'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
年間100勝へあと「10」 中山最終週は15鞍!
2019/9/27(金)
-:以前にお伝えした通り、今週から秋のG1が開幕も、スプリンターズS(G1)で騎乗予定だったステルヴィオが残念ながら回避に。土曜の騎乗馬から伺うと、秋風Sのモアナは引き続き楽しみではあります。
圭太:条件も良いと思いますし、力は証明出来ているので、しっかりと騎乗したいですね。
-:茨城新聞杯のコスモカレンドゥラは春以来のレース。古馬相手だとどうでしょうか。
圭太:クラスといいますか、ちょっと気になっているのが、前走の追い切りで丹内(祐次)騎手が乗った時に「随分折り合いが付くんだよな…」と言っていました。前向きさがけっこう良いところではあったので、気持ちの問題がありそうですね。
-:今回の追い切りの評価を見ていても、もう一つの感じではありましたけど、ちょっと懸念されていることとは違うかもしれないですけど、休み明けもどう出るのかなという感じはしますけどね。日曜日のサフラン賞のマジックキャッスルですが、福島での新馬戦はいい勝ちっぷりでした。
圭太:前走も良い勝ち方をしてくれました。乗り味的にも1200mという馬ではなく、このくらいの距離でも走れると思いますし、どんなレースをしてくれるか、楽しみではありますね。
-:勝浦特別のヴェルスパーは現級でも好走歴がありますね。
圭太:ここでは良い勝負を出来る力を持っていますし、どんな競馬にも対応出来るので、当日落ち着いていてくれれば良いなと思います。
-:追い切りという点では、先週は乗られているとは思わなくて、伺わなかったのですが、毎日王冠(G2)のダノンキングリーはいかがでしたか。
圭太:良いですよ。夏を越えて力強さも出たし、精神的にもずいぶんと大人になってきたなという感じはしますね。
▲1週前追い切りを行うダノンキングリー(厩舎スタッフが騎乗)
-:ディープ産駒というと、成長力というよりは完成度というイメージがあるので、夏を越えての変化が気になったところではあったのですけど、詳しくは来週伺えればなと思います。先週のオールカマー(G2)のグレイルは3着。コースは合っていると思いますが、前残りの馬場を考えると健闘したと思いますが、いかがだったでしょうか。
圭太:時計が速いのは気にはなっていましたが、頑張ってくれたかなと思います。結果としては負けているので、何とも言い難いですけどね。
-:実際に乗られて、イメージとの違いはありましたか。
圭太:いや、そこはイメージ通りだったかなと思いますね。
-:追い切りでも手前を替えなかったり、なかなか乗り難しいところもある感じはしましたけども、条件的には、この馬はどういったコースが一番合いそうですか。
圭太:多少、時計が掛かるようなところで、長く脚を使うタイプじゃないでしょうか。あまり直線が長くて、ヨーイドンになるとキツいと思うので、コーナーから動けるような条件の方が良いのかと思いますね。やっぱり中山は合うでしょうね。
-:中山の外回りだとやっぱり合うのですかね。
圭太:内回りでも別に問題ないと思いますけどね。不器用さがネックではあると思いますし、その部分は体の緩さが根底にあるので、そういう課題がつきまとってきそうですね。
-:内房Sのノーウェイはブリンカーを着けたものの、道中からは後退してしまいました。
圭太:ブリンカーを着けて、スタートだったり前半の行きっ振りは良くはなったのですけど、その後、集中が続かなかったですね。(ブリンカーを)着けたのなら、もうちょっと距離を短くした方が良い感じがしましたね。
-:(3歳以上2勝クラス3着の)レトロフィットは昇級戦ですが、対応していましたね。
圭太:枠順も内側(3番)で、競馬はしやすかったのですけど、安定した走りは出来てきていますね。
-:(3歳以上2勝クラス2着の)ブレイブメジャーはどうだったでしょうか。
