'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
クイーンCはマウレアに重賞初タイトルもたらせるか?3日競馬は小倉&東京参戦!
2018/2/9(金)
3日間開催の今週は騎手人生2度目となる小倉での騎乗に始まり、小倉と東京を転戦する戸崎騎手。中でも月曜のクイーンCは、デビュー3戦して手綱を執っているマウレアに騎乗するが、日増しに近づく桜花賞へ向けて弾みをつけられるのか。また、久々の読者への質問コーナーもお見逃しなく(詳しくは文末で)。
「(マウレアの追い切りは)率直にいい印象を受けましたよ。馬の調子が良いことは間違いないと思います」
-:今週は3日間開催ですが、土曜が小倉、日曜&月曜が東京になりますね!そもそも小倉で乗られることは過去1度のみ。非常に珍しいですね!
戸崎圭太騎手:そうですね。金曜から入る予定ですが、ルームに入る前は食事をしてから入ろうと思うのですが、小倉は食事もおいしいイメージですね。といっても、競馬終わりではないのでゆっくりする暇もないのですが……。
▲1月31日、マウレアの1週前追い切りに騎乗する戸崎騎手
-:レースの話題となりますが、共同通信杯(G3)のジャックローズ(牡3、栗東・斉藤崇厩舎)は残念ながら回避。一方、クイーンC(G3)のマウレア(牝3、美浦・手塚厩舎)は先週も追い切りに騎乗されたそうですね。
圭太:率直にいい印象を受けましたよ。馬の調子が良いことは間違いないと思います。もちろん前回もG1ではあるのですが、その前後でも他の馬はレースを重ねてきて、今回もなかなかメンバーが揃っている感もありますからね。その中でどんな競馬が出来るか。
-:阪神マイルと大きな差があるとは思いませんが、東京マイルは2戦2勝の舞台ですね。
圭太:そういうコースは合っているでしょうからね。そこは心配していないというか、良いところですね。
-:前回を改めて振り返ってもらうと、追ってからの反応など、もう一つ動ききれていないように映りました。いかがでしたか?
圭太:前哨戦を使ってきた割に集中力が散漫というか、走りきれていない印象を受けましたよ。今回、追い切りも良かったですし、その辺が解消してきてくれると……。ペースの違いに戸惑ったのもあるかもしれませんからね。
-:もしかすると、初めての関西圏での輸送競馬というのも?
圭太:あるかもしれないですね。スタートしてからもモタモタしていて、追いつくのがやっとでしたから。桜花賞にもつながるステップレースですし、周りもまた力をつけていますから、その中でどんな競馬をみせてくれるのか、出来るのか楽しみにしています。
-:その他のレースも伺いたいところですが、土曜小倉は全頭テン乗りですね(苦笑)。日曜の東京はバレンタインSにルグランフリソン(牡5、栗東・中竹厩舎)が予定。こちらは開幕週の京都で快勝しましたね。
圭太:条件替わりは良い方に向いたようですね。上にいってもやれる手応えはありますが、なにせモマれるところがなかったのは未知数でもあります。以前に東京でダートを使ったときも出遅れて、モマれるような競馬ではなかったでしょうから。
-:月曜東京ですが、3R(3歳未勝利)のフロリアヌス(牡3、美浦・武藤厩舎)は前走がダート替わりでも好走。6R(3歳500万下)のイダペガサス(牡3、美浦・高柳瑞厩舎)は負かした相手がその後にも2連勝しています。
圭太:フロリアヌスはダートで走ってくれましたからね。相手や展開次第で引き続きチャンスがあるのではないでしょうか。イダペガサスは追い切りにも乗せてもらったのですが、素軽さが出てきて、これは楽しみですね。デビュー前の追い切りより、明らかに良くなっていました。
-:7R(4歳上500万下)のランプルール(牡4、美浦・萩原厩舎)、最終レース(4歳上1000万下)のジェイケイライアン(牡6、美浦・松永康厩舎)と騎乗経験がありますね。
圭太:ランプルールはダートならやれて良いと思います。ジェイケイライアンは乗せてもらうのは久々ですが、このクラスでも良い競馬をしていますからね。
▲ダートで連勝が懸かるルグランフリソン
-:レース回顧もお願いします!東京新聞杯(G3)のハクサンルドルフ(牡5、栗東・西園厩舎)は6着という結果。こちらはいかがでしたか?
圭太:状態の良さは感じました。馬群での競馬が出来るかどうか、という考えもあったのですが、結果、この馬の形で競馬をしたのですが、どうしても自分で競馬をつくれないところがありますからね。ただ、成長はしていると思いますよ。
-:ウラヌスチャーム(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)、ゴールデンブレイヴ(牡5、美浦・木村厩舎)などはどうでしたか?
