'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
10月28日時点1550勝
オールカマーはテン乗りグレイルと参戦&1000勝パーティーに感謝
2019/9/20(金)
1週前の3日間開催では「らしくない」騎乗依頼数だった戸崎騎手だが、それでも3勝をマーク。予定していたG1での騎乗予定馬が続々と戦線離脱の不運、今秋には大物外国人ジョッキーたちの来日が噂されるなど、壁は立ちはだかるが、今週、来週と残りの中山開催でどこまで勝ち星を残すことができるか。次の大台へ向けて、戦いを見守りたい。(聞き手:競馬ラボ・小野田)
-:まず、話題といえば、先日16日は3日間開催直後に1000勝達成記念パーティーを開催したことでしょうか。
圭太:来ていただいた皆様はありがとうございました。僕が思っていた以上の盛り上がりで、自分自身も楽しんじゃいましたね。最高・・・至福の時間だったと思います。進行も上手くいき、本当に良かったと思います。
-:これまでもトークショーとしては出演いただきましたが、ご本人単体での企画は初めてでしたね。クラブのパーティーなどで一般の方と会われることはあっても、あれだけ大勢の自分のファンと会うことも珍しいですよね。
圭太:クラブのパーティーだと、クラブの会員さんであることが前提だったりしますからね。それに、競馬場ですと、フェンスやラチ越しでしか会う機会もありませんから。ファンの皆さんと身近に会うことで温かさ、パワーをいただいたと思います。
-:毎週の騎乗も大事ではありますが、こういった機会があることも日々の中で刺激になるでしょうし、公に出る人間として、歓声を浴びることも悪くないでしょうね。
圭太:いつになるか分かりませんが、自分としてはこういう場をまた作れればと思います。今回、チケットも売り切れたそうで、来られなかった方もいるでしょうからね。
▲地方競馬時代の勝負服で登場!
▲乾杯の音頭
▲序盤は過去のレースを回顧
▲大勢のファンを背に記念撮影
▲戸崎騎手と地方競馬時代の同期・川江調教助手(栗東・山内厩舎)と藤懸騎手も駆けつけた
▲ファンとの交流も
▲当日の模様は後日、動画でお届けします!
-:僕としても、直前でああしなきゃ、こうしなきゃという考えも出てきましたし、また機会があればよろしくお願いします。今週の騎乗馬の話題を伺う前に、残念なお知らせも。騎乗予定だったスプリンターズS(G1)のステルヴィオ、秋華賞(G1)のウィクトーリアと相次いで回避が発表されました。
圭太:残念ですね。ステルヴィオはまだ調教にも乗せていただいていなかったですが、ウィクトーリアはローズSの直線で耳を絞るようなところがありました。この馬の上(兄アストラエンブレム)にも乗せていただき、気性的な課題を感じていたので、夏を越してそういう兆候が出てきたのかな…と思いましたが、後から故障の知らせを聞くと、レース中に馬は感じていたのかもしれませんね。
-:確かに押し切れそうで、あとひと押しにも映りました。レース内容を観ると、秋華賞はいいだろうなあと思ったのですが…。
圭太:レコード決着の中、頑張ってくれましたね。ポイントはスタートだと思っていましたし、そこをクリア。ただ、レースは運びやすい位置ながら出入りが激しく、落ち着かない流れに。それでも我慢してリズムよく落ち着いてくれました。一度使って変わり身があるかと思いましたが…。
-:今週の重賞ではオールカマー(G2)に騎乗。グレイルは今回が初騎乗になりますね。同じレースには何度も乗っていらっしゃると思います。
圭太:端から見ていてもカッコいい馬ですよね。能力以前にそんな印象がありました。
-:黒光りした毛艶は雰囲気のある馬だなと僕も思います。
圭太:ただ、ことレースになると脚が長い分、不器用といいますか、レース運びは難しいイメージ。でも、外回りコースならしっかりと脚を使えるでしょうからね。同世代の間では高い能力をみせていましたし、楽しみです。
-:土曜1R(2歳未勝利)のモルタルは札幌で騎乗。3R(2歳新馬)のロンゴノットは追い切りに騎乗されましたね。
圭太:モルタルのダート替わりはいいと思います。あとはどれだけ変わり身があるか。ロンゴノットはセンスが良さそうですね。新馬向きの感覚も受けました。
-:セプテンバーSのナランフレグは芝に変わって2連勝。なかなかいい内容で勝ち上がってきて、今回もハンデ戦であり、引き続き楽しみです。
