'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
日経賞はゼーヴィントが復帰&日曜阪神は有力馬ズラリ!
2018/3/23(金)
残念ながら高松宮記念の騎乗は叶わなかったが、今週は土曜中山、日曜阪神と転戦。特に日曜は、テン乗りで未知数な部分もあるものの、これまでのうっぷんを晴らすだけのラインナップが揃った一週間ではないだろうか。次週は大阪杯でサトノダイヤモンドに騎乗するだけに弾みをつけたいところ。土曜もゼーヴィントが復帰と待望の一鞍もある。気候的にも春の到来を感じる今日このごろ、戸崎騎手もエンジン全開となることを期待したい一週間だ。
●5戦オール連対と好相性、戦列復帰ゼーヴィントと日経賞へ!
-:今週は土曜が中山で、日曜が阪神で乗られますが、日曜日はなかなかチャンスが多そうですね。まずは日経賞(G2)のゼーヴィント(牡5、美浦・木村厩舎)は七夕賞を制されてから、骨折が判明して、ここが復帰戦となりますね。
圭太:重賞でも好走実績がありますし、鉄砲実績もあるのでね。楽しみなところです。距離もこなしてくれるのではないかと思っています。
-:3歳時と去年勝たれたわけで、成長や変化していったと感じられる部分はありましたか?
圭太:一戦一戦力も付けてきているし、精神的にも落ち着いてきていますね。あとはセントライト記念などでも走っていますが、中山になるとレースもタフですからね。そこを克服してくれれば。
▲前走5ヶ月ぶりの七夕賞を制したゼーヴィント
-:ラジオNIKKEI賞の時は内枠から捌いてこられましたが、内外どちらの方がレースはしやすいといった希望はありますか。
圭太:う~ん、どちらかといえば内枠の方が位置は取りやすい気はしますけどね。ただ、器用か不器用かといえば、そんなに器用な馬ではないので、4コーナー手前からペースが上がってバラける方が良い感じですね。
-:中山の芝の今の状態はいかがですか?
圭太:その日によって、ちょっと読みにくいところがありますが、今週はそろそろ外になってくるのかなとは思います。
-:時系列とは逆行しますが、日曜阪神の六甲ステークスのハクサンルドルフ(牡5、栗東・西園厩舎)は2走前の重賞(東京新聞杯6着)でも乗られていますね。
圭太:展開に左右されてしまうことがあるかもしれないですが、末脚は良いモノを持っています。持ち前の武器=末脚を活かしたレースをしたいと思っています。幸い2走前と比較すると、相手関係も楽になりますからね。
-:(3歳未勝利の)レーヴドリーブ(牝3、栗東・高野厩舎)は未勝利に乗った時が惜しい競馬でしたね。
圭太:ええ、力のある馬ですね。前走を観ていると、徐々に競馬を覚えてきたと見受けられるので、チャンスはあると思います。血統的にも評価の高い馬でしょうからね。
-:ちなみに、血統馬といえば、先週の阪神の未勝利を勝ったジェンティルドンナの妹(ヴィルトゥース)は観ていましたか?余談ですが、気になりました。
圭太:観ていましたね。似ている部分とかは客観的に見る限りわかりませんが、やっぱり初出走で勝つのだから、センスを感じるし、能力の高さを証明していますよね。
-:土曜中山に移りますと、(3歳未勝利の)ディアバビアナ(牝3、美浦・高橋裕厩舎)は惜しい闘いが続いています。
圭太:毎回走ってくれて、早く1着が欲しいですけどね。しかし、以前も言ったように、やっぱり(東京の方が)良い走りをしているのは感じます。
-:(3歳500万の)スワーヴエドワード(牡3、美浦・国枝厩舎)なのですが、新馬戦以来の騎乗となりますね。
圭太:新馬後はやっぱり折り合いを欠くというか、前向きさが強くなってきてしまったみたいなので、気を付けて乗りたいですかね。前向きなところは、新馬の時はそれほど感じませんでしたが、1回使ったらそうなる気配はあったのでね。
-:ダート適性はどうなのでしょうか?
圭太:う~ん、どうなんだろう。
-:そういう気持ちの面で課題があるという馬は、やっぱり砂を被った時の脆さというのも可能性としては大きいのですか?
圭太:まあ、そうですね。あとは、ダートと芝でフットワーク的なものじゃないですか。新馬の走りだけでいえば、芝の方がフットワークは合いそうですが。
-:(春風Sの)スズカグラーテ(牝4、美浦・柄崎厩舎)は昇級後こそもう一つですが、チャンスがあってもいい馬に思えます。
圭太:福島で2着だった馬ですね。その後も連勝して、センスは良い馬でしたね。
●共に「負けた」と思った大接戦のスプリングS
-:先週のレース回顧もお願いします。スプリングS(G2)で2着のエポカドーロ(牡3、栗東・藤原英厩舎)は勝ちに等しいほどの惜しい着差でしたね。
圭太:馬はドッシリしていて、良い感触でしたね。思った通りのレース運びは出来たのですが、あの差だともう少し仕掛けだったり、道中の感じだったり、色々考えさせられたレースでした。
-:僕は良いレースと思ったのですが、多分そうおっしゃられると思っていました。
圭太:まあ、そうですね。
-:気配や状態に関しては、小倉(あすなろ賞)の時と比較してどうでしたか?
