'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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レース当日は誕生日!七夕賞3連覇&バースデーV目指せ!
2018/7/6(金)
福島開催2週目は、夏の名物レース・七夕賞。今年はテン乗りのサーブルオールと挑む戸崎騎手だが、自身は2連覇中のレースということもあり、好相性の一戦。しかも、レース当日7月8日は38歳の誕生日。台風の影響により、馬場悪化が予想されるが、晴れやかな結果となるよう期待が膨らむ週末へ、手応えのほどを語ってもらった。
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-:今週は引き続き土日ともに福島競馬場での騎乗となりますね。目玉は七夕賞(G3)となりますが、サーブルオール(牡5、美浦・萩原厩舎)は調教でも乗られておらず、テン乗りになりますね。
圭太:初騎乗だけに、なんとも未知数ですが、前走は古馬になってから重賞初挑戦(エプソムC4着)でも、力を証明する走りを見せていました。福島コースは初めてですが、右回りや4つコーナーもやっていますから、期待できる一頭かなと思います。
-:タイプ的にはペースが上がった方が良いのかなという感じがするのですが?
圭太:う~ん、どうなんだろうねぇ。これはあくまで印象ですが、あんまり速くても、ダラダラっとしちゃうんじゃないかなとイメージはありますけどね。
-:今年はペース的にどうなるでしょうか。
圭太:どうなんだろうなぁ。まだ枠も出ていないですけど、遅くなることはないんじゃないかなと思いますけどね。
▲2016~2017年と七夕賞を連覇するなど夏の福島の重賞とは好相性
-:日付的にも勝ちたいですね…。
圭太:そうですね(笑)。プレゼントをもらえるかもしれません。
-:ファンが集結しているかもしれないですね。
圭太:ハハハ。毎年、その前後の開催では色々いただいていて、ありがたい思いです。なんとか結果で応えられれば。
-:同じく日曜では、天の川賞のディアドナテロ(牡6、美浦・高橋裕厩舎)はちょっと久々の騎乗ですね。
圭太:ずいぶん前ですけど、すごく乗りやすいし、賢い馬なのでね。コーナー4つの小回りコースは合っていると思いますよ。むしろ4つコーナーの方が良いと思いますね。
-:彦星賞のヴェルスパー(牝3、美浦・加藤征厩舎)は昨秋の福島で乗られていましたね。
圭太:力はある馬なので、あとはゲートのテンション、当日の気配が重要になってくるかと思いますね。
-:日曜の新馬では、武市厩舎のダズリングビーチ(牝2、美浦・武市厩舎)という2歳馬には乗られていましたか?
圭太:雰囲気は良さそうですよ。ただ、1200(牝馬限定)なので、距離がどうかという感じがするのも本音です。
-:新馬でいえば、土曜福島の奥村武厩舎のプラチナポセイドン(牡2、美浦・奥村武厩舎)にも乗られていたようですね。
圭太:こちらも1200で距離が…どう対応出来るかなという感じかな。ただ、能力はあると思っていますが。
-:今週はイベントのレポートもありますし、全体的にサラっとした内容になりますが(苦笑)、先週のラジオNIKKEI賞(キボウノダイチ)はテン乗りで逃げて3着。ペースを考えれば強い内容だったと思います。
圭太:イメージだけでしかなかったので、跨った感覚を大事にしたいと思っていました。まだ緩さはありますけど、その中でも馬はしっかりしている感じでしたね。勝ってきたのも頷ける雰囲気がありましたし、レースは先に行きたいなと思っていたのですが、メイショウテッコンが内枠でしたから、あの馬がハナに行って、僕は2番手くらいが理想かと思っていました。トップスタートを切ってくれて、思ったよりも良いレースが出来た感じはしますね。
-:特にハナにこだわっていた訳ではないですけど、やっぱりメイショウテッコンよりも、テンのスピードの乗りが速かったということですね。
圭太:ええ、良かったですね。
-:ペースは割と速かったと思いますけど、その辺はいかがですか?
圭太:前半はやっぱり外から来られたのでね。ただ、あそこまで行ったら、ハナを主張したかったので、その分、ちょっと速いかなと。
-:でも、前にいる馬はほぼ沈んでいる訳ですから、そういう意味では頑張っていたと思いますけど、タイプ的にはこういう小回りで(ペースが)苦しめでも、速い脚を使うよりはこういう感じのレースの方が良いですか?
圭太:今は良いですよね。何か奥もありそうな感じで、またしっかりしてくれば、さらに良くなる感じがしますけどね。
-:ちょっと重複しますけど、精神的な部分とかはどうですか?
圭太:ちょっとテンションが上がりやすいところはありますけど、それがレースに行って難しくなっているかと言うと、そんなことはないので。まあ、落ち着いた方が良いでしょうけどね。
-:現地の写真を見ていると、引き揚げてきた時に笑顔が多かった気がするのですが、何かあったのですか?
圭太:特に何もないですけどね…。負けているのに笑って申し訳ないなという感じですけど…。厩務員さんは初対面でしたが、何かすごくノリの良いスタッフさんで、ずっとしゃべってはいましたね。助手さんも明るい方で。
-:そういうことですね。(3歳上500万下2着の)プレゼンス(牡4、美浦・田中博厩舎)はあと一歩だったですね。
圭太:そうですね。馬の調子も良かったので、勝ちたいところでしたけどね。
-:映像を観たら、なかなかこれは厳しいんじゃないかと思っていたのが、(12着の)ガーデンコンサート(牝2、美浦・尾関厩舎)。1番人気に支持されていましたが、いかがでしたか?
