'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
カペラSはフォーテに騎乗!JRA通算1100勝も目前
2020/12/11(金)
チャンピオンズCについての回顧は先取りで公開させていただいたが、今週末はいずれも中山で騎乗する戸崎騎手。ダート重賞カペラSのフォーテとのコンビなど大挙騎乗依頼を集めているが、JRA通算1100勝という節目の勝利も目前。チャンピオンズCに続き明るい話題を期待したい。
「祝・チュウワウィザードでチャンピオンズC制覇!久々のG1勝ちを先取り回顧」はコチラ⇒
メモリアルV達成なるか 土日中山で21鞍に騎乗
-今週は2度目の更新となりますが、水曜が美浦、木曜が栗東にも行かれてお忙しいところよろしくお願いします。まず東西トレセンにも行かれたことで祝福の言葉も多数受けたんじゃないですか?
そうですね。「おめでとう」とはよく言葉をいただき、本当にありがたいものです。
-木曜は栗東トレセンで朝日杯フューチュリティステークス(G1)を予定しているショックアクションの追い切りにも乗られたわけで大久保龍志先生ともレースの振り返りなどはされたのですか?
そこまで細かく話したりはしていませんが、「完璧に近い競馬をしてくれた」といった声は掛けていただきました。正直、今までそう沢山、大久保先生の馬に乗せてもらってきたわけじゃなく、普段との比較がそこまでつかないのですが、やっぱり今回のレースに対して期する思いも感じられたので結果で応えられたことが何よりです。
-ジョッキーも半年前はまだ復帰をしたてという段階。ケガの大きさを考えると、だいぶ早く勝てたといっても過言ではないですね。
なにかプレゼントをいただいたような気分です……。同じことを言いますけど、2年半もG1を勝っていなかったジョッキーですから。本当に幸せだなと思いますね。
-今週はG1での騎乗はかないませんでしたが、土日ともに中山での予定。話題にできるところは少ないものの、乗り鞍は非常に豊富です。まず土曜の2歳未勝利戦からフーラリとテンウォークライはどうでしょうか。
フーラリは前回の形が現状では理想的だったと思います。ただ、東京でいえば1400mの方がベストだったかな、という結果でしたが、中山に替わって同じような形がとれればベストですね。まだゲートは安定していると言い難いですが、今の中山は前有利でしょうから。テンウォークライはどんな条件でも安定してくれる一方、もうひと押しという内容ですのでダート替わりが良い方に出てくれたらと思います。
-土曜5Rのジャストメイビー、日曜6Rのビリーヴインミーと追い切りに乗られた新馬はどうでしたか。
ジャストメイビーは前向きさを感じられましたが、まだバランスをとって走れていないところがあるのでレースにいっていい方に出てくれたらと思います。ビリーヴインミーは追い切りは良い動きでしたが、まだ体が非力で頼りないところもあるので現状でどこまでやってくれるか、ですね。
-日曜の3歳上1勝クラスからクリノプレミアムは東京に続いての騎乗ですね。
骨折明けの前走も良い内容で走ってくれました。一度叩いた上積みはあるでしょうし、先行力もあるので中山に替わるのも問題ないのではと思います。
-カペラS(G3)ではフォーテに騎乗されます。
新馬戦以来、乗せていただきますが、当時からパワフルさがあり、ダートは合うんじゃないかと感じていました。ただ、ここまで連戦連勝と短期間で上り詰めてくるとは意外でしたね。これまでの競馬を見てもモマれた際にどういう競馬になるかが課題だと思います。できれば先行したいでしょうが、他にも行きたい馬が沢山いるでしょうから、ペースとの兼ね合いもあるので。
雨の影響が目立った開幕週の中山芝
-先週の競馬では2歳未勝利のタイムトゥヘヴンは血統的にも緩急のついた流れが合わなかったように感じました。
そう思います。前半はスローでしたが、一頭だけ促している状態でしたからね。最後エンジンが掛かってからはいい脚でしたが、もう少し淡々と流れてくれたらと感じました。
-新馬のレイハリアは2着でしたね。
追い切りでも素軽い動きを感じていましたし、楽しみにしていたのですが、外にモタれるところがあり、その分のロスが大きかったですね。着差が着差だけにもったいない結果でした。
-葉牡丹賞のアドマイヤハレーは勝った中山ですし、今回も好勝負可能かと思いました。
やっぱり一度叩いた方がいい血統なのかもしれませんね。馬場が渋っていたこともあったとは思いですが、未勝利で勝たせていただいた時の方が素軽い動きでした。新馬から未勝利への変わり身をみると一度叩けば変わるのかもしれません。
-エクリリストワールはブランクの影響もありましたか。
最後は伸びきれなかったあたり、そうだったかもしれませんね…。
-ステイヤーズS(G2)のシルヴァンシャーはどうだったでしょうか。
時計の掛かる馬場の方が合っていると思いましたが、終始手応えがなく、馬場が合わなかったことが敗因かと思います。朝から雨も降っていましたし、明け方にまとまった雨があったようでメインの辺りには随分緩い馬場でした。芝丈も長かったですし、かなりタフな状態でした。
-一方、中京の芝はどうでしたか?かなり前残りに感じました。
こちらは硬さがありましたね。時計も出やすかったようですし。
-先程も記しましたが、次週の朝日杯FSはショックアクション、有馬記念(G1)はミッキースワロー、ホープフルS(G1)はタイトルホルダーに騎乗とのこと。2020年の開催も残り僅かですが、次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
※次回は12月18日(金)に更新予定です
※当コーナーは新型コロナウイルス感染拡大防止の観点に基づき、電話で取材を行っております
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。