'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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さあエポカドーロと秋始動!先週は7勝の固め打ち!
2018/9/21(金)
名コンビの秋が始まる。中山、阪神開催の開幕につれてG1の主要ステップレースも繰り広げられている。今週は、戸崎騎手にとっては縁の深い1頭、エポカドーロと挑む神戸新聞杯も行われる。ひと夏の休養を経ての3歳秋初戦。どの馬も同じ条件ではあるが、どれだけ成長があるのか、どんな前哨戦となるのか、注目だ。
-:今週はなんといっても神戸新聞杯(G2)に挑むエポカドーロ(牡3、栗東・藤原英厩舎)に注目の週末かと思います。先週の追い切りに乗られましたね。
圭太:先生(調教師)からは「前に併走馬を置いて、それを追い掛ける感じで、最後は様子を見て、やるならある程度やっても良い」という感じの指示でしたね。
-:実際に乗られた感触はどんな感覚でしたか?
圭太:順調に夏を越して、成長もしていますけど、まだ少し馬にスイッチが入っていない感じは受けました。先生と話をしていますと「レースに行くと、わかるタイプの馬だから、その辺は気にしなくても大丈夫だ」ということを言われたので、あとは当日の気配かと思います。
-:そもそも以前は追い切りに乗っていたわけではないですし、トレセンでの比較があるわけでないですよね。帰厩後、初めて乗られた時も伺いましたけど、春と比較して良くなって部分というのは力強さですか。
▲栗東トレセンで1週前追い切りに騎乗する戸崎騎手
圭太:そうですね。全体的な力強さは出ているんじゃないかと感じますね。
-:精神面やトレセンでの気配というのは今までは感じたことがなかった訳ですよね。その違いというのはありましたか。
圭太:いや、特にないですね。乗ってからは変な雰囲気はないです。
-:厩舎的にもある程度、傾向があると思いますけど、あくまで今回は前哨戦ですね。
圭太:まあ、そうですね。その中で順調に来ている感じじゃないですか。
-:ファンはけっこう秋緒戦なので、盛り上がって観てしまうかもしれないですけど、ある程度、先の可能性も残しつつという感じですね。散々言われていると思いますけど、秋に使っていくにあたっての距離は改めていかがですか。
圭太:菊花賞も使うことになっていますけど、正直、半信半疑ですね。でも、この馬は持っている以上にレースに行って走ってくれるので、良い意味で期待を裏切っているイメージなので、やっぱり奥が深いですし、やってくれるだろうという期待感の方が大きいですね。
-:いい意味で伸びしろ、未知な部分がありますし、予想も裏切ってくれる馬なので、そこも含めて楽しみですね。
圭太:そうですね。
-:成長する余地というのはまだまだありそうですか。
圭太:ええ、あると思いますけどね。
-:クラシックを勝った馬で挑むということに関しては、今までとは違ったスタンスだと思いますので、心持としてはどうでしょう。
圭太:好メンバーですよね。そういう馬たちと一緒に戦うということは盛り上がるでしょうから、ファンの方は楽しみでしょうし、相手の馬も夏を越してどれだけ成長しているか楽しみな部分もあるので、楽しみな一戦ですね。盛り上がるんじゃないですか。
-:最後に、今週は木曜から土曜まで雨予報。よほどのことがない限り、雨が残る馬場じゃないでしょうか。この馬にとっては…。
圭太:そうですね。悪いわけではないですね。
-:今週は久しぶりに阪神で騎乗されることもあり、騎乗馬の顔ぶれははじめての馬が多い気もしますね。日曜最終(3歳上1000万下)のマイネルオスカル(牡3、栗東・中村厩舎)は以前、阪神で勝たれた馬ですね。
圭太:競馬のしやすいイメージですよね。以降の成績が少しふるわないようですが、力はあると思っています。
-:デビュー前から調教もいい時計が出ていたことを記憶しています。今回は距離を詰めるようです。そこはいかがですか?
圭太:むしろ決め手がいきそうな感はありますよね。
-:土曜中山では、7R(3歳上500万下)のフォーティプリンス(牡4、美浦・小西厩舎)は善戦が続いていますが…。
圭太:堅実ですね。以前は1300~1400の距離がいいかと思っていましたが、1200m戦のほうが走りやすくなってきました。ただ、スピードを要求される馬場になったりすると、やや甘くなるところがありそうです。正直、展開やメンバー、流れが向いてほしいところはありますね。
-:先週のレース回顧では、セントライト記念(G2)のギベオン(牡3、栗東・藤原英厩舎)はまさかの失速でした。
圭太:3~4番手の競馬とは先生とも決めていました。イメージどおりに運べましたが、どうも伸びきれず…。距離なのか…敗因が見つからないのが本音です。道中の感触は「ヨシっ!」と思うところはあったのですが。
-:キタサンガンバ(牡5、美浦・小笠厩舎)は待望の勝利でした。これは距離や乗り方もハマりましたか?
