'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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大激戦の皐月賞は連覇ならず3着 今週は福島&東京で牝馬重賞に騎乗!
2019/4/19(金)
クラシック第一冠は惜しくも連覇ならず。ダノンキングリーに騎乗した皐月賞は上位3頭が後続を引き離す結果の中、タイム差なしの3着に終わった戸崎騎手。初めての距離、コーナー4つの競馬など課題もあった中での一戦。着差は極めて僅かだったが、次戦の日本ダービーへ向けて得た、課題・収穫はあったのか。G1シーズンのG1谷間週ということもあり、皐月賞の回顧を中心に語ってもらった。
-:今週は皐月賞が終わったばっかりなので、ダノンキングリーと挑んだ皐月賞(G1)の回顧から伺えればと思います。数日経って、レースも振り返られたと思いますけど、いかがだったですか。
戸崎圭太騎手:悔しいですよね。どうにか出来たんじゃないかという部分もありますけど、ただ、全体的にベストを尽くせたレースかなとは思っています。
-:そこの「どうにか出来た」というのは、微々たる部分ではありますね。
圭太:そうですね。でも、挙げればいくつでもこうすれば良かったなという部分は出てくると思うんですけど、それは今後に活かせるように、という感じですかね。
-:語れる領域だと、どういったところになりますか。
圭太:道中、一生懸命にはなっていたので、その辺、どうにかもっと落ち着かせることが出来たんじゃないか、もう少し楽に走らせればもっと良かったんじゃないかとか、そういったところですね。挙げればキリがないと思うんですけど、やっぱり常々言うように完璧なレースというもののはないと思うので、そんな中でベストは尽くせたレースだったかなと思いますね。
-:「一生懸命になっている部分」というのは、レース後にも検量室でおっしゃっていたと思うんですけど、それは前回と比較すると、前回の方が明らかにペースは遅かった訳じゃないですか。そこの比較としては、前回よりもそういうところがあったということですか。
圭太:そうですね。あのペースの中でも、前走と同じくらいの感じにはなっていたので、馬に負担が掛っているのか、掛かっていないのか分からないですけど、我慢は利いていましたけどね。その中でも、どれだけリラックスさせるか、というのが騎手の技術だと思うので、その辺は答えが出ないんですけど…。
-:トレセンでも見られていたと思いますけど、パドックで見た雰囲気というのは、乗った感触で何か変化、そういったところを感じられる部分はありましたか。
圭太:今回は、精神的な部分がドッシリしたな、という感じを受けましたかね。余計なことをしないというか、普段はすごくヤンチャなんですけど、そのヤンチャっぷりも少し落ち着いた感があると思うので、集中が増したというか、そういう部分は感じられましたね。
-:でも、ドッシリしてきていても、厩舎スタッフの方は2人で曳いていましたね。
圭太:まあ、そうですね。
-:一応、対策というか、予防というか。状態面は、戦前もおっしゃっていたように、前回から大きな変わり身というのは、そこまでなかった感じですか。
圭太:いや、あの馬に関しては、調子は上がっているんじゃないですかね。だからこそ、道中の手応えが良くなっているのかなと思いますね。
-:パドックで見た時は、僕もデキはすごく良いのかな、という感じはしたんですけど、やっぱりその分もあったかもしれないと。枠は木曜日に決まっていたのですが、レース運び、道中のポジションはイメージしていた通りだったのか、どうでしょうか。
圭太:イメージ通りでしたね。イメージよりも上手くいったかなと。
-:1番の馬が…。
圭太:そうですね。1番のアドマイヤマーズがどう出るかな、という意識はあったので。
-:僕もアレっ?という感じでした。こんなにスンナリ行くんだなと。ちょっと厄介に感じていたのは、サートゥルナーリアが外にいましたし、スタートが速いので、早めに来られた時にどうなのかなという思いがありましたが、あまり早めに来られることはなかったですかね。
圭太:ペースも流れていましたからね。といっても、そんなに先に行く馬がいなかったですからね。隊列もすんなり決まりましたし。
-:3角以降はどうだったですか。
圭太:雰囲気も良くて、直線はどこを捌こうか、というポイントがありましたが、スムーズに捌けましたし、それは良かったなと思っています。
レース1周目と最後の直線での攻防
-:直線に掛けての攻防と言うと、内外で離れていたと思うんですけど、その影響はあったのですか。一般的には併せていた方が良いのかな、という気がするのですが。
圭太:この馬に関してはそうでもないと思いますね。センスもあるし、走り出せば真面目な馬なので、特に問題はなかったと思いますね。
-:どちらかと言えば、気性は前向きな訳で、あまりそこまで影響はなかったと。直線は、一旦は先頭に出たのですか。
圭太:いや、出ていないですね。
-:見方によっては出ている感じがしたのですが。
圭太:出ていないですね。並んだ感覚はあったのですが…。
-:それは、向こうがちょっと接触しているくらいの時ですか。
圭太:そうですね。
-:それで、向こうがちょっと減速した感じだったのですか。
圭太:細かくみるとすれば、そうだと思いますね。
-:次に向けて逆転出来る要素があるのかなと、色々考えて見ていたんですけど、いかがでしょうか。
圭太:終わってみれば、あの3頭は力上位じゃないかなという結果でしたね。ダービーは、あの2頭が強敵になるだろうし、あの馬たちを負かすには、ということを考えていくと、面白いなと。色々作戦も練らなきゃいけないですし、2400に対応するには、ということで色々考えなきゃいけないですからね。そういうことを考えていくと、面白い感覚ですね。
-:前回も最内枠ではありましたけど、今回も馬群の内で競馬していました。次の枠順も出ていないので、どうなるか分からないですけど、内枠になった場合でも、もう心配ない感じですね。
圭太:そうですね。
-:あと1カ月半くらいですが、もちろん他のレースもあるので、そのことも考えつつ楽しみに出来る時間ではある訳ですね。
圭太:そうですね。どちらかといえば、強いて挙げるなら東京コースの方がいいようにも思えたのでね。
-:日曜日の馬場は基本的にいかがだったですか。
圭太:僕は、内外あまり変わりはないなという感じでしたけどね。
-:土曜はちょっと(時計が)掛かっている感じがしたんですけど、日曜日は風も吹いていたので、乾いたのかなという感じがしたのですが、そんなことはなかったですか。
圭太:土日で、全体的に内外の差は、という感じでしたね。でも、硬さはありましたよね。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。