圭太:取りこぼしですね。道中の感じはとても良い具合に走ってくれていましたし、感じは良かったのですけど、本当に仕掛けどころ一つだったと思います。
-:あの馬(モルフェオルフェ)が残るというのも想像し辛い感じはありましたが。
圭太:そうですね。ただ、馬場を考えればね。
-:この馬自身は幸い良馬場でも走れましたし、後続は離しているので、強い競馬も見せている感じはしたのですが。
圭太:内容はとても良かったと思います。道中の感じもすごく良かったですし、最後もしっかり伸びているので、内容としては前走よりも感じは良かったと思いますね。
-:(ながつきS11着の)ヴァニラアイスは中1週の疲れでしょうか。
圭太:よく分からないですね。終始外に張るような感じで、力を出し切れていないというか、レースの流れには乗れていなかったですね。
-:(セプテンバーS5着の)ナランフレグは道中の位置を見たら、やれる感じはしたんですけど、やっぱり馬場や中山が敗因なのでしょうか。
圭太:中山はコーナーがトリッキーなコースなので、そこが堪えましたね。使って良い条件ではなかったと思いますし、僕も、そこはしっかりとコメント、助言出来れば良かったと思いますね。先があって楽しみな馬なのでね。
-:さすがに、この馬は1400だと長いのですか。
圭太:いや、結果は1400の方が良かったですね。
-:東京まで待った方が、ということですか。
圭太:そうですね。やっぱり良い時に使って結果が出せれば良いので、そういうところもしっかりとコメント出来たら良かったと思いますね。
-:ただ、負けはしましたけども、まだまだこのクラスでも、という感じはありますか。
圭太:そう感じています。
-:そういうコーナーという意味では、(九十九里特別7着の)プランドラーも素質馬として期待はしていましたけども、あまり小回りは良くなかったという感じはありましたが。
圭太:そうですね。戦前からちょっとそういうところがポイントかなと思っていましたからね。時計も速いところで外を回ったこともあって、小回りはきつかったかなと思いますね。
-:あれだけ周回するコースだと、余計に外を回った分のロスも大きいですし、やっぱり外枠になるとそうなってしまいますね。(2歳新馬1着の)ロンゴノットは来年が楽しみな勝ち方でした。
圭太:追い切りから良い動きはしていたので、楽しみではあったんですけど、とても強い競馬というか、良いレースをしてくれましたね。
-:今後も楽しみに、注目したいところではありますね。(2歳未勝利2着の)モルタルはスパッと動かない感じなのでしょうか。
圭太:そうですね。ダート替わりで前目に付けられたので、しぶとさを見せてくれましたけどね。もうちょっとというところでしたし、芝とは違った走りを見せてくれたので、良かったなと思いますね。
-:ここからは先日の1000勝パーティーで会場に来ていただいた方々へアンケートを募っていました。幾つか質問にお答えいただければなと思います。まず「海外でのレースの騎乗に関心、意向はありますか?」という質問です。
圭太:それはありますね。ただ、具体的に予定しているわけではありません。
-:続いて「トップジョッキーだから野次られることも多いと思いますが、どのような時はどのようにしてメンタルを保っているのでしょうか」という声です。この手の話は度々話題にしていますが。
▲16日に行われた1000勝達成記念パーティーより
圭太:応援してくれているな、気にしてくれているのだろうな、という感じで、受け止めていますね。ただ、あまり酷い野次はやっぱり競馬場の雰囲気もちょっと壊しかねないので、その辺は注意してもらう時はありますけどね。明らかに同じ声で、毎レース毎レース言ってくる人もいるので。
-:ファンの気持ちもわからないでもないですが、あまり野次を続けていることも、ご自身にとっても良いことではないですからね。
圭太:お金を賭けていますし、ちょっとした盛り上がりになるのは良いと思いますけど、限度と言うものがあるかなと僕は思っていますね。
-:その通りですね。続いて「最近ハマっている休日の過ごし方はありますか」。
