'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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さあエポカドーロと中山記念へ!明け4歳初戦 貫禄みせるレースなるか?
2019/2/22(金)
名コンビの復帰戦へ。昨年の皐月賞を制し、クラシック3冠をともに戦い抜いたエポカドーロとのタッグが久しぶりに帰ってくる。状態面が伴わなかったことから、菊花賞以来となる4ヶ月ぶりのレース。年長馬との初対戦。未知な部分はあるが、このコンビを待ちわびたファンも多いことだろう。久々の中距離戦という点もポイントとなりそうな一戦へ挑む手応えを中心に語ってもらった。
-:今週から中山、阪神開催に舞台は替わりますが、まずは今年初のJRA G1となったフェブラリーS(G1)について触れられればと思います。サンライズノヴァ(牡5、栗東・音無厩舎)と挑まれ、7着。前走の根岸ステークスよりは健闘していると思いますが、4着の昨年と比較して、この馬の持ち味が活きる展開でなかったところも。騎乗されての感触はいかがでしたか?
圭太:根岸Sがあまりに見せ場のない負け方で、今回もどうなんだろうな…という思いは正直ありました。敗因がわからなかったですからね。ただ、レースについては前走よりも動けてはいましたし、結果は不本意ではありますが、内容としては不可解な結果だった前走とは違いました。
-:中間の追い切り内容などをチェックしていると、根岸S前よりも動かしている印象。そこでピリっとしてくると思いましたが、またしてもプラス体重。そこはどうなんでしょうか。僕はビックリしましたね。
▲返し馬を行うサンライズノヴァ
圭太:う~ん…どうでしょうかね。決して乗っていて、太いな、絞れていないな、という感触はなかったですし、ハッキリとした変化はなかったのですが、結果的にはそういう影響もあったかもしれません。小さい馬ならともかく、大柄な馬ですからね。
-:考えれば、前年度よりも臨戦課程は密なローテでしたし、そういった影響もあったのかなとは僕は思いました。さて、今週は中山記念(G2)ですが、エポカドーロ(牡4、栗東・藤原英厩舎)と挑まれます。G1馬5頭ということもあり、注目度の高いレースですね。
圭太:ええ、中山記念は毎年、強豪馬が多数出てくるレースになりましたね。ただ、エポカにとっては条件的にも申し分ないですし、今年初戦に臨めることを嬉しく思います。楽しみな思いがありますね。
-:思えば去年は神戸新聞杯で躓いたり、菊花賞は距離も長かったり、と敗因はあったと思います。また、藤原先生のコメントをみても「秋は見た目には良かったが、中身が伴ってなかったかもしれない」という指摘もありましたね。
圭太:そうですね。まだ、先生とも具体的には話していないですし、中間、乗せてもらったわけではないので、状態は分かりませんが、リフレッシュされていると思います。あとは古馬とやりあうだけの成長も伴ってくれていれば、楽しみですよ。
-:また、この舞台は長く脚を使うような展開になりやすいですよね。
圭太:今年もマルターズアポジーがいますし、遅くなるということは考えづらいですから。それに雨予報もあるようで、周りが嫌がる条件でしょうが、この馬にとってマイナスにはならないですからね。
▲最終追い切りを行うエポカドーロ
▲昨年は同じコースで行われるスプリングSで好走
-:大阪杯へ向けても、弾みのつく内容になることを期待しています!土曜の中山では、4R(3歳500万下)のジャパンスウェプト(牡3、美浦・古賀慎厩舎)、水仙賞のボスジラ(牡3、美浦・国枝厩舎)などは過去に騎乗されていますね。
圭太:ジャパンスウェプトは一度使ってテンションが上がらないか、心配になるところはあるのですが、能力そのものは上にいってもというものでした。ボスジラは前走、結果を残すことができませんでしたが、新馬は強い内容でしたし、その後の2戦も堅実に走っていますからね。その走りを引き出せればと思います。
-:富里特別のパルクデラモール(牝4、美浦・鹿戸雄厩舎)は現級でもやれるんじゃないかと期待していますが、前走は外枠もこたえましたね。
圭太:距離に関しては前走よりも、今回の1800mの方がこなせそうなイメージはしています。ただ、ペースが上がった場合、ダラダラ脚を使わされる可能性もありそうですね。
-:日曜6R(3歳500万下)のエトワール(牝3、美浦・牧厩舎)は4戦目で初勝利。昇級になりますが、しぶとく走ってきそうなイメージを受けます。
圭太:そうですね。先生からも「成長をしている」と聞きましたし、楽しみです。コース替わりも問題ないと思いますよ。
-:ブラッドストーンSのルッジェーロ(牡4、美浦・鹿戸雄厩舎)はダ1200m戦で3戦目になりますね。
圭太:2走前に僕が乗せていただいた時は忙しさも感じましたが、慣れも見込めそうな雰囲気はありました。堅実な馬ですし、引き続き同じ条件。上を狙っていきたいです。
-:最終R(4歳上1000万下)のジオラマ(牡6、栗東・西園厩舎)は3・3・3着と4度目の正直となればいいですね。
圭太:これだけ続けて乗せていただけることはありがたい思いです。結果を出したいです。
-:次週からは新人騎手もデビューしますね。美浦のジョッキーの中で、「目標は戸崎圭太騎手です」と言っているルーキーを目にしました。ご存知でしたか?
