'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
いざエポカドーロと挑む菊花賞!未知の条件で真価を問う
2018/10/19(金)
クラシック最終決戦・菊花賞。今年は皐月賞馬エポカドーロとのコンビで臨む戸崎騎手だが、前哨戦の神戸新聞杯は1番人気に支持されながらも4着。巻き返しを期す舞台となる。キャリア全馬未経験の3000mの舞台。勝利のカギはそこに尽きるだろうが、主戦の手応えは如何に。また、6年連続年間100勝も達成間近。節目へ向けてのカウントダウンも気になるところだ。
-:さあ今週は菊花賞(G1)ですね。エポカドーロ(牡3、栗東・藤原英厩舎)は2冠を狙う立場で挑むことになりますね。
圭太:そうですね。この中間は乗せていただいておりませんが、前走よりも状態は上がってくると思いますし、神戸新聞杯(G2)はスタートでつまずいてレースになっていませんから、この馬の競馬ができればと思います。前回はいつもと違うパターンになりましたし、ある程度、追っていいよりは先行力を活かしたほうがいいでしょうから。
岡田祥嗣騎手を背にCWコースで追い切りを行った
-:枠は3枠5番と。
圭太:いいと思います。内枠がいいと思っていましたし、レースの前になったら、先生とも話すと思いますし、これからしっかり僕も考えたいと思います。正直、3000mってどの馬も未知数ですし、3000mが合う!なんて馬も多くはないでしょうからね。競馬を上手にこなす馬なら、距離もこなしてくれるでしょうから。この馬自身はいい枠を引けたことは活かせそうなタイプですから。
-:春よりもよくなった点でいえば、力強さでしょうか。
圭太:はい、力強さですね。
-:菊花賞というレースについて、自身としてはいかがですか?
圭太:これだけ長い距離だと、なかなか乗る機会もないですから、率直に楽しみです。動きの多いレースになったり、全く動かないこともある。それがどうなるか…。
-:やはりエポカドーロ自身も距離適性が問われるレースですね。
圭太:正直にいうと、やってみないとわからないのも本音です。京都で走ったことはあるようですから、乗ったこともないですからね。
-:菊花賞へ向けて意気込みをお願いします。
圭太:クラシックを初めて勝たせてもらった馬で、思い入れもありますからね。3冠を同じ馬で挑めることも貴重です。そんな思いを込めて乗りたいです。
-:土曜は東京、日曜は京都で騎乗されるわけですが、土曜1Rはアキンド(牡2、美浦・粕谷厩舎)に騎乗。前回はマイル戦でしたが、今回は1F短縮がプラスになるのではないかと思っています。
圭太:そうですね。センスのいい馬ですし、距離を詰めることで詰めきれなかった分が補えればと思っています。
-:8Rのウラヌスチャーム(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)は重賞でも健闘、12Rのアメリカンファクト(牡3、美浦・戸田厩舎)は前走も見せ場がありましたよね。
圭太:ウラヌスチャームは競馬も上手ですし、この距離もこなしてくれるはず。強い相手だと思いますが、斤量差もありますから、そこを活かせたら。アメリカンファクトは前走が力を感じる内容。中山の1200mより、この条件もいいと思いますから。
-:秋嶺ステークスにはワンダーサジェス(牝5、栗東・石橋厩舎)。この馬にも騎乗経験がありますね。
圭太:ここも強い相手がいますね。距離も1400mのほうがよさそうですが、センスのいい馬で、大崩れすることはないと思いますよ。
-:富士ステークス(G3)にはハクサンルドルフ(牡5、栗東・西園厩舎)が出走。差し脚が持ち味の馬ですね。
圭太:そうですね。終いはしっかりしているので。先週はどちらかといえば、前が有利な馬場に感じたので、流れが向いてほしいです。
-:日曜の北野特別のキボウノダイチ(牡3、栗東・松元茂厩舎)はラジオNIKKEI賞(G3)で騎乗されていました。
圭太:4つコーナーの競馬がいいですね。前走は乗せていただいていませんが、コース替わりはプラスだと思います。
-:先週のレースも軽く振り返っていただくと、秋華賞(G1)のランドネ(牝3、栗東・中竹厩舎)はいかがでしたか?
圭太:本当は一列目で競馬がしたかったですね。ただ、リズムよく運んでいましたし、上手にレースはしてくれましたよ。春よりも力強さもでたと思います。
-:コパノキッキング(セ3、栗東・村山厩舎)で勝利されましたが、こちらはテン乗りでしたね。
圭太:ゲートで危険な妨害があり、本来思い描いていたレースとは、今までにない形になりました。あれで差し切るのだから、強いですよね。まだまだ成長の余地はあると思いますし、今後、伸びしろもありそうな馬で楽しみですね。
-:紫菊賞のロジャーバローズ(牡2、栗東・中竹厩舎)もよくがんばっていると思いますが、相手が一枚上だったでしょうか。
圭太:それはいえますね。一度使ったことでテンションも高くなっていて、その中でもうまく収めてくれたのですが…。
-:セガールモチンモク(セ4、美浦・粕谷厩舎)はどうでしょうか。
圭太:ええ、これは使ったことと東京になって変わってきましたね。この調子で上がっていってほしいです。
-:パルクデラモール(牝3、美浦・鹿戸雄厩舎)は昇級戦でしたね。
圭太:久々のレースだけに、返し馬では一度叩いてからかな、なんて思っていました。それでも、走ってくれましたし、やはり能力が高いですね。
-:グランソヴァール(牡2、美浦・尾関厩舎)は追い切りにも乗られていましたね。これは枠が内過ぎましたか。
圭太:そうですね。内枠があだになりました。でも、今後もやれそうですよ。
-:他にも伺いたいところはあるのですが、まだ先へ取っておかせてもらいます。ファンの方は日曜に大いに期待していそうですから、いい結果を期待しています!
圭太:はい、2冠を狙えるのはこの馬だけですからね。しかも、ダービーも2着なのですから、馬を信じて臨みたいです!
-:来週もよろしくお願い致します。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は10月26日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。