圭太:特にはないですね。ハマらないですね~。
-:これも以前からある声です。「個人的には最終レースで結果を出されるように思いますが、意識はありますか」。
圭太:僕自身は特にはないんですけど、前からそれは言われますし、結果も出ているのは出ているので、そうかもしれませんね。
-:連続騎乗だと、やっぱりまだ体力が付き切っていない若手だったらキツいことはあるのですかね。
圭太:多少あるのかもしれないですね。ただ、人それぞれだから分からないですね。自分はあまり気にしたことはないですし、大丈夫でしたね。
-:そこは、やっぱり気持ちが強いからでしょうね。
圭太:そうかもしれないですね。
-:野球をやっていた頃の体力強化のトレーニングも苦にならなかった感じですか。
圭太:いや、けっこうレベルの高いトレーニングをしていたので。
-:そういうのもあったのかもしれないですね。やっぱりやっていると自信になるというか、あの時の方がしんどいなというのがけっこうありますからね。
圭太:けっこうみんなそう言いますけど、僕はないですね。忘れるということはないですけど、それはそれで別問題ですからね。
-:これは初めて伺いますが、「アクセサリーやネックレスは着けていらっしゃいますか。こだわりはあるのでしょうか」とのことです。
圭太:僕は着けていますよ。初めての給料で買ったものだから、20年以上ですね。値段は覚えていないですが、おしゃれに気を付けて、着けている訳ではないですし、記念に買ったものですね。
-:今回の最後に「またいつか大井に戻りたいですか」という質問です。
圭太:いや~、何だろうなぁ。戻りたいというか、色々な心境はあります。「戻るか?」と言われれば戻らないですよ。
-:「JRAを経験して、また免許を取って戻ったら、それは他にいないから、前例もないから面白い」といったことを一度言っていた記憶はありますね。
圭太:ありますね。ただ、やっぱり思い出もたくさんあるし、今でも温かく見守ってくれているというか、前と変わらない感じなので、ああいうのは嬉しいなと思いますよね。
-:今回、南関東のジョッキーの皆さんにも伺いましたけど「週末はレースを観る」と言っていましたからね。
圭太:嬉しい話ですよね。
-:本当にホームグラウンドみたいな感じですからね。
圭太:そうですね。大井だけじゃなくて、昔、乗っていた先輩たちもそういう感じで接してくれるので、何か温かいですね。
-:それもご自身の人柄があってかと思いますけどね。
圭太:いや~、そこは分からないですね。だから、戻ってみたいなとは思いますけど、騎手として衰えて戻るというのは、それは失礼ですし、申し訳ないですからね。一言で言いづらい。そういう思いです。だから、今も地方に乗りに行っているというのは、そういうところがどこかありますね。やっぱり乗りたい気持ちもありますし、みんなと昔ながらの感じで乗りたいというのもあるので。
-:今週も月、火曜日と船橋で乗られていました。この流れで良いなと思った話題が一つ。僕も月曜に競馬場に行って知りましたが、来月10月30日(水)は船橋競馬場でトークショーをやられるのですね。
圭太:そうですね。こうして南関東に呼ばれるのは初めてですけどね。
-:分かりました。長々となってしまいましたが、今週もありがとうございました。次週は毎日王冠、秋華賞(G1)はパッシングスルーで挑まれるとのこと。来週以降もよろしくお願いします。
コラムを最後まで読んでくれた方のために、『戸崎圭太騎手1000勝達成記念パーティー』のために収録した
南関東競馬、地方競馬の旧友たちからのメッセージビデオを限定公開!
【祝・戸崎圭太1000勝】的場文男、森泰斗、矢野貴之、真島大輔、笹川翼騎手たちのメッセージビデオ!
今すぐ見る⇒ https://www.youtube.com/watch?v=6Btd3sqPTzo&feature=youtu.be
※次回は10月4日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。