'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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1月27日時点1583勝
中京記念はリライアブルエースに騎乗!開催最終週も連勝なるか?
2018/7/20(金)
先週は土曜3連勝、日曜2連勝に成功した戸崎騎手。今週は早くから決まっていたという中京記念参戦で、土日で転戦することになる。ここ2、3年と比較すると、勝ち星のペースは思うように上がってこないことは事実だが、その分、重賞での活躍となるか。リライアブルエースとのコンビを中心に、今週末の活躍も期待したいところだ。
-:先週は土日ともに福島での騎乗。今週は土曜が福島、日曜が中京となりますね!今回はまず、レース回顧からいただきたいのですが、先週は5勝を挙げられました。スマートレイチェル(牝4、栗東・西園厩舎)はどうでしたか?
圭太:初めて乗せていただきましたが、スピードのある印象。それを活かした競馬をしたいと思っていました。主張をしようかと思ったものの、結果的に2番手からに。少し気を遣っている感じでしたが、気を抜きそうなところもあるので、早めに踏んでいきました。最後までしぶとかったですね。
-:ダノンポピー(牝3、美浦・尾関厩舎)は初めて特別戦に出走。条件も替わって難しいレースでしたね。
圭太:前走よりもテンションが高かったですね。
-:確かに、ゲートを切る際、ゲートの中で暴れている素振りがみられましたね。
圭太:レース自体は上手に走ってくれたので、カバーできたのですが、詰めて使うとこういうリスクはまだあるのかなと思います。しかし、馬は着実に力をつけていっていますし、今後が楽しみな馬だと思いますね。
-:ダウンタウンキラリ(牝3、美浦・池上和厩舎)はこの暑さの中、連闘での勝利でしたね。
圭太:テンションこそ高かったものの、これは返し馬からよくなっていると実感しましたねえ。走りっぷりもよかったです。
-:パルクデラモール(牝3、美浦・鹿戸雄厩舎)は東京芝2400m戦で3着。コース替わりにも対応しました。
圭太:前回は距離も長い感は受けましたし、ちょうどよかったと思います。まだ走りはフラフラするようなところもあるので、もう少ししっかりしてくればと思います。素質はある馬だと思うので。
-:オーケストラ(牡3、美浦・斎藤誠厩舎)は快勝でしたね。
圭太:現段階ではダートのほうがいいのかもしれませんね。まだ、砂をかぶるようなところもありませんが、素質の違いで勝ってくれました。血統的にも楽しみにしていましたが、強かったですね。
-:連闘というポイントでは、日曜最終のグラスブルース(牡4、美浦・牧厩舎)は同じく連闘。暑さがこたえたのでしょうか?
圭太:いや、状態面よりも気の悪さを出してしまいましたね。外枠だったのもマイナスだったと思います。
-:気の悪さと同じ要因かはわかりませんが、ミッシングリンク(牝4、美浦・斎藤誠厩舎)は大きく躓いて落馬寸前でした。
圭太:条件は合うと思っていただけに残念ですね。普通なら、ゲートを出るときの気配は察知できるものですが、今回に関してはまったくそういうところを感じ取れませんでした。ただ、気性が悪かったというわけではなく、人間でも躓くような偶発的なもの。あれだけのロスがありながら、あの着順だったのでね。惜しい限りです。
-:新馬のソークアップザサン(牡2、美浦・奥村武厩舎)は惜しい2着でしたね。
圭太:前半はモタつくところがあったのですが、後半はしっかり伸びてくれました。使って良くなりそうですし、次回も楽しみです。
-:今週は中京記念(G3)、リライアブルエース(牡5、栗東・矢作厩舎)に騎乗されますが、早々と騎乗が決定していた印象です。前走の競馬でいい印象はありましたか?
圭太:そうですね!前走も差のない競馬ができていましたから。今回は斤量の54kgで、ハンデの恩恵もありますからね。
-:やっぱりディープインパクト産駒は比較的、いい印象というか好きなタイプが多いんじゃないですか?
圭太:まあ、そうですかね。乗りやすいイメージがあります。
-:前走の京王杯スプリングカップは直線でも馬群が動いて、一旦切り返すロスがありました。別定の重賞初挑戦で0.2秒差なら、重賞でもメドが立ったのではと思います。
圭太:僕としてはそこよりも、前半急がせ過ぎたのが反省ですね。いい脚を持っているので、もう少し溜めていってもよかったと思います。
-:中京の芝はだいぶ荒れていますが、馬場や距離はどうでしょうか。
圭太:こなせるんじゃないですかね。距離は映像を見る限り、ハミを噛むようなところはあるのですが、前回乗る限りは問題ないのかなと。強い相手もいますが、いい勝負になっていいと思うので楽しみですね。
-:土曜の福島では、3歳未勝利のサクラボヌール(牝3、美浦・田島俊厩舎)はデビューから3度続けて騎乗ですね。
圭太:追い切りにも乗って、十分動いている印象でした。条件も前回よりこの馬にとって向いている印象はありますね。
-:2歳新馬のアントリューズ(牡2、美浦・栗田徹厩舎)も追い切りに乗られたようですね。
圭太:素質がある印象はありましたが、呼吸の状態がどう出るか…。そこは気になりました。
-:POGなどでは毎年話題になる血統かと思います。上のエルビッシュには、今年2月の小倉で騎乗されていましたね。
圭太:男馬と女馬の違いがありますからね。似ているかどうか、というと、こちらの方が幅はある印象ですね。
-:白河特別のラストプリマドンナ(牝3、美浦・和田郎厩舎)は3ヶ月ぶりのレース。以前「1200は向いていないんじゃないか」という話をされていたのを思い出します。
圭太:フットワークなら1200より長い距離ですが、気性的に1200が向くタイプですね。今なら1200にもっと向いているかもしれませんよ。
-:本来なら葵ステークスにも出走プランがあったはず。陣営的には仕切り直しの一戦ですね。
圭太:前走も強い内容でしたし、追い切りもいい雰囲気。ハンデも軽いですからね。いい勝負になってほしいです。
-:そして、今週で福島開催も最後。一応節目となるので、開催を通じて振り返るといかがでしたか?
圭太:例年より勝ち星が落ちていることは反省しないといけないと思います。正直なところ、福島に合わないタイプと合うタイプもはっきり分かれていた印象は受けましたね。
-:とはいっても、1~2週目はラインナップからもなかなかまとめて勝つのは難しいかなとは思いました。ちなみに、暑さはどうでしょうか?
圭太:僕はまったく問題ありません。馬は大変だと思いますし、がんばってくれていますけど…。
-:函館競馬場の検量室では大きなケースに氷とスポーツドリンクを常設されていました。福島でもそういったことはありますか?
圭太:僕の場合は、自分の鞍置きのところに用意しておいてあります。周りもたぶん熱中症にはなっていないと思いますけど…。
-:今年はファンサービスが多かった?福島開催だと思いますが、ファンの声もよく耳に届くんじゃないでしょうか。
圭太:いやあ、いつも以上に競馬に熱心な方が多い印象はありますね。熱いファンが多いというか。ヤジも全くないですしね。
-:次週からは新潟へ舞台が替わりますが、引き続き健闘を祈ります。本日もありがとうございました!
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は7月27日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。