'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
今週こそメモリアルVなるか?関屋記念はリライアブルエースとタッグ!
2018/8/10(金)
あと3勝。現在、JRA通算897勝として、メモリアル勝利が近づく戸崎騎手。今週は2歳新馬戦で騎乗予定だった評判馬の除外もあったが、土日で15鞍を予定している。中には中京記念からのステップアップを狙うリライアブルエースなどの騎乗も控えるが、1勝に終わった先週のうっぷんを晴らすプレーを期待したい。
-:今週もよろしくお願いします!土日ともに新潟での騎乗となりますが、注目レースといえば関屋記念(G3)。リライアブルエース(牡5、栗東・矢作厩舎)とは3度目のコンビとなりますね。
圭太:前走もグレーターロンドンのように強敵がいた中でいいレースはしてくれたと思います。コース形態も大きな差はありませんし、引き続き楽しみです。
-:コースは同じ左回りのマイルですが、今回は馬場が変わりますね。前回は荒れ馬場、今回はずいぶん綺麗な馬場状態で。
圭太:そうですね(笑)。どちらが向いているかといえば、綺麗な馬場でやらせてあげたいタイプ。ただ、その分、前が残りやすくなるのは明らかですから、流れが向いてくれたら。
-:枠などは選ぶタイプでしょうか?乗られていない当時は、けっこう狭いところを割って出てくるイメージもありました。
圭太:う~ん、そこですよね。どうも映像を観ると、以前は手応えがいいくらいで、折り合いが難しいのかと思ったのですが、前向きさに欠けるというほどではないものの、やや促すくらい。それだから、広いところに出してあげないと競馬はしづらいですよね。スパンと切れるほどの脚があれば、狭いところにも突っ込めますが。
-:その違いはどういったところに来るものなのか…。
圭太:どうなんでしょうね。なんともわかりませんが、前回も動ける状態ではありましたが、もう少し余裕はあるかなとも思ったのも事実です。
-:全兄も夏の重賞を勝っていましたが、血統的にも陣営の期待も大きい馬かと思います。
圭太:そうですね。重賞でやれて不思議ではない馬ですから、いい結果を残したいです。
-:関屋記念の一つ前、柳都ステークスのミッシングリンク(牝4、美浦・斎藤誠厩舎)は前回が大出遅れ。よく落馬しなかった、というレースですね。
圭太:もともとはゲートが上手なくらい。気を抜いていたわけではありませんが、僕も驚きました。馬の前(脚)が出ていっていかなかったですね。
▲前回は落馬寸前のアクシデント ミッシングリンクと巻き返しを誓う
-:今回はゲートの心配はいらないかと思いますが、福島から新潟へ替わります。コース替わりに不安はありますか?
圭太:いや、コーナー4つさえあれば、このクラスならそこまで問わないと思います。チャンスだと思うので巻き返したいです。
-:同じく日曜から、7R(3歳500万下)のアルミレーナ(牝4、美浦・国枝厩舎)は2走前に乗られていました。今回は乗られていない前走に続いての距離(1800m)になりますね。
圭太:終いからのレースにはなると思いますが、いい脚がありますからね。最初乗せてもらった時は1400くらいがいいかと思いましたが、前走の感触なら1800でも、とは思います。
-:土曜の騎乗馬では、最終レース(3歳500万下)のトーセンアンバー(牝3、美浦・菊沢厩舎)はどうでしょうか?もともとは阪神ジュベナイルフィリーズにも出走したほどの実績の持ち主ですね。
圭太:前回、初めて乗せていただきましたが、いい馬ですね!後方からの競馬だったので、福島コースでは間に合わなかったのですが、フットワークはこのクラスにいる雰囲気ではなかったですよ。
-:同じく3歳牝馬で、三面川特別のウラヌスチャーム(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)は前走が大接戦を制しての差し切り勝ちでした。
圭太:前回は具合もよかったですし、前向きさもありました。どうしても序盤はゆったり走らせたいタイプですが、こちらの扶助にもいい反応をみせてくれました。
-:デビュー戦は新潟でしたが、個人的には、コースが替わるのは気になっています。
圭太:大きく変わらないと思いますが、どちらかといえば、あまり時計が速くなるとどうか、というところはありますね。
-:先週のレース回顧もお願いします。レパードステークス(G3)のアドマイヤビクター(牡3、栗東・友道厩舎)はどうでしたか?
