'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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【番外編】Q&A イベント来場者から寄せられた全30の質問に回答(下)
2018/7/25(水)
【番外編】Q&A イベント来場者から寄せられた全30の質問に回答!
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長らく続いたイベントレポートも今回の質問コーナー後編と次週で最後。じつは「この手の質問は毎回あるな…」と思いがちも、改めて聞いてみると今までも違った答えも。ファンの質問だからこそ引き出せた本音をご覧いただきたい。
Q.えむさんより「たくさんの馬に騎乗されてきたと思いますが、一番印象に残っている馬やレースを聞きたいです」
圭太:やっぱりフリオーソですね。変わらないですね。2011年のかしわ記念ですね。
-:おそらく近年、ファンが増えたと思うんですけど、最近ファンになったという方には、そこがあまりわからないと思うので、改めて観るキッカケになれば良いと思いますけどね。というより、観てほしい。震災の年ですから、もう7年前ですからね。
▲戸崎騎手も「一番思い出に残るレース」と挙げる2011年のかしわ記念
圭太:そうですね。あれはレースだけじゃなくて、色々なものが重なったので、多分一番思い出に残るレースとして、僕は変わらないと思いますけどね。もしダービーを勝っても、凱旋門賞を勝っても、すごく思いのあるレースでしたからね。
-:また中央でもそういう馬に。
圭太:馬もそうですけど、タイミングがやっぱり…。ああいうことはないじゃないですか。だから、複雑な思いもあり、色々な思いから来るレースですね。でも、フリオーソへの思い入れはもちろんありますし。
-:「表彰式で泣いていたんじゃないか」と、よく言われますけど、本当に泣いたのはフリオーソですね。
圭太:フリオーソの引退の時ね。
Q.ベガコさんより「ダービーの時、エポカドーロ(牡3、栗東・藤原英厩舎)が地下馬道で硬直したと聞いた時はどう思いましたか」
圭太:そうですね。馬を見る前に「誘導馬を付けているから」と言われたんです。アクシデントがあった説明も全部あって。G1はパドックに人が多いから、なかなか馬は見られないですから。普段のレースなどは、待っている時は見られたりしますけど、連続騎乗だったりしたら見られないし。
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Q.Anneさんより「サインは、いつどのようにして完成させたのですか」
圭太:いや、候補はないです。地方の学校の時に、サインがあった方が良いという話でみんなで書いていたのかなぁ。それで何か書き出したんですよね。色々とローマ字の英語版というか、最初は英語でやってみたり、試したけど、結果ずっと変わらずですね。
-:今のサインは書くのに、けっこう時間が掛からないですか?
圭太:いや、全然掛からないですよ。速い方じゃないですか。だから、大井の時もサインに行って、的場(文男)さんなどと並んでやったりしますけど、的場さんはすごく丁寧にゆっくり書いて。
Q.ビーバーさんより「馬の機嫌が悪い時は、どんな気持ちになりますか」
圭太:機嫌を直してくれ~という感じですかね。僕は優しくなだめる。レースに影響しちゃ嫌なので、機嫌を直そうと努力しますね。それでも効かないのは怒りますけどね。そこの怒るタイミングなどはすごく大事だと思います。
Q.デルマサリーチャンさんより「色々な競馬場がありますが、好きなコースはありますか」
圭太:どうなんだろうなぁ。東京、新潟はやっぱり乗りやすいですかね。好きかな。
熊:面白いコースは福島ですよね。
圭太:そうね。面白いコースは福島かな。
Q.えみにゃんさんより「上手いと思う騎手は」
圭太:ライアン・ムーアですね。
-:この手の質問は正直いつもありますが、何か具体的に、ここがというところがあったら教えてください。
圭太:やっぱり馬の力を最大限出し切っているのがすごいですね。細かく言うと専門的な話になるので、その辺はちょっと説明が下手くそなので、上手く言えないですけど…。
Q.的場文男大好き芸人さんより「調子が悪い時のリフレッシュ方法を教えてください」
圭太:家に帰ること、ハハハ。それで、帰るとリフレッシュされるので。
-:スランプ時、家族にあたる時はないのですか。
圭太:いや、それはないですよね。
-:家に帰ったらリフレッシュされるということは良いことですね。
圭太:そうですね。別に、特に何かをやるということはないですね。1週間後にすぐにありますからね。
-:安藤(勝己)さんだと「日曜日に帰った後、明け方まで寝られなくて、レースを何度も見直したりしたもんだ」みたいなことを言っていましたが、そういうことはあるのですか。
圭太:寝れないなどはないですけど、少しあるかもしれないな、俺も。悔しいレースというか、反省というか、どこが悪かったのかは観たりしますけどね。基本的には、次の週のレースに切り替えるかなぁ。
-:今年はあまり調子が良くない時期もあったじゃないですか。そういった時というのは、今までと違った部分はあったのですか。
圭太:気持ち的には、ずっとスッキリはしないですよね。何かずっとモヤモヤしている感はありましたね。ビデオを何回も観たりもしましたし、でも、やることは変わらないという感じで、特に生活も変えたことはなかったですけどね。悪い流れに嵌まっているという感じですよね。どうすることも出来ない自分がいましたね。でも、やることは一つですから、という感じでやっていました。
-:馬ありきのところもありますから、難しい職業ですよね。
圭太:でも、いま思うと、原因は必ず自分にありますね。その時はそういう風に思ったりする時もありましたけど、それは絶対に言いわけで、絶対に自分に責任があるというのは感じましたね。今後またそういうことがあったら、そこはブレずに追及していかなきゃなと思っていますけどね。
-:僕ら外野がわからないような領域があるでしょうからね。
圭太:いや、それはね。だから、説明も下手くそだから、ちょっと言葉に出来ないから言えないですけど、そんな感じです。
-:スポーツ選手があんまり細かくしゃべり過ぎても、それはそれで何か…。
圭太:でも、上手な人は上手で、(福永)祐一さんなんかを見ていても、解説の上手さはすごいなと思いますね。わかりやすくて、僕なんかが見ていると、すごいなと思うし、見習いたいなと。ファンにも競馬を学べるいい説明になると思います。僕なんかは感覚が強いというか、だから、なかなか言葉に出来なくて、ということが多いですね。
-:たぶん感覚派にあまり思われてない気もしますね…(苦笑)。
Q.ぺんぺんさんより「仲が良い騎手はいますか」と。
圭太:変わらないですけどね。仲が良いというか、特に良いわけでもないですし、幅広くかな。松岡なんかは、そうやって本を借りたり、田辺なんかともよくしゃべりますし。
-:まあ、毎度定番の質問で恐縮ですが、どちらかと言うと、明るい人の方が良い感じですか。
圭太:そうですね。(石橋)脩も…。
-:若手とは?
