'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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【番外編(下)】戸崎騎手から観たルメール、モレイラのすごさ&2018年のベストレースとは?
2019/1/31(木)
2018年を回顧するインタビュー後編。ここからは昨年から取り組み始めた試み、去年に続いての種牡馬傾向、そして、これまで滅多に聞いたことのなかった外国人騎手の特性なども直撃。通常更新の毎週末の話題から離れたテーマもお楽しみいただきたい。
-:ここ最近の1週間のスケジュールはどんな感じなのですか。
圭太:今は忙しいですね。月曜日はまるっきりオフにしているんですけどね。まあ、まるっきりオフと言っても、いくつかはやることがあるんですけど、火曜日からトレーニングをやって、水曜日は毎日やっていることもあるし…。
-:火曜日は自分でやっているのですか。
圭太:自分でやっていますけどね。水曜はトレセンに行って、午後はまたやって。毎日やらないといけないことがあるので。
-:それは、去年から新たに取り入れられているトレーニングの宿題として課せられているわけですか。
圭太:宿題というか、毎日やるべきことというか、続けていることですね。
-:木曜日には以前からのジムも。
圭太:行っています。
-:他にもスポーツはされていたそうですが、最近はあまりやられていないようで。
圭太:そうですね(笑)。段々トレーニングもキツくなってきて、やっぱりそれをやるよりも、今は一杯あるので。
-:でも、もちろんジョッキーの方も体力はあるとは思うんですけど、それだけ続けてやってこられてもしんどい訳ですか。
圭太:筋肉痛にもなったりしますしね。必要かどうかというのは色々な人の意見があるから分からないですけど、僕には必要だと思うのでやっていることで。ただ、自分では見つけられたやるべきことはハッキリしているので、それで突き詰めていければなと思いますけどね。
-:ルームに入られてからもやりますか?
圭太:自室でやっていますね。といっても、ストレッチ的なことですけどね。そんなに激しいことはやらないですよ。
-:体の動き方とか、以前より良くなったと感じる部分はあるのですか。
圭太:自分的には感じられています。通っているところの先生も色々見つけてくれて、気付かせてくれる部分もありますし、感謝していますね。
-:去年も伺ったんですけど、血統に関してのイメージをまた教えていただければと思います。皐月賞を制したオルフェーヴル産駒はいかがですか。
圭太:オルフェーヴルはやっぱり気難しさはあるイメージですね。その時の調子で気性の度合いも変わってくるというか、苦しい時には多分、嫌気を差しちゃって、走らなくなったりだとか、調子が良い時は勢いで走っちゃったりだとか、何かそんなイメージのある馬ですよね。
-:あまりデキが良過ぎても良くない感じですか。
圭太:いや、デキが良い分には良いんじゃないですか。勢いで走っていっちゃいますもんね。そんな感じがありますね。やっぱり揉まれたら弱い感じもありますね。
-:エポカドーロも揉まれ弱さもあるのですか。
圭太:どうなんですかねぇ。ガチャガチャに揉まれたことがないので分からないところですね。
-:皐月賞も番手は番手なんですけど、離れていましたからね。
圭太:そうですね。菊花賞で少し揉まれたというのはありましたけどね。菊花賞は距離の部分もあるので、度外視できるかなというのもあるし、何とも分からないですが、これからですね。
-:産駒は全体的にあまり速い脚、瞬発力はない感じですか。
圭太:そうですね。どちらかといえば、パワー寄りでしょうか。
-:ロードカナロアはいかがですか。
圭太:色々なタイプの馬が出てきますけど、基本的には賢いというか、真面目というか。ただ、テンションが上がりやすい部分がある感じですかね。扱いやすいとは思いますけどね。
-:確かに、それは聞きますね。アーモンドアイもJCの馬場入りとかを観ていたら、確かに聞いていた通りに煩いところがあるのかなという感じはしましたけど、レースに行ったらそんなでもないですよね。
圭太:そうですね。あの馬に関しては、精神的な部分は良くなっているのかなというのは感じますね。ドッシリしてきているのかなという。
-:他のインタビューを読んでいたら「秋華賞の時の方がもっと煩かった」なんてことを目にした記憶があります。
圭太:ロードカナロア産駒も成長は少なからずあるとは思いますけど、ただ、完成されるのは早いのかなという気はしますけどね。
-:そんな感じはあるのかなという気はしますね。改めてルーラーシップ産駒はどうですか。
圭太:何か掴みところがないというか、気難しさがある感じですかね。緩さもあるし、段々と気難しくなってくる感じですね。扱いは難しいような。
-:データで調べたら、外枠の方が成績は良かったですね。
圭太:揉まれるのも嫌うんじゃないですかね。
-:あと跳びも大きいですからね。
圭太:そうですね。緩いというか、全体的にそういうイメージはありますね。
-:ハービンジャー産駒はどうでしょうか。
圭太:ハービンジャーもテンションが高くなるイメージがあるんですよね。返し馬で汗ばんだり。その中でもレースはちゃんと走ってくれるのかなと。揉まれても平気でしょうし、強気で、強引な競馬でも対応出来ちゃうというイメージがありますね。
-:しぶといレースになった方が。
圭太:そうですね。そういうイメージがありますね。
-:続いてノヴェリスト産駒はどうですか。
圭太:ノヴェリストはまだ…。この間重賞(京成杯のラストドラフト)を勝ちましたけどね。悪いイメージはないですけどね。まだ、そんなに一杯走っていないので、何ともですけど。
-:改めてゴールドアリュール産駒はいかがでしょうか。
圭太:ダートで走るというイメージですね。距離が延びると、傾向としては良くないイメージはありますね。力はあるのに、距離だけでこんなに走れないのか、という。
-:やっぱりワンターンの方が良いですか。
圭太:そんなイメージはありますかね。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。