'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
土日東京&南部杯に騎乗 復帰後初となる地元・大井で重賞制覇!
2020/10/9(金)
重賞での快進撃は止まらず。中山最終週は残念ながら重賞での騎乗機会を得られなかった戸崎騎手だが、騎乗停止による乗り替わりとはいえ、水曜の東京盃をジャスティンで勝利。これで8月から4つ目の重賞勝利となった。この勢いで5つ目、6つ目となるか。開幕週の東京、月曜は南部杯と転戦し、重賞にも連日騎乗する戸崎騎手の活躍に注目だ。
東京盃で1年ぶりに大井競馬場で重賞制覇!
——昨日、東京盃(Jpn2)のジャスティンはおめでとうございました!
ありがとうございました!
——怪我もあって大井競馬場での勝利は昨年のレディスプレリュード以来のこと。代打騎乗という立場とはいえ、単なる一勝ではなく、重みのある結果だったのではと思います。限られた中ではありますが、「戸崎圭太」という横断幕も久しぶりにみた感覚でした。
大井で勝つことは良いことだなと改めて思いましたし、“帰ってきたな”という気持ちにもなりましたね。横断幕も嬉しい限りですね。
——レースに関しては内枠(3番)からの。テンが速い馬もいたので、どうなることかなと思ったのですが、いかがでしたか。
どちらかといえば、レースというよりも、まずは返し馬を無事に終わらせたいなという思いがありました。すごく元気な馬らしく、気を付けていましたが、落ち着いて大人しくしてくれていましたね。レースは外枠の方が良いなと思っていて、内枠になったことで、揉まれる覚悟していたのですが、上手いことスムーズに外に出せて、一番良いレースが出来た感じでしたね。
——イメージだと芝スタートの方が流れに乗っている感覚もありましたが、スタートはあまり速くなく、心配になりましたが、パトロールビデオを観させてもらうと砂を被ることもなかったんですね。
そうなんですよ、(砂を被ることは)なかったですね。
——ちなみにジャスティンのお母さん(シナスタジア)も乗られていた馬なのですが、記憶にありましたか。
それは大井で聞きました。聞くまで知らなかったですけど、縁があるものですね。
——それにしても、地方交流も含め、下半期は重賞での活躍が素晴らしいですね。
いやいや、良い時に乗せてもらっているので、馬がよく走ってくれていますね。
東京開幕週は土日東京で連日の重賞騎乗!
——ぜひともこの流れを続けて欲しいところではありますけどね。今週ですが、除外になったり、回避してしまった馬など散見されましたが、概ね時系列順にお願いします。土曜日東京から2歳新馬のスノーハレーションは調教に乗られたそうですね。
3週連続で追い切りに乗っているのですが、1週毎に力強さも増して、シッカリしてきている感じなので、良い方向に来ていますね。ただ、ステファノスなどの下で良いバネはあるのですが、まだ体も小さいし、非力な部分も感じられます。
——神無月SのブランクチェックはレパードSでも牝馬ながら上位争いしましたね。
条件的にも前走(レパードS)よりも良い条件だと思いますし、ハンデ(52キロ)にも恵まれたんじゃないでしょうか。
——最終レース(3歳以上2勝クラス)ではレッチェバロックと素質馬にも騎乗されるのは楽しみですね。日曜日の2歳未勝利からアラビアンナイトはいかがでしょうか。
前回はもったいないレースをしちゃいましたね。勝てる能力はありますので、東京芝1600mという条件も悪くないでしょうね。あとはどちらかといえば、馬場は良い方が良さそうです。
——2歳新馬のエイムトゥルー、ソーヴァリアントと追い切りに乗られたそうですね。
エイムトゥルーは追い切りでまだハマりが悪いような感じもあるので、どこまで走ってくれるかでしょうね。ソーヴァリアントは左にヨレながら走るところがあるので、レースに行って、改善されれば良いなと思いますけどね。この馬の上にも乗せてもらっていますが、全体的に似たような感じはしますけどね。
——エイムトゥルーはポリトラックでしたが、今週の追い切りを観ていると、今のウッドはけっこう重い感じですか。
いや~重たいですね。
——それで、調教メニューが意外なところがわけですね。3歳以上1勝クラスのリアンフィーユは未勝利時代に大味な競馬もしていましたが、前走は常識的な競馬に映りましたし、惜しい内容でした。
この馬も前走はもったいない競馬でした。直線でスムーズではなかったので、条件が変わるのも良いと思いますし、期待していますね。
——同じく3歳以上1勝クラスのゴルトベルクは福島で外枠から初勝利でしたね。
小柄な馬ですけども、元気一杯。そこは気をつけたいところですが、レースも良い感じで勝ってくれたので、昇級しても良い走りが出来るのではないかなと思います。馬場も多少なら道悪はこなせそうですね。
——ここからは印象だけ伺うことになりますが、サウジアラビアRC(G3)のジャンカズマや毎日王冠(G2)のサトノインプレッサはいかがでしょうか。
ジャンカズマは未勝利が強い勝ち方。重賞になりますけど、乗りやすさもあるのかなというイメージなので、この馬の走りでレースをしたいですね。
サトノインプレッサは毎日杯を勝って、ダービーも4着ということで、能力があるのは示されているので、条件もダービーよりも距離はちょうど良いと思うので、この馬の良いところを出せば、良い結果になることを願います。(坂井)瑠星からは「ゲートがちょっと煩いので、気をつけるならそこです」と言われましたね。調教は瑠星が乗って、シッカリつけてくれているので「順調だ」ということは言ってくれましたね。
期待の2歳タウゼントシェーンは本領発揮ならず