圭太:そうですね。僕も直接喋ったり、アドバイスしたりなんてことはないのですが、報道で目にしました(笑)。
-:今後、接点が生まれてくるのか、気になるところですね。ちなみに、以前、伺ったかもしれませんが、ルーキー時代の戸崎圭太はどんな子だったでしょうか。
圭太:僕ですか?ただただ、勝ちたい、レースに乗りたい、何も考えていない子供でしたね(笑)。よく言えば、向こう気はあったかもしれませんが、そういった危うさもあって、デビューしてすぐにレース中に落馬して戦線離脱しましたから…。
-:ただ、元気はある若手だった。
圭太:それは言えますね。若さ、元気はあったはずですよ。
-:来週からはルーキーもライバルになってくるわけですが、ベテランの技に期待したいところです。先週のレース回顧も伺うと、フィスキオ(牡5、美浦・栗田徹厩舎)はどうでしたか?
圭太:1400mも大丈夫だと思いましたが、前半で置かれる形で位置取りの差が響きましたね。結果的に連闘という点も厳しかったかもしれません。
-:ヴァイトブリック(牡3、美浦・和田郎厩舎)は惜しい2着でしたね。
圭太:テンションが前回より高かったですね。気負いながら走ってくれましたが、勝てるかな…という走り。ただ、相手も強い馬ですからね。今後の伸びしろがあるはずです。
-:モクレレ(牡5、美浦・国枝厩舎)は序盤に色々スムーズさを欠くアクシデントがありましたね。
圭太:そうですね…。ただ、そこも対処しなくちゃいけませんから。結果、ズルズルと影響を受けた形になってしまいました。
-:しかも、プラス体重もどうだったかなとは思いました。
圭太:でも、追い切りでも状態は感じていましたからね。序盤が響きました。
-:タンタフエルサ(牡4、美浦・国枝厩舎)は結果的に先行する形がよくなかったですか?前をカットされたようにも見えましたが。
圭太:そういうイメージ、考えもあったのですが、ゲートを上手にでてくれましたし、内枠ですからね。ただ、こうやってしっかり流れに乗ってくれるなら、もう少し距離が短くてもいいのかもしれません。
-:ダイヤモンドS(G3)のララエクラテール(牡7、栗東・今野厩舎)は軽ハンデでしたが、馬場も合わなかったでしょうか。
圭太:51kgを活かせればとは思っていましたが、時計の掛かるような馬場の方が合いますね。
-:ちなみに、珍しい51kgでしたが、対処法はどうされていましたか?
圭太:前日の食事を軽くするくらいで僕はどうにかなりましたよ。汗取りもあまりしたくないのでね(笑)。
-:メイプルブラザー(牡5、栗東・山内厩舎)は伸びてくるだけ、と思いながら観ていたところ、意外な結果でした。
圭太:そうなんです。レースは上手くいきました。すんなり過ぎるくらいで、ヨシヨシと思っていたところ。いい時というか、本来なら、もっと伸びてきますからね。決してハイペースを追いかけたわけでもない、リズムよく、溜めもきいて、申し分ないと思ったほどです。
-:勝ち馬も強い競馬はしていましたが、不思議でした。グレイテスト(牝3、美浦・武市厩舎)は詰めの甘さを補うために速いペースで逃げることもあるのかなと思っていました。
圭太:う~ん、僕はああいう競馬がいいと思っていましたが、感覚とは違ったようですね…。
-:メイショウカスガ(牝3、栗東・高橋忠厩舎)は2着。目標にされる形でした。
圭太:レースなので、そういった事象はつきもの。3~4コーナーで早めに動かされる形がこたえましたね。タイミング的にも我慢できないレース展開でしたから。ただ、馬はセンスがよくて、乗りやすいですよ。
-:勝ち馬は4コーナーで脚を溜める一発狙いでしたもんね。今週はこんなところでしょうか。次週も中山での騎乗になりますね。引き続きよろしくお願いします!
圭太:よろしくお願いします。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は3月1日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。