'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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阪神大賞典を快勝!日経賞&マーチSで2週連続重賞Vへ
2019/3/22(金)
待望の初コンビで重賞制覇。そして、天皇賞へ。阪神大賞典では実戦で初コンビとなったシャケトラと勝利し、自身にとっても2019年2つ目の重賞タイトルを手にした戸崎騎手。高松宮記念が行われる今週こそ中山での騎乗となるが、いよいよ幕開けするG1戦線へ向けても弾みのつく勝利になったことは確かだろう。今週は土日ともに中山で16鞍に騎乗予定。引き続き今後へ繋がる騎乗を期待したいところだ。
-:先週は阪神大賞典(G2)をシャケトラで勝利して、今年の重賞2勝目、おめでとうございます!
圭太:ありがとうございます。本当に強い勝ち方だったと思いますね。追い切りからも状態のよさを感じていましたし、距離も難なくこなしてくれて、本当に強い勝ち方だったと思います。
-:僕も気にはしていましたが、レース前に懸念されていたこともあったかと思います。いかがでしょうか?
圭太:レースは初めて乗せていただいたので、折り合いですよね。距離が長いので、折り合いを欠いたら、そこで駄目になってしまいますから…。追い切りに乗せてもらった時はすごく乗りやすかったですけど、レースにいったら、テンションも上がると聞いていたのでね。やっぱり折り合いがどうかな、とも思っていましたのでね。返し馬も落ち着いていて、ゲートを出てからもスムーズに落ち着いてくれたので、その後はスムーズでしたね。
-:次走も視野に入れたレース選択だったかと思います。終わってみての感覚、手応えはどうでしょうか。
圭太:正直にいえば、3000mがベストのタイプだとは思いませんが、ただ、問題はなく走れてはいるので、この距離でも大丈夫だなと思います。
-:ある程度、流れた方がいいタイプですかね?
圭太:そう…かもしれませんね。これだけの勝ち方をしてくれましたし、手応えも感じていますので、本当に楽しみな一戦になるかと思いますね。
-:3000m以上の長距離戦はご自身、初勝利ということで、邪智なデータを先週吹き込みましたが(笑)。
圭太:そうですね。(インタビューで)いいネタにできました(笑)。でも、もともとあれだけの距離を走れる、こなせる馬もなかなかいないですからね。
-:しかし、今回が初騎乗ですが、むしろ昔よりも強くなったんじゃないかと思う気もします。
圭太:それは感じていますね。レース前も乗っていたジョッキーに聞くと、G1を勝てるような乗り味の馬だという感触、器だと思った、とも耳にしましたから。実際、僕もそう思いました。
-:長期休養の要因となったのは左脚の骨折だったと思います。その影響も感じることはなかったわけですよね。
圭太:ええ、それは全然なかったですね。
-:この後も無事にいってほしいですね。当日の馬場はどうでしたか?
圭太:ちょっとゆるいくらいですかね。
-:そして、今週は土日いずれも中山で騎乗。土曜の日経賞(G2)ですが、ルックトゥワイスと挑まれますね。
圭太:ずっと惜しいレースが続いていて、2走前の中山ではいい勝ち方をしてくれました。前走の日経新春杯もメンバーが揃った中で、いきなり2着ということで、能力があるところを改めて示したと思います。いいレースをしたいですね。
-:常に左回りを使われていましたが、右回りでも結果を残しましたね。
圭太:コーナーではモタモタするのはいつもで、東京の方が乗りやすいことは確かなのですが、長く脚を使うイメージなんですよね。どちらも得手不得手あるでしょうけど、大きくは差のないところかと思います。
-:土曜中山では、ミモザ賞のエトワールはどうでしょうか?休み明けの前走は3着でした。
圭太:一度使ったことでよくなると思いますし、とても乗りやすい馬なんですよね。競馬も組み立てやすいので、1戦、1戦、大事な時季になってくるので、いい仕事をしたいと思います。
-:日曜はマーチS(G3)でヒラボクラターシュに初騎乗されます。
圭太:先行力があって、乗りやすそうなイメージを受けますね。スムーズに運べれば、この相手でもやれる馬じゃないでしょうか。交流重賞で勝っていますが、JRAの重賞でやれても不思議ではないです。
-:日曜最終R(4歳上1000万下)のシアーラインは7戦ぶりに騎乗されます。
圭太:いい馬ですね。競馬はしやすいですし、僕はいいイメージを持っています。東京で勝っていますが、中山の方が合うんじゃないですかね。
-:美浦ステークスのシンギュラリティも昨年来の騎乗ですね。
圭太:ええ、こちらもいいイメージです。新馬で乗せてもらった時はダートでしたが、その後も活躍していますからね。
-:8R(4歳上500万下)のアークカンパネラは距離が短くなりますが、前回のレースを踏まえると、プラスになりそうですか?
圭太:馬はすごく調子がいいと感じますし、力を出し切れていないところもありますからね。
-:これはジョッキー自身からの意見もあっての条件替わりですか?
圭太:そうですね。イメージどおりにいくような気はしています。
-:5R(3歳500万下)のヴォイスオブジョイも惜しい競馬が続いています。
圭太:そうですね。スタートで挟まれてしまったり、2走前は直線で進路がなかったりと、スムーズさを欠いているので、チャンスは十分じゃないでしょうか。
-:再びレース回顧をお願いします!ウェルカムゴールドは強かったですね。
圭太:ノド鳴りの手術明けで、ノドの感じもよかったですね。以前のレースでは序盤からついていけないところも見受けられましたが、スタートも出て、スムーズについていってくれましたね。ここでは力が違ったなと思います。
レース後、ウェルカムゴールドを管理する西村調教師と
-:レイズアベールとミスエルテはどうでしたか?
圭太:レイズアベールは追い切りに乗せていただき、クセの強さを感じていました。道中は上手に走ってくれたのですが、4コーナーでゴチャついて、スムーズさを欠いてしまいました。ミスエルテは返し馬で乗り味のよさを感じましたが、レースにいったら、気性面がわざわいしている印象を受けましたね。
-:ベルヴォワは初騎乗でしたが、未勝利戦を制しましたね。
圭太:返し馬からいい雰囲気で、大外枠もよかったですね。スタート、二の脚と気持ちが乗ってこないところがあるのでね。外枠で邪魔されずにつけられましたから。距離ももう少しあってもいいのかもしれないですね。
-:先週土曜のオスカールビーは押し切ったかと思いましたが…。
圭太:上手くいったと思ったのですが、勝ち馬が上でしたね。
-:エンヴァールは久々のダートでしたね。いい勝負になるのではないかと密かに期待していました。
圭太:ダートがよさそうな気はしていたんですけれどね。気持ちももう一つ乗っていなかったのかもしれません。
-:エクリリストワールは道中の雰囲気をみると、難しさも残っていますか。
圭太:そうですね。前掛かり過ぎというか、収めにくいところがあるのでね。初めてのダートでそれ以外は上手に走っていて、勝てる力はあると思いますが。
-:砂をかぶるのは問題なさそうですね。
圭太:そういったところは大丈夫ですね。あとは気性面ですかね。
-:次週は大阪杯、再来週は桜花賞、続いて皐月賞。G1での騎乗も続きますが、こちらも楽しみにしております。来週もよろしくお願いします!
圭太:よろしくお願いします。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は3月29日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。