圭太:あんまりしゃべらないですね。嫌われているのかもしれないですね。本当に僕はないですよ。
熊:若手からレースのことを質問されていることも全然ないもんね。
-:でも、南関に行った時は聞かれるなどは。
圭太:南関の方がありますね。
-:あとは、競馬場でしか会わないなどもあるんじゃないですか。
圭太:わからないですけど、あんまり好かれていないんじゃないですか(苦笑)。
熊:何か聞かれて答えたこともあるんじゃないの。ピンと来ないから、違うなと思われているんじゃないの(笑)。
-:ちなみに、関西のトレセンにいるときはどうしているのですか。
圭太:いや、1人でいますよ。
-:(同期の調教助手がいる)山内厩舎にいるか、1人でいるかくらいですか。
圭太:厩舎には行かないですよね。荷物を取りに行って、馬に乗るんだったら行くけど、入り浸りはしないです。けっこう1人も好きというか、ソッとしておいてもらった方が良いというのもありますね。
-:一般的なファンのイメージとはちょっと違うでしょうね。調整ルームでパトロールビデオなど、レース映像の見直しはありますか?
圭太:観られるようにはなっているけど、観ていないね。これは全体的に。個人では観るでしょうけど。
Q.なおさんより「騎手の方々は、宿舎に帰ってレース映像を観たり、新聞を見たりして、作戦を立てる騎手もいると聞きますが、新聞を見たりされるのですか。見るなら何を重視されるのでしょうか」
圭太:見ますね。見ますけど、多分そんなに詳しくは見ていない方だと思います。何を見るかというのはどういう展開になるのか、どの馬が行って、自分はどの位置が理想なのか、ペースは速くなるのか、遅くなるのか、相手になる強い馬はどこら辺にいるのかくらいですかね。乗っているレースは。僕は大体新聞が出る前に、まず乗る馬のレース映像を観るんですけど、それでその馬の特徴、どういうのが良いのというイメージを立てて、それから新聞を見て組み立てる感じですかね。
-:そこは、ファンとあんまり変わらないですね。
圭太:ファンはみんなそこまでやるの!?
-:熱心な人は、ですね。
圭太:騎手の中では、そこまで綿密にはやらない方だと思いますね。
Q.がるでぃおさんより「ダービー当日のジョッキー紹介の時に、観客席を見渡されていましたが、どんなことを考えていましたか」
圭太:たくさんの人が入っているなという感じで、こういう場に立てるというのは幸せだなというのを感じていましたね。
-:入場する時のパフォーマンスなど、特に今年はなかったですね。内田さんなどバク宙するのがありましたけど、来年はあったりするのですか。
圭太:ないですね~。
Q.名無しさんより「G1を獲りたいという気持ちと、年間最多勝を獲りたいという気持ちはどちらが強いですか」
圭太:それは、今年ちょっと変わってきましたね。ずっとリーディングを獲りたいというのが大前提で一番でしたが、今年G1でこれだけ惜しいのが続いたので、そうなるとやっぱり勝ちたいという気持ちが自然と芽生えてきていますね。それに、リーディングもこれだけ離れちゃっているからね。
-:去年だったら、この時期が逆転している感じだったんですよね。
圭太:そうですね。だから、いつもの年だったら、どうなのというのもありますけど、今の時点ではどちらも楽しみたいというか、狙いたいと。
-:平場などを勝たなくて良いというわけではないですけど、G1で良い騎乗をすることもジョッキー冥利に尽きるというか、醍醐味もあるんだなということを感じたということですかね。
圭太:そうですね。こんなに上位で争っているというのが、今まではそんなになかったので、何か惜しいのが続くと勝ちたいという気持ちが出てきますかね。
-:僕は、ここら辺は分かっていた感じで捉えてしまって、改めて聞かないと、そこら辺はわからないですね。
圭太:ただ、やることは目の前のレースだと思いますし、どのレースでも同じですから、そう思っています。
Q.ゴールドキャットさんより「エポカドーロと挑んでみたいレースはありますか」
圭太:コンビを組んで、またG1を勝てたら、どこでも良いなと思いますね。
-:一応、お客さんからの質問は終わりです。これ質問だけで1時間超かかっていますからね…。長々とありがとうございました!
※イベントレポートシリーズもいよいよクライマックス!
エポカドーロと挑んだ日本ダービーの話題を中心にお届けします!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。