圭太:期待しています。このところ馬が充実してきているのか、以前とは全然違うようですね。クラスが上がってもやれそうです。
-:半兄のインプレスウィナーは芝で数多く勝っていますが、血統だけみると、ダートで走っていておかしくないですよね。
圭太:フットワークをみても、ダートという感じなんですけどね。そこは僕も不思議です。
-:ながつきSのヴァニラアイスは乗られた時は1200m戦で勝利されましたが、馬はそれ以来のこの距離ですね。
圭太:当時からセンスは感じていましたが、それ以降の活躍をみると、力もつけているのでしょうね。
-:土曜最終(3歳上2勝クラス)のブレイブメジャーはラジオNIKKEI賞で7着でしたね。
圭太:前走が不良馬場だったこともあり、乾いた馬場でやりたいですね。といっても、雨予報のようですが…。能力は高いと思いますよ。
-:日曜9R(3歳上2勝クラス)のレトロフィットは前走で快勝。中山で勝ち鞍はありますが…。
圭太:コーナーでモタついて、直線になるとグッと伸びるタイプなんですよね。ペースに対応できれば、このクラスでもやれるかもしれません。フットワーク的にハマってこない部分は今後良くなってほしいところですね。
-:内房ステークスのノーウェイは福島で騎乗されましたね。
圭太:福島よりはいいのかな。置かれるようなところから盛り返してくる馬ですね。力的にはいいものを持っているのですが。
-:先週のレースも振り返ってもらうと、アドマイヤスコールはセントライト記念を除外になったものの、阪神で勝利されました。
圭太:頭数も少なく、競馬はしやすくなるだろうと思いましたし、リズムよく運べました。追ってからモタつくのは追い切り同様、相変わらずですが、しぶとさもありましたし、ジリジリと伸びてくれました。モタつく面が解消されてくれると、なおいいかと思います。
-:キタイ、サンティール、グランソヴァールとあと一歩。特にグランソヴァールは戦法を変えただけに、結果につながると良かったのですが。
圭太:キタイは気難しいところもあるので、気分良く行けたことは良かったと思います。サンティールは脚も溜まっていましたが、追ってから頭が高いところが良くなれば、もう少し伸びにつながってきそうですね。グランソヴァールは戦前に先生とも話して、内枠でしたし、スピードを活かした競馬をしようと考えていました。キレる馬ではなく、早めに踏んでいったのですが、ペースが上がってからの対応をみると、やっぱりダート向きなのかなと感じました。
-:クインズラミントン、エクリリストワールで連勝されました。
圭太:クインズラミントンは外枠も良かったですね。いいポジションもとれて、行きっぷりも良く、状態も上がっていたのでしょうね。距離にもしっかり対応できました。エクリリストワールは未勝利も強い勝ち方でしたが、これは力をつけていますね。内容も良くなっていますし、上を目指していけそうです。
-:僕も気になるところでは2歳未勝利のサトノアレックス、アルカウンはどうでしたか。
圭太:サトノアレックスの乗り味は良かったのですが、どうも気性面の課題が出ています。気持ちよく走れていないし、ゲートも出ていけない。新馬より走りも浮ついている感じでした。アルカウンはチャンスだったのですが、(藤田)菜七子に負けてしまいましたね。ただ、いいスピードはみせてくれますし、成長を感じます。メンバーと展開次第で、すぐにチャンスはあるはずです。
-:最後に23日の月曜日は船橋で日本テレビ盃(Jpn2)。アポロケンタッキーと挑まれます。
圭太:船橋では結果が出ていますからね。前回はいいところを見せられませんでしたが、惜しい競馬が続いているので、力を引き出したいですね。
-:G1騎乗馬については故障ということで残念ながらアクシデントが続いてしまいましたが、中山も次週で最終週。再来週の東京と秋本番です。引き続きよろしくお願いします!
圭太:よろしくお願いします。
コラムを最後まで読んでくれた方のために、『戸崎圭太騎手1000勝達成記念パーティー』のために収録した
南関東競馬、地方競馬の旧友たちからのメッセージビデオを限定公開!
【祝・戸崎圭太1000勝】的場文男、森泰斗、矢野貴之、真島大輔、笹川翼騎手たちのメッセージビデオ!
今すぐ見る⇒ https://www.youtube.com/watch?v=6Btd3sqPTzo&feature=youtu.be
※次回は9月27日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。