'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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レパードSは自身3度目V目指す&「もう一度いい走りをさせたかった」エポカドーロが引退
2020/8/7(金)
出馬ラッシュとなった異例の2場・新潟開催もひと区切り。今週はテン乗り、新馬が中心もレパードSではブランクチェックと引き続きコンビなど好ラインナップの戸崎騎手。また、キャリア10戦中8度、鞍上を務めたエポカドーロが引退ということもあり、エピソードも交えて語ってもらった。
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——新潟開催も3週目。今週で変則的な2場開催も最後となりますが、土日で14鞍とここ最近では多めの騎乗数に。テン乗り馬が中心とはなりますが、まずは今週末の話題から伺いたいと思います。レパードS(G3)には牝馬のブランクチェックと挑まれますね。
前走も牝馬限定ではありますが、古馬を相手にいい走りをしてくれました。今週の調教にも乗せてもらったところ、この中間もいい状態でこられていると思います。以前は追い出してからモタつくようなところもありましたが、スムーズに走れていたと思います。
——この時期で古馬相手の2勝クラスを勝っていること自体は強調材料ですが、今回は距離延長、コーナー4つ、前走よりは緩急の付きやすそうなメンバー構成といった辺りは気になります。
そうですね。課題は色々ありますが、乗り越えてほしいですし、乗り越えられそうな感触もあります。
ブランクチェック、ニュートンテソーロ(下)の追い切りに騎乗した戸崎騎手
——先程挙げた条件ばかりだけでなく、このレースならではといいますか、ペースが上がってモマれる可能性も否めないですね。課題という意味では、どんなポイントが一番懸念されますか。
それぞれちょっとずつ適性が足りないような気もしますし、クリアしてくれそうな範囲内という予感もします。ただ、モマれないというか、窮屈にならずリズムよく走らせたい思いは強いです。
——土曜のメインレースではスパイラルダイブに騎乗。前回はジョッキー自体が怪我明け2週目でしたね。
久しぶりに乗せていただいた馬で、以前と比較しても力を付けたなという印象でした。レースはスムーズさを欠く形で気持ちよく走らせてあげられなかったなと。そこは気をつけて乗りたいですし、前回は僕もまだブランクのあるレースだったなと思います。それだけに巻き返したいですし、馬自体はこのクラスを勝っていいと思うので。
——日曜1Rのグランスエーニョは新馬に続いての騎乗ですね。
新馬では若さを随分感じましたね。もう少し集中して走ってほしいですし、時計が速いのもどうかな…とは思います。
——日曜7Rのアースコレクションも前走に続いて騎乗されます。
新潟も走れる条件だと思います。ただ、同じような着順が続いてしまっていますし、ワンパンチ足りない競馬が続いているのでカバーできるような騎乗ができればいいですね。ペースは流れてほしいです。
再コンビならず 主戦を務めたエポカドーロが引退
——今週の中では、一番の話題といいますか、共に皐月賞を制したエポカドーロの引退が発表されました。改めて思い出があれば教えてください。
初めて乗せていただいたのが小倉でしたが、そこから初めてクラシックを取らせていただきましたからね。ダービー、菊花賞と同じ馬に続けて乗せていただくこともなかったですし、貴重な経験をさせていただきました。大阪杯が最後のレースになってしまいましたが、あの時に鼻出血を発症ということで、立て直すための関係者の努力は大変なものがあったと思いますし、もう一度、いい走りをしてほしかった、させたかったという思いがあります。
——4歳になってからは僅か2戦。この条件で走っていたら、やってみたかったというコースはありましたか。
G1は幾つかありましたし、どれも試したかったですね。やっぱり一番、思い出といえば皐月賞でしたね。ダービーも着差が着差だけに、思い出すところですけど。
——皐月賞の勝利やダービーに至る経緯など、詳しくはバックナンバーもこの期に読んでいただきたいですが、先週のレース回顧を伺うと、関越Sのサトノワルキューレはどうでしたか?
