'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
年内最後の更新!ホープフルS&東京大賞典に参戦
2018/12/27(木)
さあ2018年ラスト開催、ラスト騎乗へ。競馬界は一年の計ともいえる有馬記念が終えたばかりだが、28日は中山、29日に大井で騎乗する戸崎圭太騎手。今年はスランプも囁かれるなど、順風満帆の一年だったとは言い難いが、終盤はコンスタントに勝ち星を重ねていることも見逃せない。一年の回顧は改めて行いたいが、最後の開催、来季への意気込みを語ってもらった。
-:今年最後の更新となりますが、よろしくお願いします。まず、先日の有馬記念(G1)はスマートレイアー(牝8、栗東・大久龍厩舎)に騎乗。スマートレイアーの引退も発表されたため、これが引退レースとなりましたが、いかがでしたか。
圭太:8歳ながら、前向きさのある馬でしたね。雰囲気もいいものを感じました。レースは思っていた通りの内容に近いかたちで運べましたが、勝負どころから置かれてしまいました。
-:今回に限らず、調教をみていても年齢の割には元気のいい印象を感じていました。
圭太:そうですね。馬場もメインレース辺りではずいぶん緩さもありましたし、その中では健闘してくれたと思います。
スマートレイアーのラストランは13着だった
-:そして、JRAの開催も28日が最後。ホープフルS(G1)ではコスモカレンドゥラ(牡2、美浦・田中博厩舎)に騎乗されます。
圭太:中間は追い切りに乗せていただいていますが、成長は感じますね。未勝利を勝った当時は昇級するとどうかな、というところもあったのですが、1戦ごとによくなっているのでしょうね。
-:枠は大外枠。少頭数とはいえ、内枠の方が持ち味が生きるんじゃないかと思いました。
圭太:そうですね。外よりは内の方がよかったです。ただ、長く脚を使うタイプで、コーナー4つの競馬も向いているでしょうからね。現状でどこまでやってくれるか、というところです。
-:ちなみに、テンションの課題はありますか?
圭太:いやあ、テンションは大丈夫だと思いますよ。前向きではあるので、そこが上手く収まってくれればです。
-:続いて、29日には東京大賞典(G1)でクリソライト(牡8、栗東・音無厩舎)に騎乗されますね。
圭太:久しぶりに乗せてもらいますね。東京大賞典自体も乗るのは久々なので、依頼してもらったことを嬉しく思いますし、勝ったことのないレース。いつかは勝ちたいという思いはあります。馬自体は、このコースでも好走しているので、問題ないでしょうし、状態さえよければどんな条件でも崩れず走ってくれていますよね。
-:有馬記念以外のレース回顧では、まず、26日の大井では2勝。関西馬のスノードリーム(牝5、栗東・高橋忠厩舎)で勝たれました。
圭太:返し馬からいい感触がありました。以前、大井で勝った時も鋭さというか、いい切れ味を持っていると思っていたのでじっくりいきました。最後の反応もよかったですし、いい素質を秘めている印象ですね。
-:先週の中山では、ルッジェーロ(牡3、美浦・鹿戸雄厩舎)は懸念されていた距離の課題もありましたが、めどがついたのではないでしょうか。
圭太:前半はやはり忙しかったですね。それでも、一度使ったことで距離経験も見込めそうな雰囲気はありましたよ。
-:ジオラマ(牡5、栗東・西園厩舎)は3着でした。
圭太:内々を通っていい形。ただ、最後はギアチェンジがなく、僅差ではあるものの、もうひと押しほしかったですね。
-:新馬のアッチャイオはどうでしたか?
圭太:まだ幼さが目立ちますね。ただ、それ以上に周りを気にする面があったので、そこが響きました。
-:サピアウォーフ(牝2、美浦・斎藤誠厩舎)はチャンスかと思いましたが、テンションの影響もありましたか?
圭太:テンションというよりはムキになって走っていましたね。結果的に道中が影響しました。
-:ルックトゥワイス(牡5、栗東・藤原英厩舎)は惜敗続きにピリオド。3馬身差の快勝でした。
圭太:ここのところゲートの課題がありましたからね。そこをしっかり決めてくれたことが勝因だったと思います。いつものように3~4コーナーではモタつく面もありましたが、許容範囲内。力の差をみせてくれました。
有馬記念前日のメイン・グレイトフルSを快勝!
-:このコーナーもこれが今年最後の更新になると思います。たまにはこんな質問も伺うと、年明けのスケジュールはどうなりますか?
圭太:主に中山になります。中山金杯ではブラックバゴ(牡6、美浦・斎藤誠厩舎)、シンザン記念ではアンブロークン(牡2、美浦・手塚厩舎)に乗せてもらう予定でしたが、回避してしまったようで。ただ、京都には向かう予定です。東京開催初日は東京ではなく、中京に行く予定です。
-:JRA通算1000勝にも、あと59勝ですか。振り返ってみれば、9月以降はコンスタントに勝ち星を挙げられていると思います。
圭太:そうですね…。色々噛み合ってからは、順調といいますか、取るべきところはしっかり取れていると思います。このペースでいければ、上半期中には達成できるかもしれませんね。
-:一時は月3勝、4勝なんて時もありました。
圭太:そうですね。なかなか噛み合わず不甲斐ない思いもしましたし、今でももっと騎乗依頼がなくちゃいけません。それも自分が招いたミスですからね。そこはしっかり取り返していくつもりでやっています。でも、いま取り組んでいることがあって、それが上手くハマっている感覚があるんですよね。
-:それは技術的なことなのか、精神的なことなのか、どんな影響がありそうですか?
圭太:両方ですね!
-:それは楽しみですね。年明けは4日から、また話を伺わせていただくのですが、今年もこのコーナーを観ていただいた読者へコメントもいただけないでしょうか。
圭太:今年も応援いただいたファンの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。目立ったところもなく、「もう少し頑張れよ」という声も聞こえるのですが、来年は今年の悔しさを挽回できるよう頑張りたいですね。ただ、自分自身で楽しみにしている部分も大きいですし、その手応えもあります。とはいえ、今年も初めてクラシックを勝たせていただいたことは今でも光栄に思いますし、来年はG1ももっと勝てるよう努力したいですね。
-:今秋のペースでいければ、今年のトータルの成績は上回ってくるでしょうからね。僕も改めて楽しみにさせていただきます。では、今年もありがとうございました!
圭太:ありがとうございます!
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は1月4日に更新いたします。今年一年も戸崎騎手へのご声援、ありがとうございました!来年は順調なら1000勝達成イヤーとなりそう。競馬ラボでも大いに盛り上げていきたいと思います。
また、戸崎騎手への質問やこんな企画をやってほしいという意見があれば、keita_tosaki@keibalab.jpまで[お名前またはペンネーム]をお書き添えの上、メールでご連絡ください。いつでも募集しております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。