'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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5週連続東京G1開戦!NHKマイルCはヴィッテルスバッハのコース替わりでもうひと伸び魅せる
2019/5/3(金)
5週連続東京G1が開幕。天皇賞(春)では急遽グローリーヴェイズとのコンビで挑んだ戸崎騎手。結果はタイム差無しの2着と馬券圏内だったものの、皐月賞に続き、またしても惜敗、そして、ルメール騎手の後塵を拝する格好になってしまった。今週からは安田記念まで続く、東京競馬場でのG1シリーズが開催。ここまでの惜敗続きのうっぷんを晴らすことができるか。まずはヴィッテルスバッハと挑むNHKマイルC、先週の天皇賞を中心に語ってもらった。
-:まず、先日の天皇賞・春(G1)はグローリーヴェイズに騎乗され、惜しくも2着でしたね。一瞬、勝ったかと思うところはあったのですが…。
戸崎圭太騎手:差が差だけに悔しいですね…。競馬なので、細かい部分は言い出したらキリがないですけど、追い切りで乗りやすさと賢さは抜群だと思っていて、レースに挑むにあたっての不安はありませんでした。実際、スタートも出てくれて、スムーズな競馬はできましたからね。
-:展開は予想される範囲内でしたか?
圭太:もう少し流れるかなと思いましたね。前半こそ速かったですけど、中盤は緩みましたからね。レース前は先生からは「切れ味や速い脚というよりは、エンジンの掛かりが遅めでジワジワ伸びる」と聞いていました。加えて「新潟で勝った時のイメージで乗ってほしい」と言われていたので、前目の競馬は意識するよう言われていましたね。
-:僕も当日の馬場を考えると、後方からでは厳しいですし、前目か中団の馬がいいのかなと思いました。新潟での競馬もイメージしていたのですが、そういう競馬を意識されていたわけなんですね。ただ、決して馬格のある馬じゃないだけに、58kgという斤量はどうでしたか?
圭太:全然問題なかったですね。折り合いも問題なく、運べたと思います。
-:先程レースの中盤が緩んだという話でしたが、後半に掛けての動きはどんな考えでしたか?
圭太:いい雰囲気でしたよ。1~2コーナーの部分でガクっとペースが落ちましたが、前のフィエールマンが前掛かりになって、行きたがっていたように見えて、「しめしめ」と思ったものですが。
-:そうでしたね~。同じく思いました。
圭太:こちらはペースが落ちても対応できる馬だったので、そこは有利だと思いましたが、その後は、僕の馬も前半で楽に運べているので、早目に踏んでいっても、脚はあると思いましたし、イメージ通り踏めましたし、4コーナーで向く時はこちらの方が手応えは優っているのかと思ったほど。ただ、直線に向いてからは勝った馬の底力、貫禄を感じさせられる競馬でした。伊達に菊花賞を勝っている馬ではないなと感じさせられましたね。
-:ちなみに、あの日の馬場はどうでしたか。超高速というほどでもないかなと思いました。
圭太:そんなに高速馬場というほどでもなく、硬さがなくて、むしろ走りやすいのかなと思いましたね。
-:惜しくも2着という結果でしたが、今後の路線や適した条件はどうでしょうか?前走は日経新春杯を制していますが。
圭太:決して長距離一辺倒ではないと思いますね。距離が延びて、周りの分が悪くなる分、持ち味が活きるのかなとも。決して長距離戦だけの馬、ということはないと思います。
-:そして、今週はヴィッテルスバッハとNHKマイルカップ(G1)に挑まれます。ニュージーランドトロフィーの3着を受けての結果になりますが、今回は東京コースにも替わりますね。
圭太:前走はスローで前残りの中、一頭だけ凄い脚で伸びてきてくれたのですが、そう考えると、東京に替わるのはいいんじゃないかと思います。さらなる期待を持って挑めそうです。
-:最終追い切りは石神騎手が乗られていましたが、この中間は乗られていないですよね。
圭太:はい、既にレースでも乗せていただいたので乗っていないです。前回は身体の緩さは感じましたね。そこは仕上げというより、成長途上の面もありましたね。ただ、一度叩いた上積みもあるんじゃないかとは思っていますよ。
-:前回はスローでしたし、今年のメンバーを考えると、流れそうなイメージは湧きますね。
圭太:そうですね。そういう意味でも、今回の方が、とは思います。
-:馬の性格はどうですか?
圭太:まだ子どもっぽさもあり、集中力を欠きますよね。そういう面でゲートも出ていけてないのかなと思います。そこはちょっと懸念材料ではありますね。
石神騎手が騎乗した最終追い切り
東京コースでも勝ち鞍(当時は石橋脩騎手が騎乗)
-:枠は選ぶタイプでしょうか。
圭太:う~ん、そこまでは…。いずれにしても、どんな位置になるかは分かりませんが、末脚に期待するレースにはなると思うので。
-:今週から東京でのG1開催も始まりますね。
圭太:特に変わりはありませんが、この先も、ここまでも有力馬に乗せていただいていますし、楽しみなレースは続きますからね。盛り上げたいし、盛り上がっていきたいですね。
-:鬼門と言われていたのか分かりませんが、関西圏でのG1でも結果を残されて、色々クリアしていっているわけでもありますからね。
圭太:まあ、着実に結果を残していきたいですね。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。