圭太:ウラヌスチャームは前回僕が乗せてもらった時よりも着実に前向きさが出てきていました。強いて挙げれば坂が得意ではないかもしれません。しかし、牝馬ながら、この時季にこの距離を走ってくれるあたりは簡単なことではないですからね。ゴールデンブレイヴはレース映像をみていても、モマれ弱さを感じていたのですが、砂を被らない位置での競馬も意識はしたものの、外に速い馬がいた分、あの形に。乗り味は人気を集めるだけのものを感じましたが、モロさが出てしまいましたね。
-:レッドジェノヴァ(牝4、美浦・小島茂厩舎)は戦前も評価が良かった馬だと思います。
圭太:期待していたんですけどねえ。厩舎にも聞くところ休み明けは良くないとも言っていましたが、それにしても負け過ぎな気も……。ただ、前回の勝ち方を考えると、ここでやれてもいい馬だと思いますからね。
▲着差以上に強い勝ち方を見せたクラークキー(上)
▲後方、大外から豪快に差し切ったアモーレミオ(下)
-:先週日曜はクラークキー(牡4、美浦・池上弘厩舎)、アモーレミオ(牝3、美浦・勢司厩舎)で2勝されましたね。
圭太:クラークキーは心配していたテンションがなんとかもってくれました。ゲートも落ち着きがありましたし、力を証明できたのかと。前回は返し馬からパニックのようでしたからね。アモーレミオも力通りに走ってくれましたね。相変わらずゲートの不安はあるのですが、スタートさえ良くなってくれれば、競馬の幅も広がっていきそうです。
-:先週土曜も2勝。プリームムロジンカ(牝3、美浦・高橋裕厩舎)は一旦交わされながらも差し返しました。
圭太:スタートはすごく良かったですね。ハナで競馬を進めて、一度交わされたのですが、しぶとく伸びてくれました。まだ、気性の幼さもあるので、これから成長してくれるといいですね。
-:ミスターメロディ(牡3、栗東・藤原英厩舎)は2勝目をマーク。馬場もあるのでしょうが、時計も速かったですね。
圭太:勝ったコースでしたし、自信を持って乗れました。1400までなら、いいスピードがありますね。
-:ちなみに、芝の適性はどうなんでしょうか?
圭太:ええ、ちょっと試してみたい感はありますね。
-:さて、読者から質問が来ております。ペンネーム・平成の殿一騎さんより「地方競馬で乗る際と中央での騎乗する時は、馬具などの違いはありますか」とのことです。
圭太:う~ん、特には替えることはありませんね。
-:続いてペンネーム・みちかさんより「戸崎騎手は素足派だと聞きました。この冬はかなり寒い日が続いていますが、それでも素足で過ごしているのですか?」という質問です。
圭太:基本は素足ですが、スーツなら靴下を履きますし、それ以外、冬でも短い靴下を履くだけです。好みの問題ですね。
-:ということですが、なぜか先週は珍しく質問の数が来ておりません。まだまだ募集中ですので、是非ご投稿ください。それと、第3回にがおえコンテストの受賞作品ですが、2月12日(月)に発表させていただきます。もうしばし、お待ちください!
そして、いよいよ次週はフェブラリーS(G1)ですね!こちらはサンライズノヴァと挑まれますが、ダイヤモンドS(G3)はプレストウィックとのコンビ。来週もよろしくお願いします。
圭太:よろしくお願いします!
※ここで編集部からのお知らせです。にがおえコンテストに続いて、今度は皆さんからのメールを募集いたします!
テーマは2つあります!まず1つ目は「戸崎騎手への質問」。競馬にまつわるもの、プライベートなど、内容は何でもOKです(もちろん編集部がチョイスさせていただきます)。
続いて2つ目は「アナタが知っている戸崎騎手の馬券の狙い目」。JRAでも3年連続リーディングを獲ったように、常に人気馬に乗ることの多い戸崎騎手ですが、オレならこういった馬で馬券は狙う、このコースなら絶対に押さえるなど、皆さんが戸崎騎手を馬券で狙うときの予想スタンスを教えてください!質問された方から、抽選で5名様に「粗品」をプレゼントいたします。
応募はメールで、件名に「週刊!戸崎圭太係」と明記の上、「お名前(ペンネーム)・年齢・ご住所・お電話番号・競馬ラボ登録ID(メールアドレス) ・募集内容」をお書き添えいただき、以下に送信ください。
締め切りは2月16日(金)まで。たくさんのご応募をお待ちしております!
※いただいた個人情報はプレゼントの発送以外の目的では使用しません。
※お客様の個人情報は責任を持って厳重に管理しております。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は2月12日(月)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。