ここのところの着順もあり、思い切った競馬をしようと思いました。東京で勝った時が後ろからの競馬で強い勝ち方でしたし、そのイメージで運んだものの、もう少し伸びていい、脚を使えて良かったというレースぶりでしたね…。一頭が大逃げという特殊な展開とはいえ、ペースは流れていましたし、たとえもう少しいい位置で運んでいたとしても、脚を使えたかというと、疑問符の残るところでした。
——スマートフルーレは追い出しをあえて我慢しての競馬でしたね。
戦前からもそういうところがあると聞いていましたし、形としては理想的だったのですが…。
——アステロイドベルトは勝ち馬と近いところからの競馬でも末脚比べで屈する形。この馬のお母さんは頻繁に乗られていた馬でしたが、将来性を含め、どんな馬だったでしょうか。
相手が強かったですね。まだ緩さもあって、これから良くなりそうなイメージ。走ってきそうな雰囲気ですね。お母さんのサトノジュピターは乗りやすい馬でしたし、こちらもまだ固まっていない分、現状は新潟の外回りにも対応できていますし、内回りのコースでも良さそう。今後、成長したら得意不得意もはっきりするのかもしれません。
——新馬のアカイトリノムスメは血統馬。個人的には危惧していたところでしたが、いかがでしたか。
全体的に集中しきれなかったですね。耳を絞るところもありましたし、気持ちよく走れていなかったです。返し馬から跳ねたり、ゲートもジッとしていなかったり、レースにならなかったです。
——リーヴルは追い切りの動きが良かっただけにレースは真逆ともいえる内容。ワンモアエフォートは未勝利の内容が良かったのですが、昇級してどうでしたか。
リーヴルは返し馬では行きっぷりが良かったくらい。とはいえ、ハッキング程度の走りですけどね。その分、レースにいってからは全くハミを取るところがなく、そう聞くと調教ではいい動きをするのも頷けます。ワンモアエフォートはいいモノを感じましたが、全体的に休み明けの分があったと思います。
——さて、昔、伺った話かもしれません。新潟では調整ルームの食事が美味しいとのことでしたが、ここ最近はどんなものにハマってますか。
お米も美味しいし、魚も当然美味しい。何でも平均して美味しいですね。あとは茶豆っていうんですかね?あれも美味しいですね。
——競馬開催前、調整ルームでは飲まないことは継続されているそうですし、リハビリ期間中は一切飲まなかったとは素晴らしいと思いますが、ここ最近、アルコールの方はどうですか。
ガンガン飲みますね。前はワインを1日1本くらいとは言いましたが、今はハイボールにハマってます。でも、細かくは知らないのですが、どうもハイボールってグルテンフリーに引っかかるようで、気になるところはあるんですけど(笑)。
——しかし、それにしても夏場の騎乗。土曜が終わったら、飲みたくなったりしませんか。
いやあ、ありますけどね。もう飲まないので慣れてしまっているので大丈夫です。以前もレースが終わって、帰りの新幹線で飲んだりしていましたが、今はコロナの問題もありますし、飲んでいないですね。
——現場にいけていませんが、先週の新潟はどうやら暑かったようですね。
先週は暑さが一層増していましたし、藤懸(貴志騎手)も熱中症になったりとありましたからね。僕も気を付けたいです。
——そして、新潟開催では、15日から一部、お客様を入れての開催となるそうですね。
他のスポーツも段々と始めていますが、まだまだ予断を許さない状況。どんな形になるかは把握していませんが、来ていただく方々にはしっかりと感染症対策も備えて、ルールを守った中で楽しんでもらえればと思います。
——今週もありがとうございました!
ありがとうございます。
※次回は8月14日(金)に更新予定です!
※当コーナーは新型コロナウイルス感染拡大防止の観点に基づき、電話で取材を行っております
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。