圭太:良くなっている感じはありましたね。
▲皐月賞もエポカドーロと挑むことになった
-:ペースとか位置取りに関しては、コスモイグナーツが行って、2番手で、という作戦だったと。
圭太:はい。それに、直線も少し外の進路をとろうとは考えていました。
-:ペースはそれなりに流れていたと思うのですが、2番手集団以降に関しては、割と遅めのペースでした。2戦乗られて、この馬の理想の展開、どういったレースが理想ですか?
圭太:こういう形の方が良いと思いますね。終いもいい脚は持っていますからね。
-:(4歳以上1000万下2着の)テイエムコンドル(牡7、美浦・石栗厩舎)はもうちょっとだったですが、いかがでしたか?
圭太:前半はちょっと付いていけない感じでしたが、終いは反応良く伸びてくれましたし、勝っていれば一番良かったですね。
-:(幕張S2着の)プロディガルサン(牡5、美浦・国枝厩舎)は久々でしたけど、どうでしたか?
圭太:ここも考えさせられるレースでしたけど、もう少し良いアプローチが出来れば良かったと思いますね。
-:これは、直線を見ていると、馬も気を抜いていましたし、坂もあんまり走りやすくない感じがしたのですが。
圭太:まあ、それも踏まえて、という感じじゃないですか。乗り方次第だったと思うので、反省しなくてはいけません。
-:(3歳500万下1着の)アイスフィヨルド(牡3、美浦・武藤厩舎)はどうでしたか?
圭太:テンションがすごく高かったのですが、レースに行ってすごく落ち着いて走ってくれましたね。差し返しもしてくれましたし、渋太い競馬でしたね。
-:あの着差は勝ったという手応えはありましたか?見ている方はわかりませんでしたよ。
圭太:出ている気はしましたけどね。ミルコもそう言っていましたし。
-:スプリングSの時はどうでしたか?
圭太:あっちは負けたと思いましたが、クリストフ(ルメール)も「負けた」と言っていましたけどね(笑)。
-:(3歳未勝利2着の)カガスター(牡3、美浦・高市厩舎)は直線で勝ったと思いました。
圭太:ええ、前走よりも上手くいったんですけどね……。
-:勝ち馬(アドマイヤヒビキ)はもっとスタートも悪かったですし、外を回っていましたしね。(恵那特別8着の)キタサンガンバ(牡5、美浦・小笠厩舎)はどうでしたか?
圭太:ちょっとハミ取りが良過ぎましたかね。もう少し力みなく走れたら良かったですね。前回よりもそういうところがありました。
-:ファルコンS(G3)で7着のダノンスマッシュ(牡3、栗東・安田隆厩舎)はどうだったでしょうか?
圭太:ゲートがちょっと出ていけなくて、後ろからになったのですが、良い脚を持っているからと思っていたのですが、伸びがもう一つでしたね。素質はある馬だと思うのですが。
●続・読者からのQ&A!戸崎圭太の「弱点」が明らかに!?
-:最後に、読者からの質問が来ています。(めぐ太さんより)けど「競馬についてではなくていいので、弱点を教えてください」という質問です。
圭太:一杯あると思いますけど。高いところは苦手です。
-:その割に、馬上は高くないですか?
圭太:別に、馬上は大丈夫ですけどね。下がガラス張りになっているとかは最悪ですね。観覧車も好きじゃないです。
-:東京タワーやスカイツリーで下の透けるようなところは無理ということですね。
圭太:全然無理ですね~。
-:(さゆさん)より「長い休みが取れたら、どこに行きたいですか?」という質問も来ております。
圭太:この間のイベントでも言ったのですが、世界遺産はちょっと観に行ってみたいですね。どこがというのはないですけど。たまにテレビなどで観ると、圧倒されるので。
-:引退した後という感じですかね。
圭太:はい。
▲2018年カレンダー撮影のワンカット(私服)
-:(ミクさんより)「好きな服のブランドはありますか?」という質問です。
圭太:いや、マチマチなので分からないですね。
-:それはあまり言いたくないということですね。
圭太:それもあるし、センスもないですから。
-:去年もカレンダーを撮る前は、自分で私服と言っていたのに、当日になったら「私服は持っていない」と言っていたので、多分言った手前、実際にやってみたら恥ずかしいんだろうなという。
圭太:まあ、そうですね。あんまり量を持っていないからね。
-:僕は男性であまりコロコロ変わってもという感じはしますけどね。これは色々な人からありましたが、逆に「最近買った服はありますか?」という質問です。
圭太:セットアップで買いましたね。
-:量を持っていないと言いつつ、買っているというやつですね。次週は土曜が中山、日曜は大阪杯ということで、注目度の高い一週間と思います。また、来週もよろしくお願いします!
圭太:よろしくお願いします。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は3月30日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。