'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月16日時点1567勝
年間100勝まであと4 天皇賞(秋)はダンビュライトと挑戦!
2018/10/26(金)
豪華メンバーが揃った天皇賞(秋)。今年はダンビュライトとのコンビを組むことになった戸崎騎手だが、レイデオロ、スワーヴリチャード、キセキなどクラシックで後塵を拝したライバルたちに巻き返しとなるか。また、年間100勝まであと4つ。JRA通算1000勝へ向けても、1勝1勝、1鞍1鞍を見守りたいところだ。
-:今週ですが、天皇賞・秋(G1)にはダンビュライト(牡4、栗東・音無厩舎)と挑みます。調教にも乗られていないので、テン乗りになります。印象だけ伺えればと思います。
圭太:枠は4枠8番ということでいいところに入ったと思います。この馬の前走時、僕は中山競馬場にはいなかったのですが、当日のテンションが課題といいますか、けっこうたかぶるタイプのようなので、そこには気をつけたいですね。
-:今回はスローになりそうなメンバーですが、過去の戦歴をみると、前々の競馬にはなりそうですね。
圭太:そうですね。しぶとい脚が持ち味だと思いますから、そんな競馬になってくるんじゃないかと思います。今年は頭数こそ揃いませんでしたが、G1馬も沢山いて少数精鋭のレースですからね。その中で一矢報いる騎乗ができればと思います。
-:今週は土日ともに東京競馬場で騎乗されるわけですが、土曜東京の国立特別にはアイスフィヨルド(牡3、美浦・武藤厩舎)、最終レース(3歳上500万下)ではフィスキオ(牡4、美浦・栗田徹厩舎)に継続騎乗されます。
圭太:アイスフィヨルドは前走の雰囲気ですと、1F短くなるのは好材料ですね。当日の天気は未知数ですが、先週の馬場は前残りが目立ちましたから、先行力を活かせればと思います。フィスキオはひと叩きでよくなってくるはずです。以前よりも精神的な落ち着きがでてきて、安定して力を出せるようになってきたことも大きいのかもしれませんね。好勝負を期待したいです。
-:日曜では、6R(3歳上500万下)のタイキメサイア(牡3、美浦・高橋祥厩舎)は前回、中山で騎乗。紅葉ステークスのサトノグラン(牡4、栗東・矢作厩舎)は休み明けの2走前に騎乗されていましたね。
圭太:タイキメサイアはいい馬ですね。東京でも走れていますし、コース替わりは特に問わないと思います。強いていえば、精神面でしょうか。前走は休み明けの分、落ち着きがあったと思いますが、ひと叩きして状態が上向いた分、気が入ってくる可能性もあります。その場合、東京だとどうなるか。前走の感じなら東京でいいでしょうし、気が入った状態なら1200mの中山の方がよさそうな。そんな印象です。サトノグランはこの距離で乗せていただいたことがないので未知数ですが、現級を勝った時はいいパフォーマンスでしたね。叩き3戦目で変わり身が期待できれば。
-:そして、先日は菊花賞(G1)でエポカドーロ(牡3、栗東・藤原英厩舎)に騎乗。8着という結果でした。
圭太:全般的にペースが遅かったですね。この馬には分の悪い展開だったと思います。先生(藤原英昭調教師)ともレース前に相談して、納得いってもらえるレース運びはできたと思うのですが…残念でしたね。
-:日本ダービーよりも遅いペースでした。折り合い面はどうでしたか?
圭太:いや、そこは大丈夫でしたよ。前半でゴチャつくところもありましたが、ストレスがかかることなく運べたと思います。結果的には距離もあるのかもしれませんね…。
-:その他のレースでは、土曜東京でアキンド(牡2、美浦・粕谷厩舎)、ハツセ(牝2、美浦・田島俊厩舎)と連勝でしたね。
圭太:アキンドは踏ん張ってくれましたね。距離短縮もよかったと思います。ハツセは追い切りにも乗せていただいて能力は感じていました。ダート替わりもよかったでしょうし、一度使ったことで前向きさがありましたね。
-:相手も強い印象を受けましたが、ウラヌスチャーム(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)は押し切りましたね。
圭太:よくしのいでくれました。斤量も軽かったことはありますが、距離の幅も広く、堅実に走ってくれる。頭の下がる思いです。最後はキレる脚があって、確実に脚を使ってくれますから。来年も楽しみな存在ですね。
▲先週土曜に3勝の固め打ちを決めた
-:コスモカレンドゥラ(牡2、美浦・田中博厩舎)は人気薄を覆す走りでしたね。
圭太:そうですね。正直僕も驚かされました。東京替わりにも対応してくれましたよ。
-:アメリカンファクト(牡3、美浦・戸田厩舎)はまさかの敗戦。いかがでしたか?
圭太:う~ん…正直にいうと、前走のようなピリっとしたところがみられませんでした。4コーナー手前くらいから手応えが劣ってしまいましたからね。
-:次週は京都でJBCもあり、秋のG1も続きます。次週は普段のレース以外の話題も伺えればと思いますが、引き続きよろしくお願いします!
圭太:よろしくお願いします!
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は11月2日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。