'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月16日時点1567勝
シルクと新年重賞3連勝!コズミックフォースで京成杯Vなるか?
2018/1/12(金)
中山金杯・フェアリーS・シンザン記念とJRA史上初の3日開催連続重賞制覇を決めた戸崎圭太騎手。昨年は1番人気での連敗が続くなど、年始は良い成績を残せているイメージはなかったが、今年はリーディング奪還へ向けて、幸先いいスタートとなった。今週はテン乗りではあるが、京成杯にコズミックフォースと挑戦。重賞4連勝となるのか、そして、勝ち星を重ねることが出来るのか。ご期待いただきたい。
「年始が良くないのは周りからも言われていてわかっていましたし、何よりも昨年、リーディングを獲れなかったですからね。気を引き締めようと思っていました」
-:早速ですが、先週は土日月と重賞3連勝、おめでとうございました!
圭太:ありがとうございます。
-:チャンスはあるとは思ってはいましたが、そこは競馬ですから、なかなかこうも上手くいくとも思っていなかったのも本音です。ご自身としてはどうでしたか?
圭太:そうですね……。全部チャンスはあると思っていましたし、勝てるとも思っていたところはありました。ただ、馬も応えてくれたことが大きいですね。
-:例年、1月はそこまでスタートダッシュが決まっているわけでないですし、その点、1週目を終えただけではあるのですが、8勝とマズマズのスタートかと思います。
圭太:年始が良くないのは周りからも言われていてわかっていましたし、何よりも昨年、リーディングを獲れなかったですからね。気を引き締めようと思っていました。正月にお酒を飲む量も減らしたり、トレーニングも普段よりハードにやったり。
-:ただ、まあ騎手がトレーニングして、即結果が出るわけではないのが難しいところですよね。
圭太:まあ、それは言えます。結局は馬が頑張ってくれたからですよね。
-:よく「日頃の行いが」と言われていますが、その行いも競馬の神様も観ていてくれたのかもしれません。まずはシンザン記念(G3)のアーモンドアイ(牝3、美浦・国枝厩舎)はどうでしたか?
圭太:強かったですね。スタートで遅れてしまって、観ている人にはヒヤヒヤさせてしまったかもしれないので、そこは申し訳ないところでしたが。
-:ただ、以前もそういうところはありましたよね。
圭太:それにしても、ゲートで頭を下げているところで、タイミングが悪くスタートを切られてしまいました。でも、気にはなっていた馬場も全く関係なかったですね。
-:初めての輸送でしたが、テンションはどうでしたか?
圭太:ちょっと高めかな、というところはありました。ただ、今回は力が違いましたよね。
▲フェアリーS(上)、中山金杯(下)
-:続いて、日曜のフェアリーS(G3)はプリモシーン(牝3、美浦・木村厩舎)で勝たれました。
圭太:3歳の牝馬なので、リズム良く走らせてあげたいと心がけていました。少しテンションが高かったので、落ち着かせるよう気をつけましたが、いい雰囲気で運べましたし、能力を出し切れたのかと思います。
-:そして、中山金杯(G3)はセダブリランテス(牡4、美浦・手塚厩舎)で勝利。良い位置を獲れていましたね。
圭太:馬は絶好調でしたね。3~4コーナーでモタつくのは今後の課題と思いますが、あそこで差し切るのは能力の証だと思います。
-:一連を観ていても、多少モタモタするので、このペースだけにどうかなとも思いました。
圭太:その点、もう少し長い距離のほうがレースはし易いかもしれませんね。
「追い切りに乗せていただいたのですが、調子は良さそうですね。4連勝?チャンスはあると思っています」
-:今週ですが、土日は中山。京成杯(G3)のコズミックフォース(牡3、美浦・国枝厩舎)はテン乗りですが、重賞4連勝が懸かりますね!
圭太:追い切りに乗せていただいたのですが、調子は良さそうですね。4連勝?チャンスはあると思っています。
-:レースを観た感触では、どんな脚の使い方のタイプに思われますか?
