'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
さあ新潟へ!アイビスSDはテン乗りパートナーと最も好きな千直コースで躍動
2018/7/27(金)
今週から開催替わり。今年も新潟競馬を拠点に騎乗する戸崎騎手だが、開幕週を飾るアイビスサマーダッシュはジョッキーも予てから「好きなコース」と公言する直線芝1000mで行われる年に一度の重賞。今年はテン乗りのコンビで臨むが、どんな騎乗をみせてくれるだろうか。地元ファンも待望の1ヶ月強の開催。出場見込みのWASJ週以外は、主戦場とする新潟で好騎乗を期待したいところだ。
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-:今週から新潟開催(札幌・小倉)が始まりますが、開幕週ではおなじみのアイビスサマーダッシュ(G3)が予定されていますね。ナインテイルズ(牡7、栗東・中村厩舎)はテン乗りになるだけに未知数ですが、直千競馬といえば常々好きなコースと言われていますね。
圭太:ナインテイルズはスピードのあるイメージなので、そこを上手く活かせれば。ただ、この馬だけに限ったことではありませんが、スピードは必須のコースもひと息で走らせるだけでは通用しないコースです。仕掛けどころの判断も求められますね。
-:やはり枠は外のほうがいいのでしょうか?
圭太:どうなんですかねえ…。僕はそこまで気にならないのですが、結果が出ているのは外ですもんね。だからといって、8枠だったりすると、被されてリズムを欠いてしまうこともありますから。
▲「大好きなコース」と公言するも、騎乗機会も少ない千直コース
2014年以来の勝利を目指したい
-:現時点で枠が出ていませんし、当日はどんな馬場になるかも未知数ですが、新潟で乗られるのはほぼ夏だけだと思いますので、今年も数多く直千競馬に乗れるといいですね。
圭太:そうですね…。やみくもにも先行するだけじゃなく、騎手の駆け引きも見どころのレースだと思うので、そこも注目していただけたら。それだけじゃないですが、直千競馬でもいい結果が残せるよう僕も頑張ります(笑)。
-:しかし、気になるのが週末の天気予報。雨はまだしも、台風となると…。
圭太:ねえ、マジですか、という感じです。現時点でどうなるかわかりませんが、無事にやれるといいです(笑)。
-:新潟の開催中止も最近はなかったような…。同じく日曜最終(3歳上500万下)のグッドヒューマー(牡4、美浦・高橋裕厩舎)は降級初戦の前走も期待していましたが、いかがでしたか?先週の競馬を一頭だけ除外になっていましたね。
圭太:もともと歩様の硬さがある馬でしたが、そこも解消されていました。もともと距離が短いほうがいいのかと思っていましたが、走りっぷりはゆったりした雰囲気。あれなら長くなってもよさそうですね。前走は重さもあったので、ひと叩きした効果もあるのではないでしょうか。
▲美浦トレセンで調教に騎乗する戸崎騎手(18日撮影)
2014年以来の勝利を目指したい
-:日曜8R(3歳上500万下)のモクレレ(牡4、美浦・国枝厩舎)も以前乗られた馬ですね。
圭太:素質は感じるのですが、僕が乗った時は気性の難しさがあった印象を受けました。ただ、このクラスも勝っていますからね。力を出し切れば上位の存在だと思います。
-:月岡温泉特別のエルビッシュ(牝5、栗東・中竹厩舎)は小倉で勝った馬ですね。
圭太:強い勝ち方でしたね。距離が替わっても問題ないと思いますし、引き続き楽しみですね。
-:土曜1R(2歳未勝利)のナーゲルリング(牝2、美浦・伊藤圭厩舎)は前回期待していたのですが、残念ながら後退してしまいましたね。
圭太:期待してしまいましたが、返し馬からどうも元気がなかったです。福島のペースも忙しいように感じましたが、現状ではどちらが適条件かはどうも…。未勝利を勝てて不思議ではないのですが。
-:先週のレース回顧もお願いします!中京記念(G3)のリライアブルエース(牡5、栗東・矢作厩舎)は3着。勝ち馬も強かった感は受けました。
圭太:斤量も恵まれていたのでいい勝負になるんじゃないのかとは思っていました。結果3着で勝ち馬も強かったですし、がんばってはいると思うのですが、今後、力をつけていけば重賞でもやれる馬だと思うので。
-:先週伺った際も「強い馬がいる」と言われていたのですが、グレーターロンドンということですよね。
圭太:そうですね…。やはり力が抜けていたと思います。
▲中京記念のゴール前、左がリライアブルエース
2014年以来の勝利を目指したい
-:中京は芝が荒れているのが気になりました、そこはどうでしたか?