圭太:そうです。追い切りでけっこうヨレていたので、レースに行ってどうかと思ったら、レースでは大丈夫だったんですけど、逆に今度進んでいかなかったので。ちょっと力を出し切れていないですよね。
-:馬の癖ですか?
圭太:気性もあるかもしれないですね。
-:(テレビユー福島賞7着の)アドマイヤナイト(牝6、栗東・梅田智厩舎)は時計が速かったのがしんどかったですか?
圭太:そうですね。ちょっと(手綱を)持つ余裕もなくて、促す感じになってしまいました。終始、ダラダラと走っちゃった感じですね。
-:このクラス(1600万)であれくらいの時計(1分7秒1)だったので、さすがに速かったのかなという感じがしますからね。今週は雨が降るか、降らないか分からないですけど、そんなに時計の速さは変わらないですか?
圭太:そう思いますね。馬場が決して硬いわけではないのですが。
-:(猪苗代特別2着の)イダペガサス(牡3、美浦・高柳瑞厩舎)はどうでしたか?コーナー4つや右回りなど懸念される材料もあったと思います。
圭太:久々に乗せていただいて、楽しみだったんですけどね。負けはしたんですけど、レースはすごく上手でした。コーナー4つでも、右回りでも上手に走ってくれていたので、良かったかなと思いますけどね。最後の直線でもう少し弾けても良いのかなというのもあるので、距離なのか…というところです。
-:やっぱり全体的に、コーナー4つがダメ、右回りがダメだったりするゴールドアリュール産駒の傾向というのはありますか?
圭太:あんまりそんなイメージはないですけど、確かにね。(サンライズ)ノヴァもそうですしね。エピカリスもそうなのかな。パッと出てくる中では、確かにそういうのが多いのかなというのはありますね。
-:走っていて、走りとかフォームで特に思い当たることはなかったですか?
圭太:ええ、そういうのは特にはないですね。
-:(3歳以上500万下牝馬限定戦1着の)ヴェロニカグレース(牝3、美浦・武市厩舎)はいかがでしたか?
圭太:僕が未勝利で勝たせていただいた時は、もっと馬に余裕があったというか、ちょうど良い遊びもあったので、距離も持ってはいました。以降は、ゲートも速いですし、そこから前半真面目になり過ぎるところもあるので、その辺は気を付けていましたけど、福島の1800というのも良かったんでしょうし、最後までしっかり走ってくれましたね。
-:レース前は「マイルくらいでも良いんじゃないか」と言っていたと思うんですけど、今回走って、そこら辺はいかがですか?
圭太:やっぱりマイルくらいが良いと思います。ただ、条件は付くと思いますね。
-:(3歳上500万下の)アルスラーン(牡3、美浦・小西厩舎)は2着。一連よりは進境が窺える内容でしたね。
圭太:随分レース振りは安定して走っていましたね。左回りだとちょっと左にモタれて、ちょっと乗り辛いところがあるんですけど、右回りだと上手に走っていたので、成長を感じましたね。
-:久々の福島はいかがでしたか?
圭太:相変わらず難しさもあるし…というところですかね。暑さは大変ですよね。ただ、今年は梅雨も明けたせいか、湿度が楽なので、僕は例年よりも良いかなと思いますけどね。
-:先週の天候に関しては、ということですね。今週はどうなるか分からないですからね。ちょっと小ネタを伺えればと思いますが、バレットの方々もジョッキーと遠征するわけじゃないですか。土曜日は他のバレットの方と食事に行ったりするのですか?
熊野マネージャー:バラバラですね。ただ、ローカルが始まったら、結局はみんなで飯に行きましょうか、というのが1回くらいはあったりしますけどね。
圭太:帰らない訳ですからね。みんなその界隈に泊まる訳ですからね。
熊:ただ、基本は決まった人や時間が合った人と行ったりしますね。毎年行っているので、美味しい店や名物なども把握していますからね。バレットはそんなにお酒を飲む人が少ないし、次の日も仕事があるから。
-:バレットさんの出勤は何時くらいなのですか?
熊:朝は早いですよ。7時くらいには行きますね。
-:それは早い。
圭太:2時間前とかでしょ?何をするの?
▲熊野マネージャーはバレット以外の仕事も含め、ジョッキーを支えている
熊:準備。日曜日は土曜日にだいたい準備して帰るから、それでも1時間前の8時とかですよ。勝負服を準備して、帽色を着けて、ある程度やって、早い騎手は8時半くらいから取り掛かりますからね。
圭太:そんなに掛かるの?1時間あれば大丈夫じゃないの?
熊:いやいや、俺なんかは大丈夫だけど、2人、3人やっている訳だから。
圭太:そうか、そうか。
熊:1人に1人じゃないから。やる人は3人やっている訳だから、早くから来て準備しないとね。勝負服をチェックしたりするだけで1時間なんて、アッという間だよ。大変だよ。7時前からいる人もいるよ。俺が7時過ぎに行ったって、いるもんね。
-:移動がある日は大変ですね。土曜日乗って、日曜日に長距離を移動して。
熊:遠征先だと、結局早く行かないといけないからね。5時半くらいから起きて、7時半に検量室に行って、まずは場所を取らなきゃいけないし、そこから荷物を開けて、鞍を準備して、普通に1時間くらいは。俺は1時間くらいでやっちゃうけど、念のために早めに行くというか、あと大体30分くらいは飯を食ったりして。新潟も結局、競馬場が遠いので、あとはみんなと乗り合いでタクシーに乗りますから、早い人に合わせたりするので。だから、レンタカーを借りたり。
-:ジョッキーも移動が極端に増えたり、滞在で全く移動のない人もいる時季ですが、バレットの方々の仕事にも変化があるということで。今週はバースデーVとなるよう、頑張ってください。
圭太:ありがとうございます。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は7月13日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。