圭太:う~ん、前走の感じではレースは上手だと思うんですよね。中山も初めてではありますが、こなしてくれるんじゃないかと思います。
-:同じく日曜の最終レース(4歳上1000万下)にはバラダガール(牝4、美浦・国枝厩舎)が出走。前走は乗られていませんが、2走前に勝たれていますよね。
圭太:このクラスでもやれる力はあると思っていますよ。ただ、どちらかと言えば、時計は掛かった方が良いタイプかもしれませんね。
-:日曜の初春ステークスですが、レレマーマ(牡6、美浦・国枝厩舎)に騎乗。前走は3馬身半差の快勝でした。
圭太:前走は以前よりもフットワークがよくなっていましたね。包まれたりすると、競馬が難しいタイプなので、可能であればそんな条件がほしいです。
▲コズミックフォースの追い切りに騎乗する戸崎騎手
-:土曜の中山では、メイン・ジャニュアリーSのメイソンジュニア(牡4、栗東・渡辺厩舎)は2歳時にダートで乗られていますよね。
圭太:ダートに替わるのは良いと思いますよ。僕が乗った時の比較でいえば、当時はマイルだったので、千二になるのも良いでしょう。楽しみです。
-:同じく土曜8R(4歳上1000万下)のメイプルキング(牡5、美浦・高市厩舎)はお馴染みになってきましたね。土曜5R(2歳新馬)のゲハイムヴァッフェ(牡3、美浦・伊藤大厩舎)は追い切りに騎乗されていますね。
圭太:メイプルキングは前回も千二でしたが、状態さえ良ければやれる馬だと思います。ゲハイムヴァッフェは良いモノを持っていると思いますよ。ただ、気性的に悪さをするようなところがあるので、そこが出ないといいのですが。
-:レース回顧に戻らせていただくと、ルグランフリソン(牡5、栗東・中竹厩舎)は初ダートをこなして快勝でした。
圭太:初めて乗せていただいたのですが、フットワークからもダートはこなせると思いました。出負けはしたのですが、脚も溜まりましたし、強かったですね。先々も楽しみです。
-:外目を運んでいましたが、砂はどれくらいかぶりましたか?
圭太:多少かぶった程度ですね。その点、今後の課題にはなると思います。上にいってもやれる走りだと思いますよ。
-:チェスナットコート(牡4、栗東・矢作厩舎)は道悪がプラスでしたか?
圭太:前は雨馬場が良くなかったらしいのですが、1頭だけスイスイ走っているような手応えでしたよ。
-:ちなみに、月曜の馬場状態はどうでしたか?
圭太:悪かったですねえ。稍重発表でしたが、ジョッキー同士では、不良くらいだよね、なんて声が上がっていたほどです。
-:パルトネルラーフ(牡5、美浦・高木登厩舎)は1番人気に支持されたものの、12着という案外な結果でした。観ていても敗因が掴めませんでしたよ。
圭太:スタートも出てくれて、スムーズに運べました。雰囲気は良かったですし、敗因がつかめないですね。スムーズに走らせ過ぎるとよくないタイプなのか?
-:サトノキングダム(牡5、美浦・国枝厩舎)は最内枠からのレース。今回はスタートを決めていたことに驚きました。
圭太:返し馬の時点で、最内枠だったので、スタートを出るよう気合いをつけていたのとブリンカーを着けていて、結果的にそれが裏目でしたね。気が入りすぎてしまいました。
-:今週は重賞4連勝なるか、というところですが、次週は中山での騎乗ですか?
圭太:中山になります。それと、24日(水)はTCK女王盃(Jpn3)でミッシングリンク(牝4、美浦・斎藤誠厩舎)に乗せていただく予定です。
-:にがおえコンテストもそろそろ締め切りですので、皆さんのご応募、お待ちしております。
圭太:よろしくお願いします(笑)。
※※競馬ラボからのお知らせです。現在、戸崎圭太騎手にがおえコンテストを開催中です!優勝者には賞金3万円+イラストのグッズ化の賞品つき。また、参加者賞もタップリ用意していますよ。年齢、経験不問。プロ・アマ問わず、誰でも参加出来る企画です。詳しくは特設サイトから応募方法をご覧ください⇒
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は1月19日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。