圭太:やっぱり脚はとられている感じもありましたからね。そこは思い切って外を回せればと思ったので。
-:距離も1600はこなせる感覚はありましたか?
圭太:う~ん、もともとは1400でもハミをとっていくくらいで、折り合いがどうなのかな、と思っていたのですが、僕が乗せていただいてからは追走も少し苦しいくらいで。今回はペースも速かったですけどね…。う~ん…。どうかな、と。もっと持ったままで追走できるようになれば、もっと弾けるんじゃないかと思う雰囲気はあるのですが。
-:中京記念後のダノンフォワード(牡3、栗東・藤原英厩舎)はどうでしょうか?
圭太:終わってみれば気難しいところのある馬でしたね。そのあたりは先生からもいわれていました。ただ、4コーナーで交わされてからは沈んでいってしまうのかなと思ったほど…。直線を向いたらまたやる気を出して、きちっと反応してくれましたね。
-:やはり血統特有なのでしょうか。
圭太:う~ん…あまりいないタイプですかね。あそこで頑張れるのだから能力はあるのでしょうけど、気性が邪魔しなければいいな、と思いますね。
-:手応え的にあやしかったのは3コーナーくらいですか?
圭太:ところどころそういうところはありましたよ。元からハナにいくのは決めていたのですが。
-:新馬のソルトホープ(牡2、栗東・武英厩舎)はかなり僅差の勝利でしたね。
圭太:いやあ、頑張ってくれました。余計なことをする気配もないですが、身体もまだゆるくて速い脚というよりは長く脚を使うタイプかと思います。先行して、そんな競馬になったのがよかったです。
-:土曜福島のラストプリマドンナ(牝3、美浦・和田郎厩舎)はどうでしたか?
圭太:位置取りというよりも、場所が悪かったですね…。力を出しきれない申し訳ない競馬になってしまいました。さすがに3コーナーであれだけ止まってくる馬もいると思っていなかったですし、なかなか捌けないポジションでした。
-:気性的にも難しい印象もありますが、今回はどうでしたか?
圭太:(テンションが)高いタイプではありますが、今回は落ち着けていたんじゃないかと思うんですよね。
-:レッドイグニス(セ5、美浦・鹿戸雄厩舎)はちょっと力が違いましたかね。
圭太:そうですね。もともとテンションが上がってしまいがちらしいのですが、返し馬から落ち着いていましたし、番手のいいところで運べました。力を出し切れたと思いますが、ここでは上でしたね。
-:新馬のアントリューズ(牡2、美浦・栗田徹厩舎)はどうでしたか?
圭太:気にしていた呼吸の面より、身体が重たかったですね…。
-:サクラボヌール(牝3、美浦・田島俊厩舎)は勝ち馬の2番手からの競馬。突き放されてしまいましたね。
圭太:直線でもうひとギア入ってくれたらいいのですが、あとひと押しですかねえ。
-:先週伺い忘れてしまいました。マーキュリーカップのヨシオ(牡5、栗東・森厩舎)はどうでしたか?
圭太:中山で乗せていただいたこともあり、ああいうイメージでいこうかと思っていました。それにしても、しぶといですし、もう少しのところでしたね。距離も問わないし、頑張ってくれる馬ですよねえ。
-:そうですよね(笑)。名前がユニークなので、ついつい気にしてしまう馬ですが、色々な場所にいって頑張っていますよね。
圭太:タフな馬ですよね。状態も悪くなかったと思いますし。
▲26日、新橋こいち祭にゲスト出演 バスケットボール選手に乗馬を指導した(写真ファン提供)
-:しかし、全国的に暑さが話題ですが…大丈夫ですか?
圭太:うーん。暑いですね!中京のほうが暑かったですけど、でも問題ないですね。
-:やはりそこはトレーニングやコンディショニングの成果ですか?
圭太:だと思います。外でもたまに暑い時間に運動はしますけど、さすがに一番暑い時間帯は避けていますけどね。
-:暑さが過ぎれば台風もあったり、なかなか大変な季節ですが、また来週もよろしくお願いします!
圭太:ありがとうございます。頑張ります。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は8月3日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。