'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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アエロリットと天皇賞・秋へ!距離克服で強豪撃破なるか?
2019/10/25(金)
カギは距離か。アーモンドアイ、サートゥルナーリアといった牡牝のスターホースが名を連ねる今年の天皇賞・秋。戸崎騎手は過去3度、コンビを組んだアエロリットと挑むことになるが、現役屈指といってもいい東京コースの適性は証明しているだけに2000mという距離をこなせるかがポイントとなりそうだ。ジョッキー自身、2度の2着があるレース。初勝利となるか。(聞き手:競馬ラボ・小野田)
-:今週は天皇賞・秋(G1)ですね。今年はアーモンドアイやサートゥルナーリアといった強豪も参戦。素晴らしいメンバーとなりましたが、アエロリットと挑まれますね。
圭太:とてもレベルの高いメンバーになりましたが、特にアーモンドアイについては実績も上の存在。胸を借りるつもり、チャレンジャーとして挑みたいですね。アエロリットは速い時計で走れるスピードもあり、馬格もあるようにパワーもある。そして、渋とさが持ち味なので、上手く馬の特性を活かせたらと思いますね。
-:おそらく今週は何度も聞かれたと思いますが、今回が久々の2000m戦ですね。距離の対応はどうでしょうか。
圭太:ベストかどうかで言えば…といったところですが、距離はマイルより1800mの方がいいんじゃないかと、前々から思っていたのでね。
-:それは初めて乗られた時にも言っていまし、やはり出脚のスピードを考えると納得です。枠は既に発表されました。並びはどう感じますか?ハナにこだわらないと走らない気性の馬ではないでしょうが、フットワークもゆったりしていますし、決して出脚が速くないことを考えると、すんなり先手を獲りたいですね。
圭太:いいんじゃないですかね。あんまり外も良くないと思いましたし、自分のリズムで運べればと思います。すぐにコーナーもあるので、そこでゴチャつかないようには気をつけたいですね。
-:自分のリズムということですが、安田記念などはハイペースを刻んで、後続の追走を苦しくさせるような競馬でした。今回はどうなりそうでしょうか。金曜は雨予報、しかも、大雨とのことですが、馬場状態も気がかりです。
圭太:マイル戦に比べたら距離もあるわけですから、少しは変わってくると思いますよ。馬場についてはパワーもありますし、多少の道悪ならこなせるんじゃないかと思いますけどね。東京はすぐに馬場も乾きますからね。
-:アーモンドアイも馬場を気にしないのが、これまた大変ですが、アエロリットの東京適性は他にはヒケをとらないと思います。
圭太:なんとか一矢報いたいと思います。
▲最終追い切りを行うアエロリット(菊沢調教師が騎乗)
-:土曜から時系列を戻して幾つか語っていただきたいのですが、3R(2歳未勝利)のシゲルミカヅキは新馬戦で2着。当時の勝ち馬が先日、連勝を決めていましたね。
圭太:力的には未勝利で通用していいモノを持っていると思います。前走もハイペースでしたし、その中で外を回されながら、よく踏ん張っていると思いますけどね。
-:土曜新馬では5Rのアオイクレアトール、6Rのサトノレガリアと追い切りにも跨がられたようですね。
圭太:アオイクレアトールはフットワークも素軽いタイプ。まずまず態勢は整っていると思いますし、楽しみですね。サトノレガリアはまだ非力さも感じるのですが、追い出してからのフットワークはいいですね。
-:7R(3歳上1勝クラス)のボヘミアラプソディ、8R(3歳上1勝クラス)のエトワールと何度も乗られている馬ですね。
圭太:ボヘミアラプソディは1回叩いて良くなると思います。前回はモタついているところもありましたからね。競馬の組み立てとしては、どうしても後方からになってしまい、展開に左右されるところはありますが、勝機はある馬だと思います。エトワールは段階を踏んで、良くなっていった馬。クラシックには乗れませんでしたが、楽しみですね。
-:エトワールの前走はフローラSですし、自己条件なら相手が違うと期待したいですね。神無月ステークスのブルベアイリーデ、12R(3歳上1勝クラス)のアンダープロミスも乗られてきた馬です。アンダープロミスは条件替わりもいいのでしょうか。
圭太:いや、このクラスのレベルなら、そこまで条件を問わないと思いますよ。ブルベアイリーデは前回がモタつくところもあった割に、気が入っていたのか、真面目にレースに走り過ぎていた印象。あの走りなら距離短縮もいいと思いますけどね。