圭太:勝ちきれないレースが続いていましたし、このレースは一際勝ちたい思いは強かったです。あの着差だけに大きな結果でした。これまでも常に真面目に走ってくれるものの、折り合いが課題のところもありましたし、今回は溜めるといいますか、じっくり乗って終いを活かそうと思っていました。
-:乗り方を変えるようなことは示唆されていましたよね。こうして継続騎乗して、敗戦を糧にできる結果もまた違った喜びはありますね。枠もよかったんじゃないでしょうか。
圭太:それはありますね。枠もモマれない並びでしたし、自分の競馬に徹することができました。
-:2歳未勝利馬のセントウル(牡2、栗東・森厩舎)は接戦を制されました。
圭太:速い脚よりは前目でしぶとさを活かす競馬がいいんじゃないかと思っていました。ペース的にも、周りの馬に左右されず、マイペースで運べましたし、ゆったりしていましたからね。勝ててよかったです。
-:キャリア2戦目の馬ですが、イメージはレース映像から感じ取ったものですか?
圭太:そうですね。もちろん観ただけでそのイメージどおりかどうかは逆になることもありますけど。そんな見立てはもっていました。
-:クインズサターン(牡5、栗東・野中厩舎)は休み明けの影響もありましたか?
圭太:ちょっと反応が鈍かったですね。4コーナーを回る時のよさも普段よりはひと息でした。せっかく少頭数で捌きやすい条件だったのですが。
-:ラストプリマドンナ(牝3、美浦・和田郎厩舎)はどうでしたか?
圭太:ゲートを出てくれたら前目につけようと思っていました。1歩目がでられなかったので、勝ったときのように終いに徹するよう切り替えましたが、前が残りやすいペースだったとはいえ、いい時の伸びがみられなかったですね。
-:オスカールビー(牝3、栗東・矢作厩舎)は快勝といいますか、後続をちぎりました。
圭太:強かったですね。前走も上のクラスで走っているだけあって、自信をもって挑ませていただきました。ペースもある程度は流れていますが、あの感じでいったら伸びづらいところから、もうひと伸びする感触はありました。馬場が前残り傾向があるとはいえ、強かったです。
-:ベディヴィア(牡4、栗東・野中厩舎)も接戦を制しての結果でした。
圭太:どんな競馬にも対応できそうな印象はありました。ズブいところをみせましたが、最後はよくしのいでくれましたね。
-:ウインレフィナード(牡2、美浦・畠山吉厩舎)は勝った馬が強かったとしかいいようがない結果だったと思います。
圭太:そうですね。上手く立ち回ってくれましたし、坂もこなしてくれました。勝ち馬が強かったです。
-:ケイゴールド(牝2、美浦・中野栄厩舎)は距離延長にも対応しました。
圭太:強かったです。また、こうした競馬のほうが合うかもしれませんし、よさが出た感を受けます。上のクラスにいっても楽しみですよ。
-:サトノグラン(牡4、栗東・矢作厩舎)はコースも懸念していましたが、休み明けの分もありましたか?
圭太:そうですね。いかにも休み明けの感はありました。反応が鈍かったですね。
-:ヴェルスパー(牝3、美浦・加藤征厩舎)は課題のはずのゲートを克服といいますか、普通に出ていましたね。
圭太:今回は最後のほうに入れられたので、待たされる時間が短かったことも大きかったかもしれません。正攻法の形になりましたが、完勝でしたね。
-:新馬のブルーグローブ(牝2、美浦・矢野英厩舎)は追い切りに乗られていたわけではありませんが、見事に勝利されました。
圭太:返し馬からいい雰囲気を感じ取っていました。折り合いに課題のありそうなタイプで、そこは気をつけていましたが、上手くレースをしてくれましたね。
-:しかし、今週火曜は大井競馬場で騎乗。レース前に大雨があったようですが、大変でしたね…。あんな大雨も珍しいのではないですか?
圭太:いやいやよくある程度ですよ。馬もしっかり応えてくれてよかったです。
-:そして、無事にデザインを担当させていただいたJRA通算900勝記念のグッズも完成しました。ありがとうございます。
圭太:こちらこそありがとうございました。
-:地方ではたくさん勝たれておりますが、次は1000という大きな数字になりますので、色々考えていきたいところです。
圭太:そうですね。何かファンにももう少し違った形でお返しできればと思います。
-:来週もよろしくお願いします!
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は9月28日(金)に更新予定です!
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プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。