'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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グローリーヴェイズと初タッグ!天皇賞・春に自身3度目の挑戦でVなるか
2019/4/27(土)
巡ってきたチャンスをモノにするか。平成最後のG1・天皇賞(春)は、本来はシャケトラと挑む予定だった戸崎騎手。ご存知の通り、パートナーは残念ながら逝去してしまい、乗り鞍がなくなったところ、グローリーヴェイズと初コンビを組むことになった。最終追い切りでは初めて背中を確かめ、ジョッキー自身にとっては流れを掴みたい一戦。日曜、月曜、次週の話題も含め、意気込みを明かしてくれた。
-:今週は土曜の東京に続き、日曜の京都、月曜の新潟と続きますね。天皇賞・春(G1)は急遽、グローリーヴェイズに騎乗されることになりましたが、こちらもテン乗り(3日間開催の重賞騎乗馬、土日はテン乗り)。追い切りの感触を伺えればと思います。
グローリーヴェイズの最終追い切りに騎乗する戸崎騎手
圭太:率直に乗りやすくて、賢い馬ですね。もともと映像をみていて、乗りやすそうに感じていましたが、その通りでしたよ。先生からは『先週にしっかりやっているので、あとは反応をみてくれれば』という話。乗った雰囲気では、状態もよさそうでした。
-:レースはどんなイメージでしょう。枠順も既に決定しましたね。
圭太:乗りやすい馬なので、臨機応変に対応できそうですが、末脚がいい感触ですね。ただ、枠は欲を言えば、枠はもう少し内でもよかったと思います。
-:ただし、今年は13頭と頭数が少なめ。内に先行馬もいるので、潜り込みやすい年ではないでしょうか。
圭太:それは言えますね。
-:ちなみに、今週も「悪いデータ」を持ち出すと、関西圏G1の戸崎さんは買えないという声をよく耳にします。阪神では馬券圏内があるものの、京都では17戦で馬券圏内がゼロです。芝3000m以上の距離のG1でも馬券圏内ゼロ。
圭太:ハハハ、そうらしいですね。
先週はシルクホースクラブの勝負服で重賞勝利
-:ただし、平均8.1番人気に対し、平均8.4着。人気通りといえば、人気通りですが…。僕の意見で気になるのは、馬は決して馬格があるタイプではないだけに、初めての58kgがどう出るか、です。ジョッキー自身は天皇賞・春に久々の騎乗となりますが、意気込みをお願いします。
圭太:振り返ってみると、天皇賞・春はあまり縁のない舞台でしたが、もともとはシャケトラと挑む予定でした。前走の阪神大賞典での勝ちっぷりには素晴らしい手応えを感じていたのですが、残念なことになってしまいました。また、こうしてチャンスをもらえることを嬉しく思います。平成最後のG1でもあり、伝統のレースですからね。節目のレースで名を残したいです。
-:勝負服もフローラSと同じですし、2週連続重賞勝利となるといいですね。月曜の新潟大賞典(G3)は結果的にランガディアに騎乗されますね。
圭太:ええ、久々のコンビですが、条件は合うのではないでしょうか。新馬戦も新潟で強いレースぶりだったことを覚えています。
-:日曜の端午ステークスではジャパンスウェプトに騎乗。前回は芝でいい走りをできませんでしたが、ダートに戻ります。遠征、勝った時よりも長い距離など、課題はありますね。
圭太:ダートは強い勝ち方をしてくれていますからね。ただ、テンションの危うさも抱えていることは事実です。相手も強くなるので、どこまでやってくれるか、というところでしょうか。
-:前走、昇竜ステークス組が中心ですが、昇竜Sもハイペース。流れは向きそうですが、強い相手ですよね。月曜新潟1R(3歳未勝利)のトゥーフラッシーは前走が好内容でした。
圭太:未勝利では上位の存在ですよね。競馬も上手で、たとえ内枠だったとしても、対応してくれそうです。
-:火打山特別のサトノブレイズは前走が行った行ったの競馬でした。昇級してどうでしょうか。
圭太:能力は秘めているのですが、もたれるところがあったのは気がかりですね。左回りも久々のようなので。
-:平成最後の新潟のレース、最終レース(4歳上500万下)のモンテルースは久々の騎乗です。
圭太:未勝利を勝たせていただいた時は楽勝といった内容。それだけに、以降の不振が不可解に思ったほどです。気性面なのかな…。ただ、あの勝ちっぷりなら、通用して不思議ではないので。
-:最後に次週は、木曜に行われる兵庫チャンピオンシップ(Jpn3)でヴァイトブリックに騎乗されますね。
圭太:とにかくレースが器用なイメージですね。砂を被っても問題ないですし、対応力に長けています。相手は強そうですが、そこを活かしたいですね。
-:強い相手もいますが、園田の重賞は競馬の上手さも求められますね。次週は土日、東京とのこと。引き続きよろしくお願いします!
圭太:ありがとうございます。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は5月3日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。