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'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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2月11日時点1584勝
東京最終週は土日メイン勝利&福島開幕週はエクリリストワールと再コンビ!
2020/7/3(金)
勢いに乗って福島開催へ。東京開催最終週は土日メインを制するなど4勝。月初めに挙げた復帰後初勝利から月間10勝の二桁に乗せ、開催を締めくくった。例年、夏の福島は好相性。土曜の騎乗馬についても語ってもらった。
落馬&珍記録継続となったアハルテケS
——東京開催最終週の先週は、話題が豊富でしたね。まずは(6月27日)土曜東京のアハルテケSではアシャカトブに騎乗して入線後に落馬。非常に驚きました。
落馬の影響は、特にはなく終わりました。乗せていただいたアシャカトブはどうやら熱中症でひっくり返ってしまったようで、そのまま訳が分からずにラチに行っちゃったのでしょうね。それで一度起きたところ、またラチに激突して。2回目の時は頭を打ったみたいですね。それで脳震盪で起きられなかったそうです。
——熱中症と脳震盪で、どっちにしても頭がボッーとしたような感じの症状だったのですね。ご自身の具合はどうでしたか?
多少は打撲のようなところはありますけど、騎乗に関して影響することは全くなかったですね。それくらいの程度なので、特には自分でも心配していないですね。落ちて「またやってしまった」という思いだったんですけど、意識もありましたし、自分でラチの下に逃げるような形を取りましたね。冷静になって、いつもはあまりそんなことはないんですけど、脚から指先から全部、大丈夫か確認しましたね。
——その時点で、翌日やその先に影響するものではなかったという感じでしたか。先週の土日は12レースがたまたま取消になっていましたけど、あの時に関しては、取り消しが幸い良かったのかなという感じはしましたよね。出走していれば勝負になりそうな馬でしたが。
でも、もし乗れていたとしても、乗ってはいましたね。乗れてはいましたね。しかし、馬も熱中症で転倒するようなこともあるのだなという感じでしたけど……。無事で何よりでしたけどね。
——レースに関しては、内枠からの発走。スタートして程なくは周りにスペースが空いていて、楽に先行できたように見えました。
「昔はちょっとモタモタするところがあったんだけど、ここ最近はスタートも良くなったよ」といったことを言われていました。レース前からどの位置というのは決めていなかったですけど、流れに乗っていこうと。全体的に見て、レースは上手に走れていましたね。1600にも対応できる走りはしていました。
——乗っていて、当然そういうことは思っていなかったと思いますけど、ゴールした瞬間に落馬するという予感めいたものというか、兆候というのはあったのですか。
いや~、今回に限っては全然ないですね。
——アハルケテSに関しては8年連続(連対)ということですね。偉業?達成でしたね(笑)。
そういうこともあるのだなという感じですね。これがG1だったら格好良いですけどね。少なくとも重賞だったら、まだ話題になりますけど(笑)、ハハハ。
——でも、同じ場所で乗っていないとなかなかできることではないですし、しかも、単純に乗鞍がなければ、絶対にできないことですからね。僕は去年言った記憶があったのですが、今年臨むにあたっては、テン乗りの馬でもあって、あえて言っていなかったんです。
土曜日のスポニチのコラムに書いたんですよ。なぜか、頭にあったんですよね。そう言えば、このレースはすごく成績が良いんだよなと記憶があって、それで話題にしましたね。馬は良く走ってくれましたよ。
——また来年の今頃になったら、そういう話題になるかなと思いますけど、ここまで来たら、毎年続けたいですね。
ええ、続けたいですね。
休養を境に道悪マスターへ?
