'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
手術から1ヶ月の容態は&国内外G1に刺激
2019/12/13(金)
11月6日の手術からも1ヶ月過ぎ、リハビリを開始しているという戸崎騎手。まだまだ本格的なトレーニングに至るレベルではないものの、複数の期間に通い、復帰へ向けて最善を尽くしているという。先週は自身に縁のある数多くの馬がレースに挑み、国内外で大レースも行われたが、どう映ったのか。競馬ラボからのお知らせも含めご覧ください。
-:ギプスを外されてから2週間。大きな変化はないと思いますが、先週からの変化はありますか?
圭太:ギプスを外してからむくみが酷かったんですよね。血管の筋も見えなくて、赤ちゃんのような手といえば分かりやすいかな。以前はそんなことがなかったので、歳のせいかな…なんて思っていたんです。ただ、病院の先生に聞いたところ、上腕骨の骨折はむくみが出やすいらしくて。それが治まってきたところですね。
-:負傷して体も動かせなかったでしょうし、体重も増えたりしたんじゃないですか。
圭太:いや、それが2キロ落ちましたね。
今週の『ファンが選んだ・戸崎圭太騎手お気に入りの1枚』
今年の春から始まった戸崎騎手とアンデスクイーンのコンビ!
門別競馬場で開催されたブリーダーズゴールドカップでは、アンデスクイーンの持ち味を活かした見事な差し切り勝ちに震えました。 今までコツコツ頑張ってきたアンデスクイーンは、このレースで初めて重賞勝ち。
競馬初心者の私は、戸崎騎手とアンデスクイーンの名コンビを見て、『馬と騎手の相性』の大切さを学びました。
表彰式の時に現地のファンの方が「戸崎~!門別に来てくれてありがとう~!」と熱く呼びかけていたことも思い出のひとつです。
(「ちゃぴ」さん)
-:ジョッキーの方では増えてしまう人もいそうですが、むしろ落ちたと。筋肉が落ちたのかもしれませんね。
圭太:そうですね。体は動かし始めているのですが、お酒も抜いていますし、やっぱり筋肉かもしれませんね。
-:アルコールはやはり控えているのですね。
圭太:まあ、復帰するまでは止めようと思います。焦っているわけではありませんが、一日も早く戻ることを考えたら、飲まない方がいいでしょうからね。ただ、復帰して勝てた日には、それは飲もうと思いますけど…。それも楽しみに控えたいですね。
-:ちなみに、普段なら自宅ではどれくらい飲むものですか?
圭太:安いワインを買ってきて、それを1本とか。でも、週末の金曜、土曜は飲まなかったですね。
-:怪我の話題でいえば、先週も触れましたが、南関東での故障も相次いでいますね…。
圭太:ねえ。正直、僕から始まっているような流れなので、嫌な流れですけど、何とか無事に乗ってほしいし、防げるような事故も見られるのでお互い気をつけてほしいところですね。こんなに落馬が相次いだことも今までなかったんじゃないですかね。
-:南関東のジョッキーの中でも特に縁の深いジョッキーの方も怪我をされていましたね。
圭太: (山崎)良は全身打撲で済んだようですね。和田(譲治)は骨折ですからね。早く治してほしいところですが…。
-:南関東では水曜のクイーン賞(Jpn3)では手綱をとってこられたアンデスクイーンも出走。残念ながら5着という結果でした。
圭太:アンデスクイーンらしいと言いますか、交流重賞になるとペースが流れる時もありますからね。でも、前が残る馬場でもありましたし、色々噛み合わないと難しい馬ではあるなと感じました。
-:先週は乗っていた馬たちが各場でレースに出走していたと感じましたが、カペラS(G3)のレッドアネラは4着。斤量差があるとはいえ、頑張っていましたよね。
圭太:正直、あそこまでやれるとは思わなかったですね。初めての重賞でもありますし、速い馬もいましたからね。力をつけているんだなと思いました。また、コパノキッキングにも乗せてもらったことはありますが、重い斤量を背負ってのパフォーマンスですから、やはり力は上だなとも感じましたね。
-:コパノキッキングでいえば、鞍上の藤田菜七子騎手はJRA重賞を初勝利と大きな話題でした。
圭太:現場に行っていないのでわかりませんが、相当盛り上がったんじゃないでしょうか。新聞でも大きく報じられていましたから。本人は女性も、男性も関係ないという思いで乗っているでしょうし、意識を高く持ってやっていると思います。上から目線ではないですが、それで結果を出すのだから、大したモノだなと思います。また、あれだけの馬を任されるということも素晴らしいことですし、オーナーもそれだけ支えてくれてのことですからね。
-:小林祥晃オーナーといえば、ラブミーチャンなどの騎乗依頼も受けたことはあったと思いますが、馬主さんも常々意図を持って乗せていらっしゃるのかなと感じますね。他では、ロンゴノットは新馬戦が圧巻。2戦目もクリアしてくるのかなと僕は思っていました。
圭太:ただ、2戦目で大外枠ですし、差のないところまで来ていますからね。センスのいい馬ですし、内枠でも良かったと思いますし、距離ももう少し短くてもいいのかもしれません。僕が乗せてもらった時はもう少しパワーがついてきてほしいと感じるところもあったのでね。でも、いい素質はありますし、このクラスも勝てる馬じゃないでしょうか。
-:阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)はレシステンシアが圧勝。ただ、レシステンシアといい、2着のマルターズディオサといい、マジックキャッスルと接戦していた馬。レシステンシアはファンタジーSのペースやレース運びから、強さを感じましたが、ここまでとは驚きました。
圭太:僕もマジックキャッスルのファンタジーSでレシステンシアの印象はありましたし、どうも遊び遊び走っている感があったので、スンナリとハナを切るようなら、ひょっとするのかな、なんて思っていました。牝馬版ダイワメジャーといえばいいのかな。併せてもしぶとそうですね。
-:同じ阪神JF勝ち馬でいえば、メジャーエンブレムなんかもしぶといタイプではありましたね。
圭太:ただ、あの馬の場合はキッチリ走り切るタイプだったので。レシステンシアはモマれたらどうか、という心配もありますが、まだ余裕がある感じを受けましたよ。
-:確かに直線でも手前を換えたりと余裕もありそうでしたね。そして、最後に香港国際競走はどうだったでしょうか。香港ヴァーズは天皇賞でも乗られたグローリーヴェイズが圧勝でした。
圭太:流石モレイラですね。序盤で位置をとりにいって、いいポジションを確保。僕も乗せてもらったことがあるので、感覚的に分かるところはありますし、折り合いに不安のない馬ではありますけど、最後も狭いところの進路をついて、というか作って抜け出すわけですからね。流石でした。ただ、香港の条件は合いそうな感覚はありました。
-:続いて香港マイルは「対戦経験」のあるアドマイヤマーズが勝利しましたね。
圭太:まさか勝ち切るとは驚きました。ただ、アドマイヤマーズのベスト条件であるマイルで一緒に走ったわけではありませんが、過去に一緒に乗って先着しているダノンキングリーもやっぱり強い馬だな、今後も楽しみだなと再認識しましたよ。
-:密かに気になっていたのですが、ダノンキングリーについては大崩れしていないという点でJRA賞最優秀3歳牡馬の可能性があったのかな…と思いましたが…。
圭太:いや~でも、アドマイヤマーズ然り、サートゥルナーリアやロジャーバローズなどG1を勝ちきっていることは大きいですよ。記者さんが決めることとはいえ、ね。
-:最後に香港カップは唯一の日本人ジョッキーの参戦となった松岡正海騎手のウインブライトが勝利しましたね。
圭太:松岡は良かったなと思いますし、心から「おめでとう」という思いです。コースはとにかく合うのだと思いますが、春に続く香港G1を連勝ですから。素晴らしいですよ。ああいうシーンを見ると、自分もワクワクさせられますし、今年は外国人ジョッキーばかりが乗っていて、僕だけじゃなく、日本人ジョッキーも悔しい思いはしていたと思います。そこを松岡が勝ってくれたことは励みになりますからね。来年かいつかは分かりませんが、自分もやってやりたいという思いはあります。
-:また、日高の馬が勝ったというところも生産地に励みになりそうですね。ちなみに、こうして今年の海外での大きな国際競走は終えました。年明けにはアメリカやサウジアラビアなどでも国際レースはあるそうですが、観戦される予定はありますか?ジョッキーの方だと、休養期間中にそうした視察もされるケースもあると思います。
圭太:いや、全く考えていないですね。繰り返しになりますけど、慌てているわけじゃないですが、まずは早く乗ることが第一。そのために何をすべきか…。自分を見つめ直しつつ。
-:怪我して1週目は違った感覚とおっしゃっていましたが、もうオンモードですね。
圭太:まあ、余裕がないとも言えるし、それじゃダメなのかもしれないですけど、やれることをやって、一日でも早く乗ることですよ。むしろ僕はそうやって観に行くことに周りがよく余裕があるな、と思うくらいです。
-:そんな声を期待しつつ伺いました。今週はこんなところですが、また次週もよろしくお願いします。
圭太:よろしくお願いします!
※次回は12月20日(金)か21日(土)に更新予定です!
『週刊!戸崎圭太』は今後もファンの皆さまにも色々と募集中です!休養期間中でもコラムをチェックしていただいてくれている皆さまのために、今回はプレゼント付きです。まあ・・・熱心なファンの方ならプレゼントがあろうとなかろうと、既にメールをいただいていると思いますが(笑)、この機会をお見逃しなく!
(1)戸崎圭太騎手への質問
過去のレースのこと競馬にまつわるギモンなど、何でも問題ありません。ただし、先に行われるレースや馬についてはお答えできませんので悪しからずご了承ください。
(2)戸崎圭太騎手のアナタのお気に入りの一枚
いつの写真でも問題ありません。皆さんが気に入っている写真があれば、コラム内で紹介させていただきます。ただし、1週間につき1枚まで。お名前、なぜその写真を選んだのか、という理由があればよりいいです。軽い容量・サイズ(横幅1000px以内)でお願いします。
(3)当コラムでやって欲しい企画など
実現性は高くないと思いますが、こんな企画が見たい、こういう対談が読みたいなどあれば、ドシドシお寄せください。
すべてのご応募はメールにて受け付けております。メールの件名に「週刊!戸崎圭太プレゼント応募」、本文にお名前(ペンネーム)を記載の上、以下のアドレスまで。応募者多数の場合は抽選に。当選者の発表は当選者の方へのメールでご連絡させていただきます。もちろん戸崎騎手への応援メッセージも引き続き募集中です。
keita_tosaki@keibalab.jp
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。