-:日曜では5R(2歳新馬)のシチリアフレイバーには追い切りに騎乗されたそうですね。
圭太:まだ走りが固まっていない感は受けますが、フットワークのダイナミックさはありますね。広いコースが合いそうなタイプだと思います。
-:余談ですが、同じオーナーのモジアナフレイバー(牡4、大井・福永敏厩舎)は先日の南部杯で見せ場のある4着。同世代の繁田さん(健一騎手)が乗られている馬ですが、惜しかったですねえ。
圭太:いい競馬でしたね。今年の帝王賞でもJRA勢を相手に善戦していましたが、今後も楽しみですし、南関東生え抜きとして頑張ってほしいです。
-:1R(2歳未勝利)のヴィクトワールボス、7R(3歳上1勝クラス)のガイセンも追い切りで騎乗されたそうですね。
圭太:ヴィクトワールボスはまだ緩さもありますし、追ってから浮いてくるところがあるのですが、この馬なりには順調にきていそうですね。ガイセンは真面目そうな気性ですし、スピードもありそうですね。
-:先週のレース回顧では、甲斐路ステークスのミスティックグロウは7着でした。
圭太:道中は前向きさもあり、多少力むところはありましたね。ただ、直線ではフットワークのバラつきがありました。本来はもっと切れ味があると思っていましたし、ノドを手術した馬のようですが、そこは気にならなかったのですが…。
-:ドナアトラエンテはスローを前々での立ち回り。最後は伸び負けてしまいましたね。
圭太:上手にスタートを切ってくれましたし、気合い乗りも良かったですね。丁度いい走りをしてくれていましたが…。
-:フローラルパークはハナに行きたい馬が多い中、先制したものの、最後は勝ち馬が強かったですね。
圭太:この馬もセンスの良さで先行してくれましたが、相手が強かったですね。勝ちパターンに持ち込めていましたが。
-:モーベットはどうだったでしょうか。勝ち馬も流れが垂れない中を差し込んでいましたし、いい走りをされてしまいましたが。
圭太:前回、ゴチャついて走りきれていない内容を考慮して、ああいう競馬を選択しました。結果、もっと前につけても良かったのかもしれません。折り合いも問題なかったのですが、どうしても、前回を踏まえると、ああいう競馬になりましたね。
-:チャムランテソーロは追い切りでもいい感触を掴まれていたと思いますが、8着でしたね。
圭太:使って良くなりそうですね。もう少し距離があっていいとも感じました。
-:メッシーナは距離も延ばしての競馬でしたが、スローペースでもあり、厳しい競馬になりました。
圭太:引っかかりましたね。それでも、上手くリラックスさせてやらないといけないのですが、馬と喧嘩する形になってしまいました。
-:富士ステークス(G3)のクリノガウディーは前走から巻き返してきましたね。上位勢は強かったと思いますが、枠も内だったら、と思うところです。
圭太:確かに内の方が競馬はしやすいでしょうね。ただ、コース替わりはいい材料だと思いましたし、一発を狙うなら、外に進路をとるより、内を突こうかと考えたものの、結果、狭くなりました。それでも、前走より結果も良くなってきましたからね。
-:コスモカレンドゥラはこの距離でも走ってきましたね。
圭太:以前よりも落ち着きが出ましたし、いいですね。勝つチャンスは近いと思います。
-:サトノフラッグはどうだったでしょうか。
圭太:どうにか素質でカバーできると思いましたが、甘くなかったですね。ポテンシャルは高いと思いますし、まだ身体もボテっとしたところもありますからね。
-:さて、次週は10月30日(水)に船橋競馬場でトークショーに出演されるそうですね。
圭太:はい、JBC関連のトークショーに呼ばれています。
JBC競走のPRイベント「JBC Fan Fun day」
10月30日(水)、船橋競馬第7R/9R確定後
1階投票所アタリーナ内特設ステージにてトークショー
-:JBCといえば、一時はみやこステークスに向かうと言われていたアンデスクイーンがJBCクラシック(Jpn1)へ。JBCレディスクラシック(Jpn1)ではモンペルデュに騎乗されるそうですね。
圭太:一時は騎乗予定馬がいなくなってしまったのですが、結果、そうなってよかったです。
-:やはり南関東のJBCを乗っている姿はみたいところですし、毎年、JBC初勝利もしてほしいものですから、乗り鞍があり、良かったです!
圭太:ハハハ、ありがとうございます。
-:次週は土曜が京都、日曜が東京とのこと。今週もありがとうございました!
※次回は11月1日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。