'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月16日時点1567勝
3年ぶりコンビのグリュイエールと新潟記念へ!
2018/8/31(金)
競馬の暦の上では今週をもって夏競馬がラスト。その夏の新潟を締めくくる一戦、新潟記念にはグリュイエールとのコンビで挑む戸崎騎手だが、先週、栗東トレセンで久々に騎乗している。また、今週は3歳の素質馬揃いの土曜など固め打ちも十分可能なラインナップ。夏を締めくくる熱い騎乗を期待したい。
-:今週でいよいよ新潟開催も最終週。まず、新潟記念(G3)のグリュイエール(牡6、栗東・藤原英厩舎)は先週、追い切りに騎乗されたようですね!
圭太:ええ、追い切りは動けていますし、1週前としては十分態勢が整っている印象でした。
-:ちょっと古い話題ではありますが、この馬に乗るのは数年ぶり、アンビシャスやキタサンブラックと走った重賞以来でしたね。当時と比較しての変化はありましたか?
圭太:どうもハミのとり方が変わった感じは受けました。もちろん力強さなどは年齢を重ねてたくましさは出ていますが、折り合い面が課題になってくるのかなと。ただ、2200mでも勝っているようですからね。また実戦になれば違うのかもしれません。
▲グリュイエールには3年ぶりの騎乗となる
-:歳をとれば普通折り合いが楽になりそうなものですが、それはまた珍しいですね。今週はどんな馬場になるかわかりませんが、金曜の新潟は雨予報ですね。それもかなりの量が降るようですが…。
圭太:レコード勝ちをしているくらいなので、軽い馬場のほうがいいかもしれませんね。ただ、前回のエプソムカップもそれなりに雨の影響はありましたからね。こなしてくれるのではないでしょうか。
-:藤原英昭厩舎の管理馬でいえば、飯豊特別のラベンダーヴァレイ(牝5、栗東・藤原英厩舎)も何度か乗られていますね。
圭太:そうですね。ただ、1200mの方が乗りやすいイメージ。前回もその距離で走っているようですから。
-:同じく日曜の騎乗馬では両津湾特別のトークフレンドリー(牡3、美浦・田島俊厩舎)、7Rの3歳未勝利のアルスラーン(牡3、美浦・小西厩舎)なども気になるところです。
圭太:トークフレンドリーは前走で素質を感じました。一度叩いたことはいい方に向いてくれそうですし、いい勝負をしてほしいですね。アルスラーンは以前も言ったかもしれませんが、左回りだとどうも内にささるところがあります。
-:土曜も楽しみなところで、長岡ステークスのミュージアムヒル(牝3、美浦・古賀慎厩舎)、弥彦特別のキャンディケイン(牝3、美浦・鹿戸雄厩舎)、糸魚川特別のタンタフエルサ(牡3、美浦・国枝厩舎)と秋が楽しみな3歳馬が揃います。
圭太:ミュージアムヒルは前走で素質の高さ、センスのよさを感じました。上にいってどこまでやってくれるか、ですね。キャンディケインは距離も延びますが、大丈夫なはず。いいフットワークの馬ですね。タンタフエルサは初出走から素質は感じていましたし、2戦目で順当によくなってくれました。まだまだ伸びしろのある馬だと思っています。
-:3歳未勝利では6Rのレヴァンテ(牡3、美浦・萩原厩舎)も前走が次に繋がりそうにみえました。
圭太:前回も追い切りに乗せていただいていい感触を得ていたのですが、今回も追い切りに乗せてもらい、素軽さが増した感じを受けました。ダート替わりもこなしてくれて、引き続き楽しみです。
-:そして、先週は札幌競馬場での騎乗。今年のワールドオールスタージョッキーズは残念ながら個人優勝とはなりませんでした。
圭太:毎年、騎乗馬のクラス分けはあると思うのですが、騎手の間でも「この馬がAなんだ、Bなんだ」という意見は出ていました。ユーイチさん(福永祐一騎手)なんかは「招待競走でクラス分けがあるのは日本だけだよ」なんておっしゃっていたので、そういう意味では運もあるかなと思います。ただ、クリストフの騎乗も素晴らしかったですし、参加できることが光栄なシリーズ。来年も、という思いもあります。
-:神戸新聞杯は騎乗されると思いますが、当面は中山での騎乗になりそうですか?
圭太:そうですね。中山になると思います。
-:今週の競馬もありますが、次週から移動も短くなると思いますし、また心機一転、秋競馬もよろしくお願いします!
圭太:よろしくお願いします。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は9月7日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。