'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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愛知杯&京成杯で2021年重賞初勝利なるか
2021/1/14(木)
新年から馬券圏内は多いものの、勝利まであと一歩という結果が続いていた戸崎騎手。3日間開催では連勝を決め、次は重賞初勝利を期待してしまうところだが、愛知杯ではデビューから騎乗していたマジックキャッスル、京成杯ではレベルの高い新馬戦にも出走していたテンバガーの手綱をとることになる。いずれも上位人気が予想される実力馬。好結果を期待したい。
愛知杯はマジックキャッスルと2歳秋以来の再コンビ
――今週は土曜が中京、日曜が中山になりますね。まず土曜の愛知杯(G3)、マジックキャッスルは追い切りに乗られたようですね。
先生からは「前の2頭がペースを作るので、それを見る形。馬を気分良く走らせてくれたら」ということでした。実際気分良く走れていたと思いますし、具合は良さそうだと感じました。
――かなり久々の騎乗になります。
力をつけているとは感じましたし、年長馬相手にはなりますが、いい結果を残したいです。
――今週は随分とテン乗りが多いのですが、日曜のジャニュアリーSのサンライズカラマは前走を勝ってオープン入りです。
前走の勝ち方が良い印象でしたし、乗り味の良い馬。不器用ではありそうですが、どんな形でも対応できそう。しっかり出し切ったレースをしたいです。
――京成杯(G3)のテンバガーはこの世代の出世レース的な結果になっている新馬戦で3着でした。
新馬戦もレベルが高かったと認識していますし、能力は高そうですね。小倉で勝ってきたことからも中山コースにも対応できそう。坂は心配ですが、楽しみです。
――先週乗られた上で中山の馬場コンディションはどうでしたか。
芝は相変わらずタフですね。ペース次第で内を通る結果も見受けられますが、外目でも良さそうですね。ダートは正直難しいですね。だからこそ合うか合わないか、適性が出てくる状態と思えます。ちょっとした流れ次第でガラっとかわる繊細な条件だと思います。
3日間開催中に連勝で両目が開く
――3日間開催の回顧もお願いします。土曜新馬のディベルティールは3着でした。
追い切りで素質も感じていましたが、最後甘くなったぶんは「まだ弱いところがある」とも聞いていた通りでした。素質はあるので今後走ってくるんじゃないかと思います。
――スペロデアは勝ったと思いましたが、惜しい2着でしたね。
前向きさがあってどんな競馬でもできそうですね。一旦は先頭に立ったと思うだけに勝ちたかったところですが、このクラスでもやれる走りはみせてくれましたよ。
――イメルは2番人気に支持されたものの、もっとやれていいかとは感じました。
以前芝で乗せていただきましたが、実績どおり、ダートは合うなと感じました。モマれる競馬にも対応できていましたけど、返し馬から状態が良い頃のものではないかなと感じましたね。力通りなら通用すると思います。
――ニューイヤーSのビッククインバイオは前走に続いてハンデ戦で斤量も据え置きでしたが、着順を落としてしまいました。
前走はリラックスしていい走りをしてくれましたが、今回は元気が良すぎましたね。この雰囲気なら1400mで良さそうです。
――日曜のソーヴァリアント、新馬のアスクヒーローとどうだったでしょうか。
ソーヴァリアントはゲートが前回よりもうるさかったですね…。今後はそこが課題になりそうでちょっと心配です。アスクヒーローは返し馬から能力の高さを感じましたし、楽しみになりましたね。スタートしてからは二の脚も速く、リズム良く運べたのですが、追ってからトモの踏み込みがもうひと息甘く、まだ良くなる余地を残していると思います。
――ハギノアトラスは短期間のレース間隔でプラス体重がこたえましたか。
う~ん、正直それはありそうですね…。
――最終レースのイルヴェントデーアは前が残っているペースを思うと、失速したのが意外でした。
返し馬では落ち着いていて、以前より良くなっていると感じました。ただ、引っかかるわけではなく、力んでいる印象ですね。レースの前半の入り方でかわってきそうです。
――月曜はペイシャオウユー、タイセイスラッガーで連勝でしたね。
ペイシャオウユーはまだ頼りないところがありましたが、最後は良い決め手はあると思っていました。力を出せる展開になりましたね。タイセイスラッガーは流れ的にどうなるかと思いましたが、よくしのいでくれました。決して東京コースがあわないわけじゃないでしょうが、まだモマれる競馬を経験していません。そこが課題になりそうです。
――新年の変則開催もようやくひと段落。昨年の復帰からまた新たな年を迎えているわけですが、体調面はどうでしょうか。
順調ですよ。トレーニング自体、今に限らずメニューはかえてやっていますし、またより良くしたいと思っていて、ケガする前よりも良いくらいです。
――騎乗にも良い効果が出そうですね。
たとえば地方競馬から来た頃とは随分違いますし、当時は本当に何を考えて乗っていたんだろうと思うくらいで。もちろん当時は乗り鞍も多かったので体の面はそれなりにできていましたけど、乗り方であったり、上手く説明はできないものの随分考えられるようになったなと思います。
――本来であれば短期免許の外国人ジョッキーも年末にかけては多数いたはず。この冬はそうした外から来ることがなく、比較対象などもなくて、物足りなさはありませんか。
一時は外国人ジョッキーのパフォーマンスをみて、乗り方を変えないといけないとは思っていましたが、今は良い意味で気にならなくなった…というか。レースの組み立てなどは参考にすべきですが、気にならなくなりましたね。
――今年はまた年間成績でもどんな結果になるのか、楽しみなところですね。次週のアメリカジョッキークラブカップはサトノフラッグに騎乗ということでよろしいですか。
はい、乗せていただきます。
――次週もよろしくおねがいします。
よろしくお願いします!
※次回は1月22日(金)に更新予定です。当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。