'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
節目の900勝へあと僅か レパードSは素質馬と初コンビ!
2018/8/3(金)
新潟開催2週目は、3歳ダート重賞のレパードステークスが目玉レース。それに伴ってか、先週よりもリーディング上位のジョッキーが大挙して押し寄せる。夏競馬ながら星取り争いも熾烈になりそうな今夏、着実に結果を残すことができるか。アドマイヤビクターなど素質馬にも騎乗する戸崎騎手の奮闘に引き続き注目だ。
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-:先週から新潟へ移っての騎乗となりましたが、今週も土日ともに新潟での騎乗!暑さは大丈夫でしたか?
圭太:いや…かなり暑かったですね。聞けば、この前の日曜は新潟も記録的な暑さだったんじゃないですか?
-:あ~、そうでしたね。フェーン現象でかなり暑かったとか。
圭太:ええ、体調は大丈夫でしたが、馬もこんな暑さの中、よくがんばってくれていますよ…。僕がこの夏、乗せてもらった馬で夏バテが顕著だったりした馬はいまのところ見受けられませんが、大変だと思いますから。
-:人馬ともに無事であることが第一ですね。今週はレパードステークス(G3)が行われますが、アドマイヤビクター(牡3、栗東・友道厩舎)は初騎乗なので、あくまで印象だけとなりますね。
圭太:そうですね。芝からダートに替わって底をみせていませんね。相手は強いと思いますが、走りをみている限り楽しみです。
-:ちなみに、今年はジャパンダートダービー(Jpn1)、昨年は全日本2歳優駿(Jpn1)などにも騎乗されていますが、3歳ダートのレベルはどう感じていますか?
圭太:今回出てきませんが、ルヴァンスレーヴを筆頭にハイレベルですよね。例年よりも高いんじゃないでしょうか。それだけに、ここで勝ち負けできれば、今後がより楽しみになるでしょうね。
-:土曜の騎乗馬では、6Rのアルスラーン(牡3、美浦・小西厩舎)、7Rのサクラボヌール(牝3、美浦・田島俊厩舎)と3歳未勝利勢はつい最近も話題にしたあたりですね。
圭太:アルスラーンは初勝利のチャンスもそろそろ近づいてきましたね。気になる点をいえば、左回りではモタれていたので、右回りのほうがいいタイプかもしれません。サクラボヌールは距離短縮に対応することが前提となるでしょうが、前走の詰めの甘さを補えれば。
▲前走を好時計勝ちしたレーヴドリーブ
-:信濃川特別のレーヴドリーブ(牝3、栗東・高野厩舎)、9R(3歳500万下)のアモーレミオ(牝3、美浦・勢司厩舎)は同じ3歳牝馬で、いずれも複数回乗られてきましたね。
圭太:レーヴドリーブは先週も妹が勝ちましたし、兄や姉は重賞で活躍。血統馬だけのモノはありますね。乗せていただくごとに馬が良くなってきている実感もありますし、ここに入っても楽しみです。新潟コースも大丈夫じゃないでしょうか。アモーレミオは前走の阪神で、最後のフットワークがバラついてしまったところがあるので、力をつけてきてほしいところはありますね。
-:日曜では、燕特別のリビーリング(牡3、美浦・萩原厩舎)もこの春に乗られていましたね。
圭太:能力はある馬ですね。ただ、最後が甘くなるところがあるので、そこがしっかりしてくれたら。そういう意味では内回りコースは良さそうです。
-:先週のレースも伺いたいです。アイビスサマーダッシュ(G3)のナインテイルズ(牡7、栗東・中村厩舎)は3着。振り返っていただけますか?勝ち馬は強かったかな…と思いますが。
圭太:戦前のイメージではスピードがある馬。思っていた通り、スタートもよく思い描いていた位置につけられました。ダイメイプリンセスは抜ける脚も違いましたからね。2着馬との斤量差もありましたし。
-:そういう意味では、この馬のパフォーマンスは務められたのではないかと思います。
圭太:う~ん、自分では判断できませんけど(笑)、やれることは精一杯やったつもりです。
-:この馬は地方競馬教養センター時代の同期の方が追い切りをつけられていましたね。同期コンビの重賞制覇なるか、密かに注目していました。
圭太:そうです、寺倉純慈(元兵庫の騎手で現在は中村均厩舎の調教助手)が。連絡もきましたし、勝てたらよかったですけど。しかし、この馬って短いところの馬なのに、すっごく落ち着いているんですよね。珍しい馬だなと思いました。
-:7歳馬ですが、それは初耳でした。ちなみに、やっぱり早めに追い出さないように心がけたのでしょうか?