——先週の話題もお願いします。矢作厩舎のタウゼントシェーン(サフラン賞5着)はなかなか期待されていたのかなという感じがしたのですが、いかがでしたか。
はい、期待していました。返し馬では、ある程度成長した感じもしましたし、楽しみにしていたのですが。外を回って、乗り方が良い内容ではなかったとは思うのですが、もう少し伸びて欲しかったなという思いはありました。
——小柄な馬体なので、今の中山の芝や坂が気がかりではありましたが、それだけ新馬戦の感触が良かったということですね。
そうですね。ただ、まだまだやれる馬だと思うので。
——(3歳以上1勝クラス2着の)ラヴィンジャーは勝ったと思いましたが、惜しい内容でしたね。
もう少しのところでしたけどね。道中の走りもすごく良くて、手応えも終始あったので、最後も良い感じで伸びてくれましたけどね。いつもちょっと甘いところがあるそうで、あまり外々を回るのも、と思いながら乗っていたのですが、良い内容で走ってくれたかなと思います。
——中山でも大丈夫だなという感じはしましたね。(2歳新馬1着の)タイトルホルダーは調教にも乗られて、実戦で勝利となりました。
攻め馬から良い動きをしていましたし、期待通りに走ってくれましたね。
——(2歳未勝利2着の)ラインプリンスは、勝ち馬(コウソクカレン)が前回、乗られていてかなり不利を受けていましたし、手強いライバルになるんじゃないかと思っていました。
そうですね。ただ、ラインプリンスもメンコを着けて、ようやく思っていた走りが出来た印象。ただ、使ってきてちょっと疲れが出ているのか、最後の直線で弾む感じがなくなっていた感じがしましたね。またすぐに使うと思いますけどね。
——(2歳未勝利4着の)リアルドキュメントはいかがでしょうか。新馬であれだけの内容なら勝ち負けしてほしかったところです。
一息で走っちゃう感じでしたね。新馬だからそういうところがあるのかと思っていたのですが、2戦目もそういう感じで走っていたので、もう少し道中リラックスして走ってくれると良いのかなと思いますね。
——(秋風S2着の)オールイズウェルもかなり惜しかったですね。
前を交わせばという感じでしたけど、結果、成績を見ても斤量差がありましたし、勝ったインターミッションはもともと中山で走っていたそうですし、成長しただろうなと思いましたね。
——(2歳新馬8着の)コートリーアスペンは内枠もあったと思いますけど、外に出してからももう少しピリッとしたところがあるのかなと思いました。
もう少し成長が欲しい感じでしたね。それに芝でも良いんじゃないかなという印象ではありましたね。
——ちなみに中山の最終週の馬場はいかがでしたか。
どこか難しかったですね。前半は大丈夫かなと思っていましたけど、先週土曜日なんかは外の方が良かったですし、日曜日はもう外なのかなと思っていたのですが。基本的には外なのでしょうけど、内でもこなす馬はいたり……。だから、馬によりけりと思うのですが、比較的外の方が良かったと思いますけどね。馬場自体は僕の感触としてはすごく良かった開催なのでね。その点、最終週は難しさを感じました。
月曜は南部杯でインティに初騎乗!
——先週で言えば、凱旋門賞は観られたと思いますけど、どう感じられましたか。
一番はオブライエン厩舎の出走取消が残念だったなという感じですね。レース前にそんなアクシデントもあるんだなという感じでしたけど。ソットサスで勝ったクリスチャン(デムーロ)は良かったですね。
——レースを観られていて、何かポイントになるところを感じられた部分はありますか。
僕はフランスで乗ったことがないので、そんなに多くを語れるものじゃないですけどね(笑)。ただ、クリスチャンは一時期、南関東で一緒に乗っていたこともありましたし、若い時から腕は達者なジョッキー。性格は若いなぁとは思っていましたね。船橋の若いジョッキーと仲良くやっていましたよね(笑)。エネイブルは史上初の3勝目を獲ってもらいたい気持ちもありましたけど、競馬の難しさを感じましたし、それでもよく頑張っているのかなという感じですよね。素晴らしい馬ですよね。
——なかなか守備範囲外の話題を引っ張って恐縮ですが、馬場を見られていて、やっぱり日本の馬場との違いを感じられる部分はありましたか。
いやいや騎手なので喋らないといけない話題ではあると思いますが、流石にフランス自体も行ったことがないですからね。ただ、イギリスに行った時はやっぱりタフだなと思って、これで水分を含んじゃうとものすごく力が要るんだろうなと思いましたけどね。
——そして、月曜日はマイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)、インティに関してはいかがでしょうか。
G1馬ですし、能力はある馬なので、声を掛けていただいてありがたい思いです。シッカリとこの馬の能力を出せれば良いなと思います。
——ちゃんと乗れるのかなという感じがしないでもないのですけどね。台風で順延になる可能性も心配ですね。
それは言えますね。
——ただ、去年のチャンピオンズC(3着)も非常に強い内容だったかなという感じはしますし、力を出し切れればという感じですね。交流重賞も絶好調のジョッキーですからね。
絶好調かどうか分からないですけど、変わらずに行きたいと思いますね。
——また来週は重賞タイトルが増えていると期待しつつ、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
※次回は10月16日(金)に更新予定です
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。