——先週は雨で6月は2度目となる芝の不良馬場。ただ、6月に関しては、不良馬場で10戦して4勝ですよ。素晴らしい成績だと思いますが、改めて対策してきたことなどはありますか。
不良馬場はダメだというデータがあったので、いかにしてそこで結果を出したいなと思っていたので、こういう結果になったということは嬉しいことですし、自分の中でも乗り方を変えるというか、感触的に良い部分がありますね。それが合っているかどうかは分からないですけど、こういう結果に出ているので、それは続けていきたいとは思います。ただ、やっぱり悪い馬場がダメな馬は基本的にダメだと思うので、馬も頑張ってくれての結果ではあると思いますけどね。
——調べると、2014年2月以来、不良では勝ち星がなかったですからね。
不良馬場というのもあまりないですからね。
——JRAに移籍されてからも、水はけのいい東京や中山を主戦場とされていますし、50戦程しか芝の不良馬場で乗られていなかったので、沢山乗っているわけではないですね。
ただ、結果が出ていないこともどことなく感じていましたし、上手くいかない感覚もあったので、そういう中で変わってきたというのは嬉しいことですね。
——前の6月13・14日週の不良馬場の時は基本、内を重視と見受けられました。今回は内目の荒れているところは避けられて、直線は外へというケースが多かったと思います。それは芝のレースで乗っていたり、乗っていなかったりしたと思いますけど、どうやって判断されていたのですか。
前のレースを観て、何となくこの辺が良いのかなという感じですかね。
——それでも、「何となく」でも当たっちゃうんですね。
ハハハ。そこばっかりは何とも言えないですけど……。「何となく」で良いのかどうかも分からないですし、あれだけ荒れて、ここだけ良いというところも難しいとは思うので。
——でも、(3歳未勝利12着の)プモリテソーロの時は、道悪どのこうのというよりは、道中の雰囲気を見ていると、敗因は馬場だけじゃないように受けました。
基本的にハミを掛けないでというか、あまり持たないで行きたいと思っていたんですけど、返し馬をした時にやっぱり気性の悪さを感じて、僕の中でも少し構えるような感じで乗っちゃったんですよね。そうしたところ、やっぱりハミも持つような感じになってしまって、馬場が悪いせいもあって、ハミに乗っかかる走り。終始そんな競馬だったので、最後はエネルギーを消耗した感じはしますね。
——ここまで勝ちあぐねているというのもありますし、そういった乗り難しさ、気の悪さがある馬ですかね。
それは感じましたね。
夏の福島が開幕!土曜はエクリリストワールなど7頭に騎乗!
——今週から福島開催となりますね。土曜2R(3歳未勝利の)リングアベルは距離延長となりますが、いかがでしょうか。
問題ないかなと思っています。あと、ひと押しあればというところですね。
——5R(2歳新馬の)ラインオブフェイトはいかがでしょうか。
追い切りの動きは良い感じで動けていましたね。仕上がりの早いタイプと思います。ダート馬っぽいムードもありますが、芝で下ろしてみようということに。そこで良い走りをしてくれれば良いなと思っていますけどね。
——あとは自厩舎でも勝てれば、ですかね。
そうですね~。ずっと復帰してからも人気のある、チャンスのある馬に乗せていただいているので、結果を出したいところですね。
——7R(3歳未勝利の)ステラドーロはいかがでしょうか。雨予報が気になります。
前走は道悪がこたえたようでした。良い馬場で走らせたいなという感じはありますね。能力自体はあると思うので。
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——松島特別のダノンポピーは2年ぶりの騎乗です。
追い切りも乗せてもらいましたけど、良い動きでしたね。状態は良さそうですし、成績からも徐々に上向いているのかもしれません。福島にも実績があるのは良いですね。
——安達太良Sのエクリリストワールは東京を除外されて、スライドしてきました。
久し振りに乗せてもらいますけど、福島でも勝てていますし、昨年も1000勝を達成させていただいて、縁の感じる馬ですね。人気になると思いますし、結果を出したいですね。ただ、いや、東京でやってみたかったんですよ。除外は残念ですね。
——(6月20日の)夏至ステークスはちゃんと狙って使っていたということですね。
そうです。また、秋にチャンスが有ればと思います。
※次回は7月4日(土)に更新予定です!
※当コーナーは新型コロナウイルス感染拡大防止の観点に基づき、電話で取材を行っております
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。