'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
大観衆の競馬場に戻ることを願いつつ 成長した姿を目指しトレーニング中
2020/3/13(金)
競馬界は無観客開催が続くが、ファンが集う競馬場に戻ることをイメージしているという戸崎騎手。負傷箇所のリハビリだけでなく、故障以前よりも成長した姿を目指し、日々励んでいるという。自らも騎乗してきたサトノフラッグやアンデスクイーンなどの話題も交えつつ、今週も語っていただいた。
迫る実戦復帰へ向けて新たな試み
——今週もよろしくお願いします!世間は引き続きコロナウイルスによる騒動が収まらないところですが、リハビリの進捗状況はいかがでしょうか。
さすがにこの段階までになると、1週ごとに大きな変化は感じとれないことは事実ですが、同じことを日々取り組んでいる状況ですね。ただ、先週より僅かながらも良くなっていることは間違いないです。
コツコツ続けているところですし、今後もやっていくだけです。ジョギングも引き続きやっていますよ。外に出るので手洗いうがいは欠かさずにやっていますし、日頃の節制で免疫力も高くなっていればね。
——あまり多くをひけらかしたくないことは重々承知しておりますが…(笑)、こんな状況だからこそ伺うと、具体的にはどんなトレーニングもされていますか?もちろんリハビリは当然ながらあるとして、肘以外の部分の強化にも努めているとはおっしゃっていましたよね。
ゴムを使ったり、握力を鍛える器具を使っていますね。重りも持っていますし……。それは先週言ったか。でも、先週が1kgだったのが2kgになったり。他は弱さを感じているところがあるので、そこが強くなったら成果として現れるんじゃないか、という期待があるんです。(…中略)人それぞれの乗り方がありますし、その上で自分にとって最高の形を目指せたらと思います!
ファンが集うパドックに戻れる日を楽しみに
——続いて先週の競馬についてもよろしくお願いします。弥生賞(G2)はサトノフラッグが快勝となりましたね。新馬戦でも騎乗されましたが、いかがでしたか。
強い勝ちっぷりでしたね。馬場が緩い点はどうかと思いましたが、それを感じさせない走りでした。しかし、新馬も乗せていただいたのに、能力を引き出せていなかったと反省しましたね…。
——でも、新馬前も後も使ってから良くなりそう、といった程の話をされていましたよね…。
まあ、とはいえ…ね。先週の未勝利を勝った(騎乗予定があった)クロミナンスなんかも強かったですよね。新馬前の追い切りでは「まだまだ」という感触もある一方、能力がありそうな雰囲気もありました。そういう意味でも新馬って使って良くなることもあるし、逆になってしまうこともある。新馬だけでは分からないものだとも改めて感じましたね。
——エクリリストワールは昇級初戦。こちらはどうでしたか。
ここが試金石かなとは思いましたね。勝った馬と近いポジションで運んでいましたし、内容は良かったと思いますが、最後に突き放されてしまったあたりは今後の課題ですかね。
ただ、3着争いで粘れていましたし、まだキャリアの浅い馬。今後成長してほしいです。あと、中山でいえば(大井の笹川)翼も乗っていたので、JRA初勝利をしてほしかったですね。
——チューリップ賞は乗っていたマジックキャッスルと接戦していたマルターズディオサやレシステンシアなどが出走していました。
マルターズディオサもやっぱり強い馬ですよね。色々な競馬の形をとれる強みがあると思います。レシステンシアは少し気難しいところも出てしまいましたかね。ただ、主張してきそうな馬がこなかったり、難しい条件のレースでもあったと思います。
——そのマジックキャッスルは浜中俊騎手とのコンビで桜花賞に挑むそうですね。
頑張ってほしいですね。今年の桜花賞はいいメンバーが揃いそうですし、楽しみに観たいと思います。
——そして、先週はリアルタイムで見られなかったというエンプレス杯はいかがでしたか。
アンデスクイーンは強かったですね。ああいうペースが流れる形になると、やっぱり力を発揮しますし、直線ではずいぶん余裕を感じました。
僕も東京で乗せてもらった時は力を出しきれない競馬になってしまいましたが、門別や大井といい形になってくれて、勝たせてもらいましたし、素晴らしい形でラストランを飾ってくれて何よりです。
——そして、冒頭でも触れましたが、コロナウイルス騒動により、無観客開催が続いてしまっていますね。
競馬もそうですが、プロ野球、大相撲と無観客になってしまっていますもんね。ただ、競馬は特に変化はなさそうですが、プロ野球に関しては、普段聞こえない音をかなり拾えているのが新鮮ではありますね。
——あくまで自分の意見ですが、来週になって、無観客開催が終わるとも思えない状況が心配です。
いや~正直、競馬会の判断ではなく、社会情勢的にはまだ続いても不思議ではないですよね。ただ、自分が復帰した時には流石にお客さんがいてほしいです。
自分のファンがどれだけいるのか…ですし、言ってくれる人がいるとは言い切れませんが、「おかえり」という声をパドックで聞きたいと思います。万が一、無観客開催だったら言ってください(笑)。
——了解しました(笑)。当欄で募ったメッセージもマズマズの数をいただきましたので、今後、お渡しできればと思います。
こんな時はより励みになります。ありがとうございます!
——しかし、無観客開催中の復帰になってしまうと怖さがありますね…。ただ、今回のケガは良いようにとらえると、昨秋も1日の乗り鞍が不思議と少ない日があったり、去年は騎乗馬が故障で回避したりと、流れも決して良くなかったと思います。ある意味、リセット、リスタートとなればと思います。
自分の中では少しずつ良くなっていっている感触がある最中でのケガでもあったのですが、毎週のように言っているように、良いように捉えたいし、上手く向き合っていきたいですよね。
——一日も早い通常開催を願いつつ、今週はこんなところまでと思います。次週は三日間開催でもあり、公開日時が普段と異なるかもしれませんが、今週もありがとうございました!
来週もよろしくお願いします!
※次回は3月20日(金)か21日(土)に更新予定です!
休養期間中でも『週刊!戸崎圭太』をチェックしていただいてくれている皆さまへ、引き続き戸崎騎手への応援メッセージを募集します!メールをいただいた方の中から、メールをいただいた方の中から今回は抽選で5名様に、戸崎圭太騎手サイン入り写真をプレゼントいたします。
メールはスタッフがチェックさせていただきますが、メッセージが沢山集まった場合は、後日ご本人へお渡しします。引き続き質問も募集中です。これまでも数多くの質問もいただいておりますが、担当者的には、この際にバックナンバーもご覧いただいた上で質問をいただけると幸いです。
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keita_tosaki@keibalab.jpプロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。