'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月25日時点1561勝
大激戦の皐月賞は連覇ならず3着 今週は福島&東京で牝馬重賞に騎乗!
2019/4/19(金)
-:話題は変わりますが、今週のレースについて、幾つかお願いします。福島牝馬S(G3)のランドネには何度か乗られています。
圭太:ランドネに関しては、前走(中山牝馬S13着)が力を出し切れずに、直線で詰まった感じでゴールしてしまったので、本当に失敗のレースでしたし、関係者には申し訳ないレースでした。ここでシッカリ巻き返して、力を出し切って良い勝負をしたいなと思います。
-:スペースがほぼなかったですか。
圭太:そうですね。開いていれば、上位にもいたのではないかと思います。
-:前回乗られて、何か変化はありましたか。
圭太:ガラッと変わってきているというのはないですけどね。力は徐々に付いてきているところはあるのかな。
-:コース的な部分はいかがですか。
圭太:福島は問題ないと思いますね。今回は頭数も落ち着きましたし、激しいレース展開にもならないでしょうから、先行力も活かせると思います。
-:もともとは乗りやすい馬ですよね。
圭太:乗りやすいですよね。先行も出来ますし、折り合いも付きますし。
-:自身も久々の福島でもありますし、良い結果を残せれば、という感じですね。日曜日のフローラS(G2)ではウィクトーリアの追い切りに乗られたと思いますが、どうだったでしょうか。
圭太:(母は秋華賞馬という)良血馬らしい良いフットワークをする馬で、能力を感じますね。
-:この馬は追い切りだけしか乗られていないので、追い切りの話しか出来ないと思いますけど、追い切りに乗る前に先生と話をされたと思いますが、どういった指示、注意点がありましたか。
圭太:「追い切りで前に行くのか、後ろから行くのか、好きにして良いよ」と言われましたね。
-:それは追い切りだけの話ですか。レースに関しても、ですか。
ウィクトーリアの最終追い切りに騎乗
圭太:追い切りですね。レースでは行った時しか競馬で結果が出ていないので、その辺を懸念材料として言われましたし、僕もそれは感じていました。「全体としてはメリハリを付ける追い切りではなくて、全体的にユッタリと息をつくる感じで乗って欲しい」ということは言われたので、そんな内容でしたね。ただ、先に行って、という感覚よりも、後ろから行っても(折り合いは)付きそうだったので「今回は後ろから行った時の手応えを逆に感じたかったので、後ろから行きたいです」ということで、こういう形を取ってもらいました。
-:実際にレースではどうされるのでしょうか。
圭太:先生も「ハナを主張してもらいたい」ということは言っています。同型馬も行くような話もしているので、どういう形になるかは分からないですね。
-:前回のミモザ賞の競馬っぷりは3着馬(エトワール)に乗られて見ていたと思いますけど、実際に乗られて、距離的な部分は、東京コースでも問題なさそうですか。
圭太:問題ないですよね。
-:比較は出来ないでしょうけど、状態に関しては。
圭太:はい。そこはいいと思いますよ。
-:日曜日の中では、初出走の(3歳未勝利の)サクラトスカーナはいかがでしょうか。
圭太:水曜の追い切りに乗りましたけど、雰囲気のある馬で、前向きさもあって良い感触でした。
-:(3歳未勝利の)カンパーニャはどうでしょうか。
圭太:前走はスムーズな競馬をさせられなかったのでね。ずっと使っていて、段々と疲れも見えてきそうな感じでした。今回はリフレッシュしてのレースなので、良い走りを見せられるかなと思いますね。
-:(4歳以上1000万下の)フィスキオはいかがですか。前回は連闘、距離短縮とありました。
圭太:そうですね。連闘が大きかったですね。東京コースは上手に走って、力も上位だと思いますので、チャンスでしょうね。
-:何となく今回の方が相手も楽なのかなと。それにしても、戦歴が東京か中京に特化しているのですが、乗った感じでは、この馬に関しては左回りじゃないと、というところがあるのですか。
圭太:どうなんですかねぇ。それよりも、ワンターンが良いと思います。
-:先週のレースにもう1回戻らせていただきたいのですが、(春興S3着の)キロハナはいかがだったでしょうか。
圭太:最後は良い脚でしたけど、やっぱり前半で急がせてしまうと、最後の切れを阻害してしまう感じもあるので、先生からも「あまり前に行くよりも、溜めて」という話がありました。ああいう競馬の形になりましたけど、広いコースの方が良いかなと思いますね。
-:中山という感じではないのかなと。
圭太:そうですね。中山だとちょっと嵌まらないと、というところがあるかもしれないですね。
-:(鹿野山特別の)モクレレは2着に頑張っていましたが。