圭太:キャリアも浅かったので、スムーズな競馬を心がけていたのですが、後手を踏んだ上に挟まれる形で位置を取りづらかったですね。
-:血統的には、フットワークの大きなルーラーシップの産駒で、内枠だけにそこが引っかかりました。
圭太:でも、スムーズに流れに乗れていればよかったでしょうからね…。まだ、身体の緩さもありますし、それでいながらこれだけ走れているのですから、今後が楽しみな馬だと思います。
-:リビーリング(牡3、美浦・萩原厩舎)はやはり折り合い面というか、精神面が課題でしょうか?
圭太:具合がよかっただけに、行きっぷりも良すぎてしまったのかもしれません。前回は上手くハミが抜けたのですが、今回はそういかなかったですね。それでも、ハイペースを先行して、2着に粘っているように力はみせてくれました。勝ちたかったところですが、相手も強いですからね。
-:クリノヴィクトリア(牝4、美浦・高市厩舎)は外枠が難しかったのではないかと思いました。
圭太:そうですね。センスで競馬ができる馬で、もっとごまかしがきくような競馬をできればよかったのですが、外枠が競馬はしづらかったです。それでも、ギリギリのラインを保って運べたと思いましたが、最後はちょっと厳しくなりましたね。
-:新馬のマイディアライフ(牡2、栗東・高橋忠厩舎)は2着同着。ちょっとモサモサしていましたか。
圭太:いい馬ですよ~。ちょっとおっとりしていて、もう少し距離があっていいかもしれません。一度使った上積みもありそうですし、今後が楽しみじゃないでしょうか。
-:アビーム(牝3、美浦・加藤征厩舎)は逃げ切り勝ちでしたね。
圭太:未勝利戦とはいえ、強かったです。スタートもよく、二の脚もよくついてくれました。申し分ないレースぶりでしたね。
-:先週土曜最終レースのトークフレンドリー(牡3、美浦・田島俊厩舎)はどうでしたか?個人的には気になった馬です。
圭太:素質はありますし、躍動感のある走りをしますね。ただ、レースに集中したり、気を抜いたり、ハミをとったり、抜いたりと幼さのある印象。乗り味だけなら、このレベルではないのですが。
-:レーヴドリーブ(牝3、栗東・高野厩舎)は1番人気でしたが、4着でしたね。
圭太:道中少し行きっぷりがよかったですね。51kgの斤量でしたし、何とか結果を出したいところでしたが…。
-:同じ3歳未勝利でいえば、アモーレミオ(牝3、美浦・勢司厩舎)も4着でした。
圭太:やっぱり気性が前向きすぎますね。もう少しリラックスして走れるといいのですが…。
-:次週は佐賀のサマーチャンピオン(Jpn3)でヨシオ(牡5、栗東・森厩舎)に乗られますね。
圭太:ええ、もともとは短いところを走っていたくらいですし、決してこの条件が駄目なわけではありません。ただ、一気の距離短縮なので、そこに戸惑わないか心配ですね。
-:ちなみに、話題は替わりますが、6月から新種牡馬もデビューしていますが、一つ前の世代、オルフェーヴル産駒やロードカナロア産駒の印象はどう感じられますか?
圭太:オルフェーヴルは前にも言ったかもしれませんが、両極端なイメージですね。エポカドーロ(牡3、栗東・藤原英厩舎)のように乗りやすい馬もいれば、全くハミをとらない馬もいますから(笑)。タイプ的にはダートもよさそうかな。ただ、爆発力というか、奥の深さはロードカナロアより、オルフェーヴルのほうがあるのかもしれません。ロードカナロアも数が多くて、色々な馬がいるイメージですが、乗りやすさは一貫しているかもしれませんね。
-:そして、JRA通算900勝まで、あと3勝ですね。
圭太:あっ、そうなんすね…。
-:まあキリがいいほうの節目ではないかもしれませんが、注目されているファンも多いと思います(笑)。
圭太:そうですね!何とか今週達成したいです。頑張ります。
-:僕は先週が厳しいかと思っていたので(笑)、今週は頑張ってほしいところです。また来週もよろしくお願いします!
圭太:ありがとうございます。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は8月17日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。