
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

3月31日時点1604勝
不振の夏競馬についても直撃&3日間開催の目玉はセントライト記念!
2018/9/15(土)
「聞き手側からしたら、そこを聞いていかないとダメなんじゃないですか?」
と語ってくれたのは戸崎騎手自身。インタビューの連載企画としては、良いことばかりではなく、悪いことにも比較的ツッコむことで定評の?当コーナー。しかし、今夏はJRA移籍以降、ワーストタイの月間4勝など成績がふるわなかったことも確か。聞き手ばかりではなく、ファンなら気になる夏競馬の日々について今回はしっかり語っていただいた。
また、3日間開催の今週はセントライト記念のギベオンとのタッグも注目。土曜に続き勝利のチャンスもありそうだ。
-:続いて日曜日、月曜日の騎乗馬の話題も伺っていきたいと思います!日曜は2歳未勝利のケイゴールド(牝2、美浦・中野栄厩舎)には札幌で乗られましたね。
圭太:ちょっと行きたがるところがあるので、その辺を考慮して乗っていかないといけないですね。今回は距離も延びますから。

-:同じく2歳未勝利馬のウインレフィナード(牡2、美浦・畠山吉厩舎)は前回、新潟で乗られましたね。中身の濃い競馬をした印象は受けました。
圭太:そうですね。安定して走れそうなタイプの馬ですかね。相手も強かったですから。
-:(1600mに)距離が延びますけど、そこはいかがですか?
圭太:うん、大丈夫だと思いますけどね。
-:初風特別のラストプリマドンナ(牝3、美浦・和田郎厩舎)は前回(白河特別11着)の敗因は下がってきた馬がいて、力を出しきれなかったですね。
圭太:これは1000万下でも良い勝負が出来る馬ですね。前回はちょっと渋滞に嵌まったというか、悪いところに入ってしまったので。そこで急ブレーキを掛けちゃって、ハミが抜けちゃったので…。もう1回ハミを取らせることが出来なかったですね。
-:「そこでハミを取らなくなった」というのは、やっぱり馬の気性もあるのですか。故障したのかと思ったほどだと思います。
圭太:そう、気性も原因だとは思いますね。
-:スムーズな競馬さえすれば…。ラジオ日本賞のクインズサターン(牡5、栗東・野中厩舎)は4走前(総武ステークス3着)に乗られていますが、もともと追い込み脚質でお馴染みでしたね。
圭太:前回僕が乗せてもらった後のレースも見ていると力も付けてきているし、競馬も上手になってきているのでね。昔は東京しか走れないのかと思っていましたけど、良いレースを続けているので、期待しています。

▲クインズサターンはオープンに上がって初勝利なるか
-:頭数が少ない点はいかがですか?ペースが上がるか否か。
圭太:少ない方が良いんじゃないですか。捌きやすいでしょう。
-:あんまりペースが上がらないといけないという訳でもない感じですか。
圭太:そうですね。重賞でもこれだけ走っていますし。
-:月曜日の騎乗馬では、浦安特別のキタサンガンバ(牡5、美浦・小笠厩舎)はいかがですか。今回は1200m戦になります。
圭太:ええ、力はこのクラスでも足りる馬です。ただ、ベストのコースは正直わからないですね。今回は1200ですし、ちょっと違う形をとってみようかと考えているので。1400でも格好良く乗ると、どうも勝ち切れないですもんね。
-:でも、これだけずっと乗られているということは、勝ってもおかしくない走りというか、素質は感じていらっしゃるということですね。そして、セントライト記念(G2)のギベオン(牡3、栗東・藤原英厩舎)はいかがでしょうか。初コンビではありますが、今週は追い切りに乗られたようですね。

▲木曜の栗東トレセンでギベオンの追い切りに騎乗する戸崎騎手
圭太:追い切りに乗せてもらいましたけど、良い馬ですね!レース映像を観てから、攻め馬に跨りましたが、単走ということもあって乗りやすかったですし、気持ち良く走っている感じでした。強いて言えばレースに行ったら、気難しさが出るのかなとは思っています。いかにリズム良く走らせることが出来るかが勝負かな、と思っています。雰囲気のある馬ですね。
-:春はダービーを目指すという話があった中で、今回の距離は前回よりも延びる訳ですけど、そこは課題になってきそうな部分ですか。
圭太:そうですね。レースに乗っていないので、どんな条件がベストかはわからないですし、またレースは違う感触だと思うので。追い切りに乗った感じでは距離が長い方がいいかな。逆にNHKマイルカップの1600はどうなのかなというイメージはありますけど。
-:追い切りの時は(藤原英昭)先生からどんな指示があったのですか。
圭太:「リズム良く入って、時計で言えば16-15くらいで入って、最後は体を伸ばして気持ち良く走らせるように」という感じでしたね。
-:追い切りの雰囲気を見る限りでは、状態は良さそうな感触を受けました。
圭太:そうですね。長く脚をつかえそうな感触も受けました。

-:あと一歩で重賞勝ちを逃してはいて、いつ順番が回ってきておかしくはないと思います。重賞を意識できるだけのモノを感じますか。
圭太:そうですね。ありますね。
-:この秋は栗東に行くことが増えそうですか?
圭太:いや、今のところ予定はないですよ。藤原先生のところの馬がこのところ集中していただけで。
-:しかし、2日連続で栗東トレセンに行かれたというのは。
圭太:初めてですね。3日開催でもありましたからね。その間に園田はタイミングよくあって。
-:今のところ長期で行くことは?
圭太:ないですね。
-:そうなんですね。てっきり増えるのかと思いました(笑)。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。