圭太:そうですね。先生(調教師)からも「ハナにいけるスピードはあるけれども、気持ちよくいってしまうと最後は厳しくなる」と聞いていました。話を聞いたなりの競馬はできたかと思いますが。
-:久しぶりの千直競馬、いかがでしたか?
圭太:ええ、やっぱり面白いですね。
-:1000mのスピード感は他と違ったりするところはありますか?
圭太:いやぁ~そこまでは。ただ、レース展開や景観などは他とは違いますよね。
-:僕は前進があるのかと思っていたのが日曜最終のグッドヒューマー(牡4、美浦・高橋裕厩舎)でした。結果、2戦連続で11着という結果でした…。
圭太:う~ん…あまりピリッとしたところを感じられないままのレースでした。もともと課題であった歩様の硬さも問題はなかったですし、距離も長いほうがいいのかと思いましたが、距離も長いのかもしれません。
-:モクレレ(牡4、美浦・国枝厩舎)は最内から差し切り勝ちでしたね。
圭太:馬も成長してよくなっていましたね。精神的にも安定してきて、持っている力を出せる状態になってきたかもしれません。
-:エイカイキャロル(牝2、栗東・藤原英厩舎)は新馬勝ちを決められました。
圭太:返し馬からフットワークも軽くて、身のこなしもよくいい印象でしたね。スタートもいい馬と聞いていた通りで、前目で流れに乗れましたね。ただ、直線ではまだ遊ぶようなところがあったので、そこは使って良くなるところですかね。
-:いい意味でいえば、まだ余裕もあるわけですね。
圭太:そうですね。今後も楽しみですね。
-:ファクトゥーラ(牝2、栗東・吉村厩舎)は惜しくも2着でした。
圭太:全体的に忙しかったですね。素質は感じましたし、緩さもあるので、使ったことでよくなりそうなタイプですね。走ってくる馬ですね。
-:しかし、走り方をみているとマンハッタン(カフェ産駒)ぽい感じですか?
圭太:そうですね。トビもゆったりしていますし、そういう感じがあります。
-:負けた馬がゆかりのある血統馬(姉がストレイトガール)だったので、そっちにも乗れたらファンは喜んでいたかもしれませんね。
圭太:ええ、そうですね。ハハハ。
-:土曜のアッフィラート(牝5、栗東・藤原英厩舎)はどうでしたか?
圭太:ゲートの出がいまいちらしいのですが、今回はスタートもよく、いい位置といいますか、ポジション的には悪くなかったと思います。ただ、その分、道中で真面目に走りすぎたのではないかと思います。いつもは遅れてゆったり走ってくるイメージでしたし、距離は長くなっていますからね。そういう走らせ方がよかったかもしれません。
-:ただ、新潟にしたら流れていたのに、1、2着馬はそれより前から押し切ってしまいましたもんね。ナーゲルリング(牝2、美浦・伊藤圭厩舎)は巻き返してくれましたね。
圭太:ええ!東京の走りができたので、能力を出してくれましたね。結果、距離というより返し馬からよかったので、今回は違いましたね。
-:先週の更新分で読者からいただいた写真を掲載いたしましたが、新橋のこいち祭に参加されたそうですね。
圭太:公営競技を管理されている方々が主催されているということで、すごくありがたいなと思いました。他競技の選手ともなかなか会う機会もありませんから、貴重な経験でした。
-:しかし、あの格好で暑くないのか…と。
圭太:いや、大丈夫です(笑)。でも、他の方がユニフォームだったりしたので、聞いていれば勝負服でいきましたけど。
-:暑いといえば、南関東は話題的にも、気候的にも暑い中、開催されていて、的場文男騎手は新記録達成まであと僅かですね。
圭太:的場さんはいつも元気で、暑さなんか感じていないんじゃないかと思いますね(笑)。この記事が出るのは、大井開催がもう終わっている頃かな?その時には達成していてほしいですね。時間の問題だと思いますが、あれだけ続けられることってすごいことですから。
-:61歳ということで、ご自身ではそこまで乗るイメージはありますか?
圭太:イメージというか、乗るために食事だったり、トレーニングをやっているんですよ。ただ、この世界、この職業って、馬ありきですし、乗せてもらわないといけない立場ですから。いくら自分で乗りたいといってもね、信頼あってのことです。だからこそ、結果を出していかないといけないと。
-:そういう意図もあってのコンディショニングだったんですね。騎乗は毎週続いていくだけに、毎週、毎週が勝負ですが、まずは今週末ですね。
圭太:そうですね。頑張ります。
-:今週もありがとうございました!
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は8月10日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。