圭太:久し振りに走れたんですけど、ある程度、極端なレースの方が良いイメージがありますかね。スムーズな競馬よりも、こういった形の方が良いかなと思いますし、あとは体重も絞れてきているのも良かったんだと思います。調教でも難しいところがあるようなのでね。
-:(3歳未勝利1着の)ハニーディスタフは馬具の効果もあったのですか。
圭太:多少は効いていたのかなと思いますけど、すぐに外して、競馬を覚えさせるようなレースをした方が良いのかなと思いますね。直線で遊ぶというか、シッカリ伸び切れていないところがあるのでね。能力はある馬だと思うので、その辺を教えていけばという感じですね。
-:(3歳未勝利2着の)トゥーフラッシーはいかがですか。
圭太:乗りやすい馬で、すぐに勝つチャンスはありますね。
-:けっこう使っているんですけど、疲れはあまりないですか。
圭太:うん、大丈夫そうですね。
-:(山藤賞4着の)ヴァンケドミンゴはいかがでしたか。
圭太:直線でスムーズじゃなかったですね。力を出しきれずの競馬でしたから、スムーズだったら勝っていたんじゃないかと思います。競馬も随分上手になってきているとも感じました。上手く成長は出来ていると思いますね。
-:(4歳以上500万下6着の)アングレームはどうだったのですか。
圭太:う~ん、距離が短い方が良いですかね。
-:(3歳500万下2着の)フィルムフェストはいかがでしたか。
圭太:追い切りに乗ってもすごく良い感触でした。スムーズに走れば自ずと勝つのかなと思っていたんですけど、ちょっと坂で堪えたというか、まだ力が付ききっていない印象でしたね。
-:この血統だと、けっこう中山は良さそうですけど、逆にあまり良くなかったという感じですかね。
圭太:坂だけですかね。センスは抜群にある馬ですから。
-:来週の騎乗については、東京、京都、新潟で良いのですか。
圭太:そうですね。やっぱり既に京都でも乗せてもらう馬はたくさんいたので。
-:天皇賞で乗る予定だったシャケトラは残念な結果にはなってしまいましたが…。
圭太:残念ですね。美浦トレセンで耳にはしたのですが…シャケトラの冥福を祈りたいです。
-:それと、今週から東京・京都開催も始まります。中山まで振り返られていかがですか。
熊野マネージャー:中山の芝で勝っていないからね。
圭太:え?中山の芝を勝っていないの。
-:でも、複勝率は40~50%ありますからね。
マネ:2着、3着は多いからね。去年(12月23日、グレイトフルS)のルックトゥワイス以来、勝ってなくて、60何連敗しているらしいよ。
圭太:ああ~、暮れの。知らなかった。
-:阪神大賞典の前でも、3000以上は未勝利だと僕が言ったじゃないですか。それで勝ったので、今週は絶対にこれを言った方が良いなと思ったんですけど、言い忘れちゃって。
圭太:何だ。そしたら絶対に勝っていたのになぁ。違うか。
-:僕もダノンキングリーはチャンスがあると思って、テンションが上がって聞いちゃっていたので、言おう、言おうと思って忘れちゃったんですよね。
圭太:それは知らなかったわ。聞いてたら、そのコメントは使ってましたよ。
マネ:でも、レースがなかったからかな。
-:そうですね。冬場だから、ダートの方が多いですからね。
圭太:そう言ったって、チャンスがある馬で勝てていない部分があるだろうから。
マネ:もちろん取りこぼし的なものはあるわけで。
-:でも、惜敗も多かったですよね。すごく僅差のレースも多かった気がしますね。
圭太:それを聞いたら、情けないですね。
-:予想家の人でも、それをネタにしている人もいましたよ。
圭太:ああ、そうなんだ。じゃあ、次開催は。
-:次開催は、それこそ秋までないですからね…。
圭太:じゃあ、秋ですね。9月は芝をもっと研究して、シッカリと。
-:その頃になると、忘れているんじゃないですかね。
圭太:忘れないんじゃないかな。だって、ショックでしょ。情けないですよ。
-:日曜日の皐月賞までにモクレレ、レッドクーゲル、フィルムフェストが2着3回だったので…。
圭太:その結果は情けないですね。勝たないとダメですね。秋はそれをちょっと反省して。
マネ:単純に考えて、重賞を勝っていないでしょ?
-:今年は共同通信杯と阪神大賞典ですね。
圭太:でも、この間、昔の自分の映像をみたんだけど、こんな乗り方をしていたんだ、と思いながら…。
-:変化も感じられる部分があったと。天皇賞は残念なことになってしまいましたが、改めて東京開催でもG1が続きますし、いい結果を期待しています。
圭太:ありがとうございます。
-:ありがとうございました。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は4月26日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。