はこなせるのかな、なんて思っていましたが……。

圭太:ねえ、勝っていましたね。しかし、こちらは直線で全く脚がなかったです。馬場としか言いようがないです。

-:アルテミスステークス(G3)ウラヌスチャーム(牝2、美浦・斎藤誠厩舎)はどうでしたか?

圭太:スタートも出たのですが、追走が苦しかったですね。ココからと思ったときに伸びもジリジリといったところ。良くなるのはもう少し先なのかもしれないですね。

-:ルーラーシップ産駒を見ていると、たしかにそういうところはあるのかもしれないですね。長い目で見ていきたいです。エイシンビジョン(牡4、栗東・藤原英厩舎)はペース的にも楽かと思ったのですが……。

圭太:いや、行きたくないタイプではあるんです。ひと息で走ってしまうところがありますからね。ただ、行く馬もいないし、思い切っていってしまいましたが、それが裏目。結果、思い切って下げるべきでしたよ。リズムを崩しても、ね。休み明けの分、気負っているところはありましたが、今後もまだやれる馬ですので。

戸崎圭太

-:ヒストリア(牝3、美浦・栗田徹厩舎)はどうでしたか?

圭太:ハミを抜いて走らせてあげたいと思っていました。位置取りもポンと出てくれて、理想的でしたし、楽な競馬でしたね。強かったですよ。

-:さあ、いよいよ年内も残り2月ですね。ここからの抱負も一言お願いします!

圭太:ええ、自分の与えられたところでしっかりやっていきたいですね。とりこぼしも多々ありますから。そこを少しずつ改善していきたいです。

-:来週は「別件」もありますが、そちらもよろしくお願いします(笑)。

圭太:なんか凄いことになってるみたいですね(苦笑)。僕の軽い思いつきだったのに。よろしくお願いします。

(聞き手:競馬ラボ・小野田)

※次回は11月10日(金)に更新予定です!

戸崎圭太

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開催日:2017年11月30日(木)

会場:東京・LOFT9 Shibuya http://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9

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開場・スタート時間:OPEN 17:30 / START 18:30

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